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第11話 決定(国王side)
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ここは、王城にある国王の執務室である。
その執務室に国王、王妃、第二王子、王女、宰相が集まっていた。
「ドナルド。説明頼む。」
「畏まりました。」
「マッカート王太子殿下ですが、予想通り部屋を抜け出しました。クライシス公爵家の次女レベッカの元へ向かったようです。」
「やはりか。」
「「……」」
ワシはマッカートが抜け出すだろうことはわかっていた。
クリスとレノンが黙っている。
マリーが気になったことあったのか、ドナルドに質問した。
「宰相、あの愚兄はお一人では、抜け出すことが出来ないはずですが、どうやって抜けたしたのですの。」
「はい。マッカート王太子殿下は、サザン伯爵とその息子ザジの手助けにより箱に入り運びたされ、城から抜け出しました。」
「まるで、見ていたような言い方ですわね。」
「私は、見ておりませんが、私の部下がサザン伯爵が城内に送り込んだ内通者の中におりまして、
王太子が抜け出す際も王太子殿下の部屋の見張りを担当させましたので、その者から報告があったのです。」
「そうなのですね。」
「父上、ザザン伯爵は、悪い噂ばかりですし、今回のこともありますし、証拠をつかめば、爵位剥奪、領地没収、処刑までもっていけますね。」
「そうだな。王太子派の二大派閥のザザン伯爵の派閥に属しているマッカートを王にして、甘い汁を吸おうという愚かな貴族たち諸とも処罰出来そうだな。もう一方の王太子派の派閥はどうなのだドナルド。」
「はい。愚兄、サイ公爵の派閥は、公爵家の持つ権力に肖って、おいしい思いをしたいだけの貴族たちですから派閥解体等は公爵家が力を失えば簡単かと。
勿論、派閥に所属していた貴族たちには自分達がやってきたことの報いは受けてもらいますけどね。
クライシス公爵家はソフィアを追放してしまったので、勝手に自滅してくれるでしょうから」
「膿を出すためだったとはいえ、ソフィア嬢には申し訳ないことをしたのではないですかね。父上。」
「そうですわよ。お父様、ソフィアお姉様が可哀想ですわよ。」
「わかっておる。ソフィア嬢には、近いうち直接謝るから二人供、そうワシを責めんでくれ。」
「あなたが悪いので、二人に責められても仕方がないです。私もですが、二人共、ソフィアちゃんが大好きですからね。」
「クリス、お前まで……」
家族から責められた。仕方がなかったとはいえ、申し訳ないことをしたとは、ワシも思っておる。
これ以上、責められるのもワシの執務室なのに居心地悪いし、辛いので話題を変えてしまえ。
「ところで、レノンよ。ソフィア嬢のことはどう思っておるのかの。ワシはレノンの婚約者にと考えておるのじゃが」
「……ソフィア嬢のことは、……す 好きです。
……ありがたい話ですが……」
「レノンお兄様、しっかりしてくださいまし、レノンお兄様とソフィアお姉様が結婚すれば、ソフィアお姉様が私のお義姉様になるのですから」
「マリー。マリーだって、ラルフのことが好きなのだろう。マリーとラルフが結婚してもソフィア嬢がマリーの義姉になるだろう。」
レノンとマリーが言い争いを始めたな。なに、マリーはラルフのことが好きなのか。
レノンだけでなく、マリーの婚約もするのもありだな。父親としては、辛い決断だが、国王としては、いい決断だと思うのじゃが。
まあ一つの家から王子と王女の婚約者が出れば周りはうるさいかもしれんがな。
クリスに聞いてみることにしよう。
「クリス、そなたはどう思う。」
「レノンとマリーの婚約ですか。私はいいと思いますよ。ソフィアちゃんとラルフくんが私の義娘と義息ですか。最高ですね……」
クリスが別の世界に行ってしまったな。ドナルドにも聞いてみよう。
「ドナルドは、どう思う。」
「そうですね。一つの家から王子殿下と王女殿下の婚約者が出ると周りがうるさそうですが、姪と甥のことですから私としてはありがたいと思いますよ。ソフィアに関しては、外には漏れてませんが婚約破棄されたばかりなので、受けてくれるかは、ソフィアの気持ち次第でしょうけどね。」
クリスもドナルドも賛成みたいだな。周りは黙らせれば済む話だ。
「レノン、ソフィア嬢をレノンの婚約者とする。ただし、ソフィア嬢の気持ちを優先し、場合によっては取り消しもある。わかったな。」
「はい。父上。」
「マリー。ラルフをマリーの婚約者とする。マリーもわかったかな。」
「はい。お父様。」
レノンもマリーも、そしてクリスも嬉しそうだな。
「そして、マッカートは廃嫡とする。」
「そうですわね。」
「「当然だ(ですわ)」」
「畏まりました。それで、廃嫡後はどうされるのですか。どこかの家に預けになるのですか。」
「いいや。よからぬことを考える輩がいる可能性があるので、監視の意味でも預けた方がよいのだが、預けられた家に迷惑だろうからな。廃嫡後は平民とする。平民となれば、レベッカ嬢のことも認めてやろうではないか。平民となったマッカートにレベッカ嬢がついてくるとは思わんがな。」
「「「「そうですね(わね)」」」」
「マッカートを廃嫡することを各家の当主たちを集め発表することになるので、クライシス公爵家は後にするが、愚かな貴族たちの処罰は、発表後に行う。
ドナルド、愚か者たちの悪事の裏付けを頼んだぞ。」
「畏まりました。」
こうして、本人たちの知らぬところで、婚約と廃嫡、そして愚かな貴族たちを処罰することが決定したのである。
その執務室に国王、王妃、第二王子、王女、宰相が集まっていた。
「ドナルド。説明頼む。」
「畏まりました。」
「マッカート王太子殿下ですが、予想通り部屋を抜け出しました。クライシス公爵家の次女レベッカの元へ向かったようです。」
「やはりか。」
「「……」」
ワシはマッカートが抜け出すだろうことはわかっていた。
クリスとレノンが黙っている。
マリーが気になったことあったのか、ドナルドに質問した。
「宰相、あの愚兄はお一人では、抜け出すことが出来ないはずですが、どうやって抜けたしたのですの。」
「はい。マッカート王太子殿下は、サザン伯爵とその息子ザジの手助けにより箱に入り運びたされ、城から抜け出しました。」
「まるで、見ていたような言い方ですわね。」
「私は、見ておりませんが、私の部下がサザン伯爵が城内に送り込んだ内通者の中におりまして、
王太子が抜け出す際も王太子殿下の部屋の見張りを担当させましたので、その者から報告があったのです。」
「そうなのですね。」
「父上、ザザン伯爵は、悪い噂ばかりですし、今回のこともありますし、証拠をつかめば、爵位剥奪、領地没収、処刑までもっていけますね。」
「そうだな。王太子派の二大派閥のザザン伯爵の派閥に属しているマッカートを王にして、甘い汁を吸おうという愚かな貴族たち諸とも処罰出来そうだな。もう一方の王太子派の派閥はどうなのだドナルド。」
「はい。愚兄、サイ公爵の派閥は、公爵家の持つ権力に肖って、おいしい思いをしたいだけの貴族たちですから派閥解体等は公爵家が力を失えば簡単かと。
勿論、派閥に所属していた貴族たちには自分達がやってきたことの報いは受けてもらいますけどね。
クライシス公爵家はソフィアを追放してしまったので、勝手に自滅してくれるでしょうから」
「膿を出すためだったとはいえ、ソフィア嬢には申し訳ないことをしたのではないですかね。父上。」
「そうですわよ。お父様、ソフィアお姉様が可哀想ですわよ。」
「わかっておる。ソフィア嬢には、近いうち直接謝るから二人供、そうワシを責めんでくれ。」
「あなたが悪いので、二人に責められても仕方がないです。私もですが、二人共、ソフィアちゃんが大好きですからね。」
「クリス、お前まで……」
家族から責められた。仕方がなかったとはいえ、申し訳ないことをしたとは、ワシも思っておる。
これ以上、責められるのもワシの執務室なのに居心地悪いし、辛いので話題を変えてしまえ。
「ところで、レノンよ。ソフィア嬢のことはどう思っておるのかの。ワシはレノンの婚約者にと考えておるのじゃが」
「……ソフィア嬢のことは、……す 好きです。
……ありがたい話ですが……」
「レノンお兄様、しっかりしてくださいまし、レノンお兄様とソフィアお姉様が結婚すれば、ソフィアお姉様が私のお義姉様になるのですから」
「マリー。マリーだって、ラルフのことが好きなのだろう。マリーとラルフが結婚してもソフィア嬢がマリーの義姉になるだろう。」
レノンとマリーが言い争いを始めたな。なに、マリーはラルフのことが好きなのか。
レノンだけでなく、マリーの婚約もするのもありだな。父親としては、辛い決断だが、国王としては、いい決断だと思うのじゃが。
まあ一つの家から王子と王女の婚約者が出れば周りはうるさいかもしれんがな。
クリスに聞いてみることにしよう。
「クリス、そなたはどう思う。」
「レノンとマリーの婚約ですか。私はいいと思いますよ。ソフィアちゃんとラルフくんが私の義娘と義息ですか。最高ですね……」
クリスが別の世界に行ってしまったな。ドナルドにも聞いてみよう。
「ドナルドは、どう思う。」
「そうですね。一つの家から王子殿下と王女殿下の婚約者が出ると周りがうるさそうですが、姪と甥のことですから私としてはありがたいと思いますよ。ソフィアに関しては、外には漏れてませんが婚約破棄されたばかりなので、受けてくれるかは、ソフィアの気持ち次第でしょうけどね。」
クリスもドナルドも賛成みたいだな。周りは黙らせれば済む話だ。
「レノン、ソフィア嬢をレノンの婚約者とする。ただし、ソフィア嬢の気持ちを優先し、場合によっては取り消しもある。わかったな。」
「はい。父上。」
「マリー。ラルフをマリーの婚約者とする。マリーもわかったかな。」
「はい。お父様。」
レノンもマリーも、そしてクリスも嬉しそうだな。
「そして、マッカートは廃嫡とする。」
「そうですわね。」
「「当然だ(ですわ)」」
「畏まりました。それで、廃嫡後はどうされるのですか。どこかの家に預けになるのですか。」
「いいや。よからぬことを考える輩がいる可能性があるので、監視の意味でも預けた方がよいのだが、預けられた家に迷惑だろうからな。廃嫡後は平民とする。平民となれば、レベッカ嬢のことも認めてやろうではないか。平民となったマッカートにレベッカ嬢がついてくるとは思わんがな。」
「「「「そうですね(わね)」」」」
「マッカートを廃嫡することを各家の当主たちを集め発表することになるので、クライシス公爵家は後にするが、愚かな貴族たちの処罰は、発表後に行う。
ドナルド、愚か者たちの悪事の裏付けを頼んだぞ。」
「畏まりました。」
こうして、本人たちの知らぬところで、婚約と廃嫡、そして愚かな貴族たちを処罰することが決定したのである。
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