俺と幼馴染の冒険が世界を震撼させるというお話

あおアンドあお

文字の大きさ
8 / 9
第一章・幼馴染の怪しげな情報

8話・10個の石

しおりを挟む


「え? この扉やマジックキー以外の情報?う~~~ん、そうだねぇ......」

ライロードの問いに、テンが首を傾げつつ目をスッと瞑った後、記憶の引き出しを開けまくっていく。

そしてその中に入っている、色々な情報を引き出した結果、

「......ああ、あった! あったよ、ライロード! そんな情報があったのを思い出したよ! 確か情報屋の奴がこんな事を言ってたよ。この洞窟のどこかに数個の丸状の石が置かれている部屋があるって!」

テンは手のひらをポンと叩き、情報屋の言っていた言葉を思い出す。

「数個の石......ねぇ。どうもそいつが怪しい感じだな? で、その部屋っていうのは一体どこにあるんだ、テン?」

「さぁ?」

「さぁってなんだよ、さぁってっ!? その情報は聞いていないのかよ!?」

「うん、聞いてない! 何故なら、わたしはそういった細かい情報には全くの興味がないねぇ♪」

俺の問いに、テンは全く悪びれのないドヤ顔を見せてくる。

「ハァ...そういった些細な情報って、探索やお宝のゲットには必須な情報だろうに。お前...ホント本題にしか興味がないよな......」

そんなテンのお気楽な思考に対し、俺は呆れたという表情で軽い嘆息を吐く。

「大体お前はさぁ。主の部分しか聞かな過ぎなんだよ! この前の時もそうだったろ! そのせいで俺がどれだけの迷惑を―――」

そしてそんなテンのお気楽さによってひどい目にあった事を思い出し、その不満を説教するように愚痴っていると、

「あは...あはは~♪ そ、そんな事より、ライロード! 時間もあんまない事だし、さっき話した情報屋の言う石が置いてある部屋をちゃちゃっと探しに行こうよ! うん! そうしようっ!!」

「あ、待って! まだ言い足りな―――」

これ以上の説教は御免被るといわんばかりに、テンは大慌てで奥の通路に向かって猛ダッシュで走って行く。

「......クソ、逃げやがった!」

......ったく、テンの奴め。自分が不利になるといっつもこれなんだから。

俺はテンの行動に呆れながら頭を掻くと、先に行ったテンの後を追い駆けて行く。


それから俺とテンは、魔物を退治しながら情報屋の言っていた丸状の石とやらがどこにあるのかを探す。


―――そして数分後。


「あ、あれは!? おい見ろよ、テン! あそこに数個の丸状の石が置いてあるぞ!」

「うへ!? おお~! た、確かに置いてあるねっ! そして見事なくらいに『フラグだぜ!』っていわんばかりの飾りがいっぱいある部屋じゃん!」

何度目かに入った部屋は、テンが言ったように他の殺風景の部屋とは違って絵や彫刻が多く飾ってあり、その中心の台座にボールくらいの大きさの石が十個並べて置いてあった。

「ふむふむ。これらの石を使って何かをするんだろうけど......」

テンは目を凝らすようにして、部屋の周囲を見渡していく。

すると、

壁に飾ってある絵の中に、星座の絵が数点混ざってある事に気付く。

「なんで星座の絵が飾ってあるんだろう?」

「そう言われれば何か変だな? だってそれ以外の絵はみんな肖像画ばかりだしな?」

俺とテンがどういう事だと、小首を傾げて思考していると、

「あ! 見てよ、ライロード! あの奥にある部屋に何かあるみたいだよ!」

「え? 奥の部屋?」

テンが何かを発見し、その発見した場所に向けて指を差す。

「あれは......なんか窪みのようなものが数個あるな? 取り敢えず、近くまで行ってみるか!」

「了解!」

俺とテンはその窪みらしきのある場所に移動すると、改めてその窪みを観察してみる。

「一体なんだろうね、この窪み?」

「ひぃ...ふぅ...みぃ...どうやら全部で10個みたいだな?」

......ん?

「10個...の窪み?」


――ハッ!?


ライロードは何かに気付いたのか、目を大きく見開く。

「なぁ、テン。この窪みってあれじゃないかな! ほら、あっちの部屋にあった石たちをここに置くんだよ!」

「な、なるほど!確かにあの石を置くのに丁度良い窪みだよね、これっ!」

ライロードの言葉にテンも目を大きく見開いて、納得といわんばかりに手のひらをポンと叩く。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話

家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。 高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。 全く勝ち目がないこの恋。 潔く諦めることにした。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

処理中です...