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九
最終決戦 ── 届け!僕らの言霊(前編)
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音楽(龍神)。
対峙する赤城軍と二荒軍。背後には妖魔となった盗賊の十郎と熊の不動が控えている。カラスとフクロウ。二荒軍は男体、華厳と家来達。
赤城(魔人) 「おや?案外早い到着だな。死に装束は元から用意していたのか?」
百足軍の笑い声
男体 「この外道が、今度はその五体引きちぎってくれるわ。」
華厳 「赤城、(前に出る)これがお前の答えか?」
赤城(魔人) 「おっと、これは驚いた。華厳、出てきたのか?」
華厳 「赤城、説明しろ?」
赤城(魔人) 「何をだ?」
華厳 「何をだと!お前は私と一緒に赤城山を元の山に戻すんじゃなかったのか?」
赤城(魔人) 「ふん。人体など那由他の命の前では、一つの命に過ぎん。」
華厳 「なっ…。」
赤城(魔人) 「そう落ち込むな華厳。一つの命だが、俺は俺だ。貴方と過ごした日々を忘れたわけではない。だが、俺は人である前に赤城山の神だ。赤城山の命は俺が守る。」
華厳 「ならば、私と話し合え!なぜ戦など仕掛ける!」
赤城(魔人) 「俺の目的のためには男体山の神には死んでもらわねばならん。それを話しあって、おまえが納得するとは思わぬからな。」
華厳 「当たり前だ!なぜだ、なぜ男体山の神を狙う。」
赤城(魔人) 「妖魔が生きつづけるには、神の魂が必要だ!」
華厳 「そんな…。」
男体 「ええい、黙って聞いておれば、己の都合だけ押し付け負って、しかも妖魔だと、貴様、もう神とは呼べんな。」
赤城(魔人) 「なんとでも言うがいい。お前の魂は俺がいただく。」
華厳 「違う!お前は赤城じゃない!お前は本当の赤城じゃない!赤城!」
男体 「ええい、お前達ここから華厳を連れ出せ!埒があかん。」
華厳 「赤城!目を覚ませ!赤城!」
家来達に連れて行かれる華厳。退場。
赤城(魔人) 「ふう。どうも人体を得ると、我々神は人間臭くなって叶わんな、そうだろう男体山の神よ。」
男体 「そうじゃな、我々神は人体を得た事で半分は人間となり、人間の体を通して神通力をこの世界に行使する。しかし、人間は迷いながらも、命の意味と生きる素晴らしさを我ら神に教えてくれる。だからこそ我ら神は人間となりてこの世にあらわれているのだ、人間から我ら神の真実を教わるために。赤城よ、人間を否定する事は、自分自身を否定しているのと同じだぞ。」
赤城(魔人) 「ふん。大した講釈だ。その人間が言ったのだ、もっと生きたい、もっと力をとな。」
男体 「悲しいな。人間の負の部分に満たされたか?お前への怒りは憐れみとなったわ。」
赤城(魔人) 「ならばその憐れな者どもに貴様の魂を差し出すがいい。ゆくぞ!」
戦場ヶ原神戦伝 テーマ曲 時の傷痕(三回目 歌無し、曲は初めから)
静かなイントロ部で家来は退場。
赤城と男体は日本舞踊のような立ち回り。
赤城率いる百足軍と男体率いる大蛇軍の戦いが始まる。
最後は百足が大蛇を飲み込み、赤城が男体を倒す。
赤城の前に引っ立てられる男体。
赤城(魔人) 「ふはははは、命運尽きたな男体。おもしろい、この前とはまるで逆だ。そうだ、遺言を聞いてやろう。」
男体 「貴様には…神罰がくだる…。」
各々が見合う、百足軍の笑い声。
赤城(魔人) 「ふははは、その罰は貴様が食らったのか?センスの良い遺言だったな。では男体よ二荒の魂もらい受ける!さらばだ!」
赤城が刀剣を振り上げる。華厳の神通力によって華厳以外の周りの時が止まる。」
華厳 「時よ眠れ! 」
開帳場から華厳が現れ赤城を切り裂く。ガギンッと鈍い金属音が鳴り響く。
華厳 「赤城…なぜだ。こんな事したくなかったのに。」
時は再び動き出す。
赤城(魔人) 「なに、何が起こった?華厳?まさか、お前、俺を切ったのか?馬鹿な、俺は死ぬのか、そんな、そんな事はない!カラス、フクロウ、華厳を捕えろ。」
カラスとフクロウに取り押さえられる華厳。
華厳 「赤城、どうして…。確かに切ったはず。」
赤城(魔人) 「ああ、自分の刀を見てみるんだな。」
華厳 「刃が欠けている…。」
赤城(魔人) 「華厳よ、そんななまくらで百足の鎧を切り裂く事はできんよ。残念だったな。さて、(男体に)では今度こそ本当にさよならだ。」
華厳 「やめろ、やめろ!赤城ーっ!」
赤城(魔人) 「あばよ男体!」
猿丸 「まて~い!」
赤城(魔人) 「今度はなんだ?」
猿丸 「正しき道を行く者を、力で踏みにじるその行為!人はそれ、悪と言う。」
赤城(魔人) 「誰だ!姿を見せろ!」
暗転。
サルバルカンが一人づつ見得を切る。一人ずつ照明。
観猿 「この左目、物を見るのはできねえが、悪の気配が見えるのさ。観て見ぬ振りもここまでだ。隻眼の、観猿!」
岩猿 「腹が減ったら石さえ食べる。煮ても焼いても食えねえ悪も、食らい尽くすはこの拳。鉄拳の、岩猿!」
貴家猿 「貴方を誘うこの動き、明日を断ち切る芸の技。男も女も差別なく、罪に合わせたお仕置きを。扇風の、貴家猿!」
猿丸 「誰が呼んだか呼ばれたか、会ったが最後運の尽き、神も仏も手を焼いた、父から譲りしこの力、使うは弱きを守るため。二代目斉天大聖、孫猿丸~っ!四人揃って!」
猿丸・三猿 「猿丸戦隊、サルバルカン!(ドラ音)」
赤城(魔人) 「なんだお前らは、猿芝居なら他でやれ。」
猿丸 「あ~あ残念だがこの演目、赤城退治と申します!」
赤城(魔人) 「くだらん。十郎!」
盗賊の十郎 「ひゃっはー。」
赤城(魔人) 「不動。」
熊の不動 「お~う。」
赤城(魔人) 「始末しろ。」
十郎・不動 「はっ! 」
猿丸 「いくぜ三猿!」
三猿(同時)「よっしゃあ!」
音楽(よっしゃ~漢唄 CR花の慶次~斬より)。
猿丸がものすごい勢いで赤城を上手へ押し飛ばす。観猿は男体救出。岩猿は不動。貴家猿は十郎と戦う。
猿丸 「うおおおおおおおお!おりゃあ!(赤城を吹っ飛ばす)」
赤城(魔人) 「何だと。」
猿丸 「よっしゃあ、観猿!後は任せた!」
観猿 「えーっ!ちょっと!あーもう! 」
赤城、男体を差し置き華厳を真先に救出に向かう猿丸。カラスとフクロウが立ちはだかる。
猿丸 「おめえらじゃ相手にならねえよ。」
カラスとフクロウは猿丸と刃をかわすが簡単にはじかれる。
フクロウ 「ホー、カッちゃん、本気出だ!本気出せ!」
カラス 「カー、俺の本気みせてやるぜ、(武器を振りかざすが、踵を返して)カア~~~~~~~ッ!」
カラスは中央後方の開帳場に退場。
フクロウ 「ホー、カっちゃん、どこいくだ、カッちゃーん(カラスの後を追う)」
フクロウも後を追って逃げる。
猿丸 「あなたが、華厳の姫様?」
華厳 「そうだ。お前は何者だ。」
猿丸 「まずは安全な場所へ。ささ、どうぞこちらへ。」
華厳を下手花道へ誘導する。
猿丸 「ああ、こりゃあ、こりゃあ。」
華厳の顔を凝視する、猿丸。
猿丸 「マブイ…。(※美しいの俗語)」
華厳 「は?」
華厳に見とれ、一瞬我を忘れる猿丸だが、我に返る猿丸。
猿丸 「…はっ!失礼、申し遅れた。俺は猿丸。あなたを守る猿丸です。」
華厳 「猿丸?」
猿丸 「そう!女峰お母様から依頼され、華厳の姫と二荒山をお守りするように申しつけられた。そう!猿丸です。」
華厳 「母に…。」
猿丸 「もう大丈夫、安心しておくんな、華厳の姫。猿丸です。」
男体 「おい、猿丸とやら、こちらも頼む。」
猿丸 「チッ、誰だお前、ちょっと待ってろ。」
華厳 「父を助けてくれ!」
猿丸 「父だと…お父様!今すぐに!」
猿丸は男体に駆け寄り縛る紐を解く。カラス、フクロウがビクビクしながら腰を低くして開帳場から出てくる。
フクロウ 「ホー、奴が後ろ向いた!行くか?」
カラス 「カー、後ろからだなんて、鬼畜だな。」
フクロウ 「ホー、何言ってんだ、オラ達鬼畜だべ。」
カラス 「カー、フクちゃんよ、だめだ、紐ほどき終わっちまった、隠れるべ。」
フクロウ 「ホー、俺らの役割ってなんだべな。」
カラス・フクロウは再び開帳場に退場。
男体を解放した猿丸は、男体と華厳を下手花道へ連れていく。
男体 「すまん助かった。鹿島の神の友人か?」
猿丸 「まあ、そんなようなもんですぜ。ささ、そちらで見ていておくんなせい、今、この猿丸が妖魔野郎を退治しますから。この仏の御魂の剣で。」
男体 「なんと!仏の御魂の剣か!」
舞台中央中段に移動しながら。
猿丸 「ええ、この仏の御魂の剣は西の大陸では如意棒と呼ばれていたんですぜ。己の意のままにどんな形にも変化する。そうさな、この距離なら弓か。神剣転生、仏の弓矢(フツノユミヤ)!」
開帳場に剣を放り投げると、弓と矢が代わりに飛んでくる。キャッチして一回転しながら弓を引く。
猿丸 「うおおおおお!」
上手花道、ライトアップ。なかよし達が追いつく。
龍之介 「見ろみんな!」
美森 「猿丸が弓を構えてる!」
なかよし 「みんな、聞いて欲しいことがある!」
愛 「何よこんな時に!」
なかよし 「君たちは赤城山の神を助けたいか?」
愛 「何いってんの!助けるなら二荒山の神でしょう。」
なかよし 「いや、妖魔に取りつかれていない赤城山の神じゃ。」
美森 「妖魔に取りつかれていない?」
なかよし 「そうじゃ、彼は優しい土地神なんじゃ…。」
愛 「なら分かるけど…、どうやって助けるのよ。」
龍之介 「そうだよ、いくら足が速くなったて戦うのは、なあ。(勇気に合意を求める)」
勇気 「僕、こわいよ。」
なかよし 「戦わなくていい、言霊を届けてほしい。」
愛 「言霊?」
なかよし 「そう、心ある言葉は言霊と言って神通力が宿る。」
龍之介 「そうなの?」
なかよし 「君たち四人の言霊に華厳の石が反応し、赤城山の神を救える力になる。じゃから頼む、言葉を、赤城山の神を元気付ける言葉を届けてほしい。」
愛 「元気付けるって…(赤城は観猿と戦っている)、めちゃめちゃ元気そうじゃない!」
なかよし 「今はな…。だが、もうすぐ赤城山の神は倒れ、君たちは赤城山の神の真実を知るだろう。」
美森 「でも、どんな言葉を?」
なかよし 「赤城山の麓で暮らした君たちならば、きっと赤城山の神が元気になる言葉を持っているはずじゃ。」
勇気 「赤城山の神を元気づける言葉…。」
美森 「私たちがこの世界に来た意味って、そういう事なのね。」
愛 「世話の焼ける神さまね~。」
龍之介 「よーし、やろうぜみんな、言葉で救うんだ!」
全員 「うん!(勇気も頷くものの、握った手が大きく震えている)」
上手花道照明オフ。
対峙する赤城軍と二荒軍。背後には妖魔となった盗賊の十郎と熊の不動が控えている。カラスとフクロウ。二荒軍は男体、華厳と家来達。
赤城(魔人) 「おや?案外早い到着だな。死に装束は元から用意していたのか?」
百足軍の笑い声
男体 「この外道が、今度はその五体引きちぎってくれるわ。」
華厳 「赤城、(前に出る)これがお前の答えか?」
赤城(魔人) 「おっと、これは驚いた。華厳、出てきたのか?」
華厳 「赤城、説明しろ?」
赤城(魔人) 「何をだ?」
華厳 「何をだと!お前は私と一緒に赤城山を元の山に戻すんじゃなかったのか?」
赤城(魔人) 「ふん。人体など那由他の命の前では、一つの命に過ぎん。」
華厳 「なっ…。」
赤城(魔人) 「そう落ち込むな華厳。一つの命だが、俺は俺だ。貴方と過ごした日々を忘れたわけではない。だが、俺は人である前に赤城山の神だ。赤城山の命は俺が守る。」
華厳 「ならば、私と話し合え!なぜ戦など仕掛ける!」
赤城(魔人) 「俺の目的のためには男体山の神には死んでもらわねばならん。それを話しあって、おまえが納得するとは思わぬからな。」
華厳 「当たり前だ!なぜだ、なぜ男体山の神を狙う。」
赤城(魔人) 「妖魔が生きつづけるには、神の魂が必要だ!」
華厳 「そんな…。」
男体 「ええい、黙って聞いておれば、己の都合だけ押し付け負って、しかも妖魔だと、貴様、もう神とは呼べんな。」
赤城(魔人) 「なんとでも言うがいい。お前の魂は俺がいただく。」
華厳 「違う!お前は赤城じゃない!お前は本当の赤城じゃない!赤城!」
男体 「ええい、お前達ここから華厳を連れ出せ!埒があかん。」
華厳 「赤城!目を覚ませ!赤城!」
家来達に連れて行かれる華厳。退場。
赤城(魔人) 「ふう。どうも人体を得ると、我々神は人間臭くなって叶わんな、そうだろう男体山の神よ。」
男体 「そうじゃな、我々神は人体を得た事で半分は人間となり、人間の体を通して神通力をこの世界に行使する。しかし、人間は迷いながらも、命の意味と生きる素晴らしさを我ら神に教えてくれる。だからこそ我ら神は人間となりてこの世にあらわれているのだ、人間から我ら神の真実を教わるために。赤城よ、人間を否定する事は、自分自身を否定しているのと同じだぞ。」
赤城(魔人) 「ふん。大した講釈だ。その人間が言ったのだ、もっと生きたい、もっと力をとな。」
男体 「悲しいな。人間の負の部分に満たされたか?お前への怒りは憐れみとなったわ。」
赤城(魔人) 「ならばその憐れな者どもに貴様の魂を差し出すがいい。ゆくぞ!」
戦場ヶ原神戦伝 テーマ曲 時の傷痕(三回目 歌無し、曲は初めから)
静かなイントロ部で家来は退場。
赤城と男体は日本舞踊のような立ち回り。
赤城率いる百足軍と男体率いる大蛇軍の戦いが始まる。
最後は百足が大蛇を飲み込み、赤城が男体を倒す。
赤城の前に引っ立てられる男体。
赤城(魔人) 「ふはははは、命運尽きたな男体。おもしろい、この前とはまるで逆だ。そうだ、遺言を聞いてやろう。」
男体 「貴様には…神罰がくだる…。」
各々が見合う、百足軍の笑い声。
赤城(魔人) 「ふははは、その罰は貴様が食らったのか?センスの良い遺言だったな。では男体よ二荒の魂もらい受ける!さらばだ!」
赤城が刀剣を振り上げる。華厳の神通力によって華厳以外の周りの時が止まる。」
華厳 「時よ眠れ! 」
開帳場から華厳が現れ赤城を切り裂く。ガギンッと鈍い金属音が鳴り響く。
華厳 「赤城…なぜだ。こんな事したくなかったのに。」
時は再び動き出す。
赤城(魔人) 「なに、何が起こった?華厳?まさか、お前、俺を切ったのか?馬鹿な、俺は死ぬのか、そんな、そんな事はない!カラス、フクロウ、華厳を捕えろ。」
カラスとフクロウに取り押さえられる華厳。
華厳 「赤城、どうして…。確かに切ったはず。」
赤城(魔人) 「ああ、自分の刀を見てみるんだな。」
華厳 「刃が欠けている…。」
赤城(魔人) 「華厳よ、そんななまくらで百足の鎧を切り裂く事はできんよ。残念だったな。さて、(男体に)では今度こそ本当にさよならだ。」
華厳 「やめろ、やめろ!赤城ーっ!」
赤城(魔人) 「あばよ男体!」
猿丸 「まて~い!」
赤城(魔人) 「今度はなんだ?」
猿丸 「正しき道を行く者を、力で踏みにじるその行為!人はそれ、悪と言う。」
赤城(魔人) 「誰だ!姿を見せろ!」
暗転。
サルバルカンが一人づつ見得を切る。一人ずつ照明。
観猿 「この左目、物を見るのはできねえが、悪の気配が見えるのさ。観て見ぬ振りもここまでだ。隻眼の、観猿!」
岩猿 「腹が減ったら石さえ食べる。煮ても焼いても食えねえ悪も、食らい尽くすはこの拳。鉄拳の、岩猿!」
貴家猿 「貴方を誘うこの動き、明日を断ち切る芸の技。男も女も差別なく、罪に合わせたお仕置きを。扇風の、貴家猿!」
猿丸 「誰が呼んだか呼ばれたか、会ったが最後運の尽き、神も仏も手を焼いた、父から譲りしこの力、使うは弱きを守るため。二代目斉天大聖、孫猿丸~っ!四人揃って!」
猿丸・三猿 「猿丸戦隊、サルバルカン!(ドラ音)」
赤城(魔人) 「なんだお前らは、猿芝居なら他でやれ。」
猿丸 「あ~あ残念だがこの演目、赤城退治と申します!」
赤城(魔人) 「くだらん。十郎!」
盗賊の十郎 「ひゃっはー。」
赤城(魔人) 「不動。」
熊の不動 「お~う。」
赤城(魔人) 「始末しろ。」
十郎・不動 「はっ! 」
猿丸 「いくぜ三猿!」
三猿(同時)「よっしゃあ!」
音楽(よっしゃ~漢唄 CR花の慶次~斬より)。
猿丸がものすごい勢いで赤城を上手へ押し飛ばす。観猿は男体救出。岩猿は不動。貴家猿は十郎と戦う。
猿丸 「うおおおおおおおお!おりゃあ!(赤城を吹っ飛ばす)」
赤城(魔人) 「何だと。」
猿丸 「よっしゃあ、観猿!後は任せた!」
観猿 「えーっ!ちょっと!あーもう! 」
赤城、男体を差し置き華厳を真先に救出に向かう猿丸。カラスとフクロウが立ちはだかる。
猿丸 「おめえらじゃ相手にならねえよ。」
カラスとフクロウは猿丸と刃をかわすが簡単にはじかれる。
フクロウ 「ホー、カッちゃん、本気出だ!本気出せ!」
カラス 「カー、俺の本気みせてやるぜ、(武器を振りかざすが、踵を返して)カア~~~~~~~ッ!」
カラスは中央後方の開帳場に退場。
フクロウ 「ホー、カっちゃん、どこいくだ、カッちゃーん(カラスの後を追う)」
フクロウも後を追って逃げる。
猿丸 「あなたが、華厳の姫様?」
華厳 「そうだ。お前は何者だ。」
猿丸 「まずは安全な場所へ。ささ、どうぞこちらへ。」
華厳を下手花道へ誘導する。
猿丸 「ああ、こりゃあ、こりゃあ。」
華厳の顔を凝視する、猿丸。
猿丸 「マブイ…。(※美しいの俗語)」
華厳 「は?」
華厳に見とれ、一瞬我を忘れる猿丸だが、我に返る猿丸。
猿丸 「…はっ!失礼、申し遅れた。俺は猿丸。あなたを守る猿丸です。」
華厳 「猿丸?」
猿丸 「そう!女峰お母様から依頼され、華厳の姫と二荒山をお守りするように申しつけられた。そう!猿丸です。」
華厳 「母に…。」
猿丸 「もう大丈夫、安心しておくんな、華厳の姫。猿丸です。」
男体 「おい、猿丸とやら、こちらも頼む。」
猿丸 「チッ、誰だお前、ちょっと待ってろ。」
華厳 「父を助けてくれ!」
猿丸 「父だと…お父様!今すぐに!」
猿丸は男体に駆け寄り縛る紐を解く。カラス、フクロウがビクビクしながら腰を低くして開帳場から出てくる。
フクロウ 「ホー、奴が後ろ向いた!行くか?」
カラス 「カー、後ろからだなんて、鬼畜だな。」
フクロウ 「ホー、何言ってんだ、オラ達鬼畜だべ。」
カラス 「カー、フクちゃんよ、だめだ、紐ほどき終わっちまった、隠れるべ。」
フクロウ 「ホー、俺らの役割ってなんだべな。」
カラス・フクロウは再び開帳場に退場。
男体を解放した猿丸は、男体と華厳を下手花道へ連れていく。
男体 「すまん助かった。鹿島の神の友人か?」
猿丸 「まあ、そんなようなもんですぜ。ささ、そちらで見ていておくんなせい、今、この猿丸が妖魔野郎を退治しますから。この仏の御魂の剣で。」
男体 「なんと!仏の御魂の剣か!」
舞台中央中段に移動しながら。
猿丸 「ええ、この仏の御魂の剣は西の大陸では如意棒と呼ばれていたんですぜ。己の意のままにどんな形にも変化する。そうさな、この距離なら弓か。神剣転生、仏の弓矢(フツノユミヤ)!」
開帳場に剣を放り投げると、弓と矢が代わりに飛んでくる。キャッチして一回転しながら弓を引く。
猿丸 「うおおおおお!」
上手花道、ライトアップ。なかよし達が追いつく。
龍之介 「見ろみんな!」
美森 「猿丸が弓を構えてる!」
なかよし 「みんな、聞いて欲しいことがある!」
愛 「何よこんな時に!」
なかよし 「君たちは赤城山の神を助けたいか?」
愛 「何いってんの!助けるなら二荒山の神でしょう。」
なかよし 「いや、妖魔に取りつかれていない赤城山の神じゃ。」
美森 「妖魔に取りつかれていない?」
なかよし 「そうじゃ、彼は優しい土地神なんじゃ…。」
愛 「なら分かるけど…、どうやって助けるのよ。」
龍之介 「そうだよ、いくら足が速くなったて戦うのは、なあ。(勇気に合意を求める)」
勇気 「僕、こわいよ。」
なかよし 「戦わなくていい、言霊を届けてほしい。」
愛 「言霊?」
なかよし 「そう、心ある言葉は言霊と言って神通力が宿る。」
龍之介 「そうなの?」
なかよし 「君たち四人の言霊に華厳の石が反応し、赤城山の神を救える力になる。じゃから頼む、言葉を、赤城山の神を元気付ける言葉を届けてほしい。」
愛 「元気付けるって…(赤城は観猿と戦っている)、めちゃめちゃ元気そうじゃない!」
なかよし 「今はな…。だが、もうすぐ赤城山の神は倒れ、君たちは赤城山の神の真実を知るだろう。」
美森 「でも、どんな言葉を?」
なかよし 「赤城山の麓で暮らした君たちならば、きっと赤城山の神が元気になる言葉を持っているはずじゃ。」
勇気 「赤城山の神を元気づける言葉…。」
美森 「私たちがこの世界に来た意味って、そういう事なのね。」
愛 「世話の焼ける神さまね~。」
龍之介 「よーし、やろうぜみんな、言葉で救うんだ!」
全員 「うん!(勇気も頷くものの、握った手が大きく震えている)」
上手花道照明オフ。
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