青い石と祈りの女神

大谷川一聡(だいやがわ かずとし)

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エピローグ ── 現代・戦場ヶ原に帰る声

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静かな湖畔フェードイン。舞台中央奥が、光輝く。
光の中から現れる子供達。静かな湖畔フェードアウト。
周りをキョロキョロする子供達。

龍之介   「う~ん。真っ暗だ。」

愛     「私達、本当に現代に帰ってきたのかしら?」

勇気    「あれ、なかよしのおじちゃんは?」
     
周りをキョロキョロする子供達。ふと上手二階にスポットが当たる。なかよしが、ピクリともせずに、うなだれてしゃがみこんでいる。

美森    「おじさん?」

愛     「なかよしのおじさん?」

龍之介   「どうしたんだよ、おじさん!」

勇気    「おじさーん!」

ユバ    「みなさん。お疲れ様でした。」

勇気    「ユバ君!おじさんが動かないんだ!」

ユバ    「なかよしは、私の仮の姿。高性能の人形です。」

子供達   「人形!」

龍之介   「人形はユバ君じゃないか!」

ユバ    「それはちょっと訳ありでね、本当の姿で家族や猿丸に会うと面倒なことになるから、仮の姿で旅をさせてもらったの。」

愛     「仮の姿って?本当の姿は?」

ユバ    「私の名はなかよし、漢字で仲良しの仲と善悪の善。音読みでなんと読むかしら?学校で習ったでしょう。」

龍之介   「仲良しの仲と善悪の善?わからない。」

愛     「だめねえ。」

美森    「チュウゼン?」

勇気    「チュウゼン…ジコ?」

ユバ    「そう、人は私を中禅寺湖の神と呼ぶ。」

舞台中央奥が光輝く、華厳そっくりな美しい女神が現れる。

ユバ    「私は赤城と華厳の長女、仲善。人となった母に代わり、この湖の神となりました。赤城と華厳の血を受け継ぐ、あなた達のおかげで赤城山の神は救われ、そして…私の心も救われました。神の夢は未来……あなたは、どんな未来を描くのでしょう。ありがとう、我が魂の片割れ達。また私たちの元へ帰るその日まで、この湖とこの空の下で、いつまでも見守っています。ずっと…。」

二荒の神々(赤城、華厳、女峰、男体)が光の中に浮かぶ。光の海に待つ家族の元に帰る仲善。フェードアウト。

ユバ    「クローズ・ザ・ドリーム。」

龍之介   「え、ちょ、ちょっと、置いてかないでよ!」

騒ぎ出す子供達。舞台が明るくなる。

勇気    「あ、光…。」

愛     「ここはオリエンテーリングのスタート地点?」

美森    「あれは、夢だったのかしら?」

先生    「いた!あなた達!いったいどこに行っていたの!」

子供達   「先生!」

先生に抱きつく子供達

先生    「もう、心配したわよ。みんな大騒ぎだったんだから!」

龍之介   「先生!すごいんだ!俺らみんな、赤城と華厳の子孫なんだぜ!」

先生    「何を言っているの?お話はバスの中で聞くから、早く戻るわよ。みんな心配してるんだから。」

子供達を煽って退場。勇気だけ残る。戦場ヶ原を名残惜しそうに見つめる。

先生    「勇気ーっ!」

勇気    「はーい!」
 
戦場ヶ原(客席)を見続ける勇気。
音楽(ガンダムUC BIGINING)。
緞帳下げ。

-幕- 
おわり

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