まだ見ぬ幸せ

第12話 報告

　ドナルド叔父様がノイヌーヴォ領の屋敷に帰ってきましたわ。
　ドナルド叔父様は、宰相でお仕事もありますから普段は、王都の屋敷で暮らしております。

　カイン様と私は、帰って来たドナルド叔父様に叔父様の執務室に来るように言われ、執務室に向かいました。

「叔父様、何かございましたの。」

「ああ、まあ色々と報告することがあるんだが、先にそちらの報告を聞かせてもらおうか。」

「はい。ドナルド様。本日、マッドランカ村に視察に行きましたところ、盗賊団に占拠されておりました。
盗賊団の方は速やかに対処し、マッドランカ村は小さく牢もなく、衛兵もおりませんので、全員をビッグシリットに護送させ、予定通り視察を行いました。
収穫見込みも例年より多いようで、税を納めるのも問題ないとのことです。
盗賊団の方は村長の林によるとモルモート領から来た言っていたようです。」

「モルモート領か。ザザン伯爵が絡んでいる可能性もあるな。わかった。あとはこちらで調べておく。カインもソフィアもご苦労だった。」
「それでは、こちらの報告をする。まずは、モルモート領の話が出たからそれからにするか。ザザン伯爵と息子のザジが王命で謹慎中だった王太子を城から抜け出す手助けをしたことや他にも色々やっていそうなので、調べあげた上で、ザザン伯爵の派閥に属している貴族たちも含め、処罰するとことになった。」
「それからマッカート王太子殿下は、最後のチャンスで次に何か問題を起こしたら廃嫡もと言われた上で、謹慎になったにも関わらず、城から抜け出したので、廃嫡が決定した。」
「最後に、ソフィアにも関わることだが、ソフィアとレノン第二王子殿下、ラルフとマリー王女殿下の婚約が決まった。
ソフィアとレノン王子殿下の方は、ソフィアの気持ちを優先するとのことだ。」

　色々ありますね。ザザン伯爵とザジ、伯爵の派閥に属する貴族の処罰。王太子殿下は廃嫡になりましたか。仕方ないですね。
　それにレノン第二王子殿下と婚約ですか、婚約破棄されたばかりで、まだそういう気持ちになれませんが、私の気持ちを優先してくれるとのことなので、しっかりかんがえましょう。
　ラルフとマリー王女殿下の婚約は嬉しいですわね。マリー王女殿下が私の義妹になるのですね。ヤッホォイ。申し訳ありませんわ。取り乱しました。

「ソフィア、嬉しそうだな。」

「はい。私の婚約は少し考えさせてもらいたいですが、ラルフとマリー王女殿下の婚約は嬉しいですわ。」

　叔父様から指摘されましたわ。顔に出ていたのでしょうかね。

「あと王太子殿下との件で、国王陛下が謝罪したいとのことなので、近いうちに登城することになるので、覚えておいてほしい。」

「国王陛下からの謝罪など畏れ多いことですが、断るわけにもいきませんし、わかりましたわ。」

「叔父様は今日も王都の屋敷ではなく、こちらにお泊まりになられるのですか。」

「そのつもりだが、何か問題でもあるのか。」

「いいえ。ただ気になったので聞いただけですわ。」

「そうか。カインと話があるからソフィアは戻っていいぞ。また夕食の時にな。」

「はい。では失礼しますわ。」

　私は、執務室から退室し、自室に戻り、とりあえず仕事も片付きましたし、することもないので、夕食までゆっくりすることに致しました。