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外伝その1・成美編
048・一石二鳥
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「ふぅ~ん、バイブル的な存在......ねぇ。ちょいと失敬......」
わたしからお兄ちゃんが雑誌を手に取って拝借すると、ページをパラパラと
捲っていき中身を確認していく。
すると、お兄ちゃんの表情がみるみる眉をひくひくさせる苛立ち
全開の表情へと変わっていき、
「な、なんだよ、これぇえ!?どこもかしこもイケメンばっかりじゃ
ねえかぁぁぁあっ!」
雑誌の表紙から中身まで載っている連中が全部イケメンだらけだと
気づいたお兄ちゃんは、嫌悪感全開の叫声を荒らげると、雑誌をポイと
わたしに突き返す。
「あはは。そりゃそうだよぉ♪だってその雑誌、女性に人気のある男性
冒険者を特集した雑誌だもん。あ、因みにこっちの雑誌が女性冒険者版ね♪」
わたしはお兄ちゃんの態度に苦笑いをこぼしつつ、テーブル上に置いて
いた女性冒険者を特集した雑誌を手に取り、それをお兄さんに見せる。
「しっかしお兄ちゃん。相も変わらず、イケメン男子に対して露骨なまでの
過剰反応をしてくるよね......まぁそれも仕方ないか。何せあのクソ浮気女の
所業のせいで精神を深く抉られちゃったもんね。可哀想......ぐすん」
わたしは日頃のお兄ちゃんの落ち込み様を思い出すと、瞳をウルウルさせ、
哀れみの溢れる表情でお兄ちゃんをジッと見る。
「う、うるせいっ!大方の男はな、イケメンって人種は大嫌いな
ものなのっ!そ、それにイケメン嫌いにあいつは全然関係な...い......」
......ん?
お、お兄ちゃんの動きが止まった?
あ、
こ、今度は怒りに溢れん表情に変わったぞ?
やっぱりクソ恵美が原因って、心が認めたのかな?
っていうか、お兄ちゃんの表情がドンドン怒りMAXに!?
「ち、ちょっと、どったのお兄ちゃん!?顔が怖いんですけど!?」
お怒りはごもっともだろうけど、少し落ち着きなって!?
た、確かにあの女にブチキレるのは分かるよ、うん。
けど、それ以上怒ったら、脳血管がプチッっていっちゃうぞっ!?
そうなる前に、わたしはお兄ちゃん溜飲を下げるアイデアを慌てながら
あれこれと思考していく。
う~~~ん、そうだなぁ。
気分を回復させるには......んんん!
―――おっ!!?
そ、そうだ!
お兄ちゃんのご機嫌回復に良いアイデアを思い付いた!
うん、やっぱあれきゃないよねぇ~っ!?
......コ、コホン、
「よ、よ~し、そういう気分の時は気分転換が必要不可欠だと思うんだよ!
...ってな訳でお兄ちゃん、明日、冒険ギルドにレッツらゴーしちゃおうよ♪
うんうん、それ良い!これ決定事項ねぇ♪」
わたしの先程思い付いた合理的かつナイスなアイデアを、喜色満面の笑みで
お兄ちゃんに提案する。
がしかし、
「はぁああ!?気分転換は分かる!分かるけどさ、何で気分転換をする
場所が冒険ギルドなんだよ!?まったく以て意味が分からないんだけど?
そ、それに俺は冒険者にはならないって、さっき話したと思うんだが?」
わたしの予想とは違った返しをされてしまう。
「ええぇぇえぇ~!いいじゃんかっ!そんなこと言わずに行こうよ~冒険
ギルドにさぁ~~っ!お兄ちゃんのそのストレスもダンジョンに蔓延る魔物を
バッタバッタと叩き潰していけば、きっと解消すると思うんだよっ!うん、
絶対にするよっ!」
わたしはそれでも負けるかと、迫る様な勢いで説得を続けていく。
「ぐ、ぐむぅ......まぁ確かに、ストレス発散にはなるとは思うけどさ......」
「でしょでしょっ!ストレスを無くせばさ、その荒んだ根暗い気持ちも回復する
かもしれないと思うんだよ!そうなれば、わたしも嬉しいし、お兄ちゃんも気が
晴れてスッキリするし!うん!これこそまさに一石二鳥ってやつだよ♪」
わたしが留めとばかりに、喜色満面のニカッとした笑顔でお兄ちゃんを見る。
わたしからお兄ちゃんが雑誌を手に取って拝借すると、ページをパラパラと
捲っていき中身を確認していく。
すると、お兄ちゃんの表情がみるみる眉をひくひくさせる苛立ち
全開の表情へと変わっていき、
「な、なんだよ、これぇえ!?どこもかしこもイケメンばっかりじゃ
ねえかぁぁぁあっ!」
雑誌の表紙から中身まで載っている連中が全部イケメンだらけだと
気づいたお兄ちゃんは、嫌悪感全開の叫声を荒らげると、雑誌をポイと
わたしに突き返す。
「あはは。そりゃそうだよぉ♪だってその雑誌、女性に人気のある男性
冒険者を特集した雑誌だもん。あ、因みにこっちの雑誌が女性冒険者版ね♪」
わたしはお兄ちゃんの態度に苦笑いをこぼしつつ、テーブル上に置いて
いた女性冒険者を特集した雑誌を手に取り、それをお兄さんに見せる。
「しっかしお兄ちゃん。相も変わらず、イケメン男子に対して露骨なまでの
過剰反応をしてくるよね......まぁそれも仕方ないか。何せあのクソ浮気女の
所業のせいで精神を深く抉られちゃったもんね。可哀想......ぐすん」
わたしは日頃のお兄ちゃんの落ち込み様を思い出すと、瞳をウルウルさせ、
哀れみの溢れる表情でお兄ちゃんをジッと見る。
「う、うるせいっ!大方の男はな、イケメンって人種は大嫌いな
ものなのっ!そ、それにイケメン嫌いにあいつは全然関係な...い......」
......ん?
お、お兄ちゃんの動きが止まった?
あ、
こ、今度は怒りに溢れん表情に変わったぞ?
やっぱりクソ恵美が原因って、心が認めたのかな?
っていうか、お兄ちゃんの表情がドンドン怒りMAXに!?
「ち、ちょっと、どったのお兄ちゃん!?顔が怖いんですけど!?」
お怒りはごもっともだろうけど、少し落ち着きなって!?
た、確かにあの女にブチキレるのは分かるよ、うん。
けど、それ以上怒ったら、脳血管がプチッっていっちゃうぞっ!?
そうなる前に、わたしはお兄ちゃん溜飲を下げるアイデアを慌てながら
あれこれと思考していく。
う~~~ん、そうだなぁ。
気分を回復させるには......んんん!
―――おっ!!?
そ、そうだ!
お兄ちゃんのご機嫌回復に良いアイデアを思い付いた!
うん、やっぱあれきゃないよねぇ~っ!?
......コ、コホン、
「よ、よ~し、そういう気分の時は気分転換が必要不可欠だと思うんだよ!
...ってな訳でお兄ちゃん、明日、冒険ギルドにレッツらゴーしちゃおうよ♪
うんうん、それ良い!これ決定事項ねぇ♪」
わたしの先程思い付いた合理的かつナイスなアイデアを、喜色満面の笑みで
お兄ちゃんに提案する。
がしかし、
「はぁああ!?気分転換は分かる!分かるけどさ、何で気分転換をする
場所が冒険ギルドなんだよ!?まったく以て意味が分からないんだけど?
そ、それに俺は冒険者にはならないって、さっき話したと思うんだが?」
わたしの予想とは違った返しをされてしまう。
「ええぇぇえぇ~!いいじゃんかっ!そんなこと言わずに行こうよ~冒険
ギルドにさぁ~~っ!お兄ちゃんのそのストレスもダンジョンに蔓延る魔物を
バッタバッタと叩き潰していけば、きっと解消すると思うんだよっ!うん、
絶対にするよっ!」
わたしはそれでも負けるかと、迫る様な勢いで説得を続けていく。
「ぐ、ぐむぅ......まぁ確かに、ストレス発散にはなるとは思うけどさ......」
「でしょでしょっ!ストレスを無くせばさ、その荒んだ根暗い気持ちも回復する
かもしれないと思うんだよ!そうなれば、わたしも嬉しいし、お兄ちゃんも気が
晴れてスッキリするし!うん!これこそまさに一石二鳥ってやつだよ♪」
わたしが留めとばかりに、喜色満面のニカッとした笑顔でお兄ちゃんを見る。
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