チート幼女とSSSランク冒険者

紅 蓮也

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第参拾壱話 プリンを作って試食会(前編)

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「プリンを作ることにして、昨日ダニエルさんと約束したからって、いつもより早く目が覚めるなんて、どんだけ楽しみにしているのよ私。」
「まあ、昨日の報酬も受け取りに行かなきゃだし、ギルドに寄ってからダニエルさんとこに行こう。」

 アオイは、いつもより早く目が覚めたので朝食を済ませて、洗濯をし、事後依頼の報酬を受け取りに冒険者ギルドに向かった。

「すみません。昨日、事後依頼の報酬受け取りに来たんですけど」

「ああ、アオイちゃん。おはよう。」
「事後依頼の報酬ね。確認するからギルドカード出してちょっと待っててね。」

「おはようございます。シルバーさん。わかりました。」

「これだね。ギルドカードちょっと預かるね。」
「はいありがとう。ギルドカード返すね。これが事後依頼の依頼書でこっちが依頼の報酬だよ。」

「大銀貨十二枚ですか。前回の依頼の時より多いんですけど」

「うん。アオイちゃんが頑張ってくれたから、上乗せしてくれたみたいだよ。Hランクの依頼としてはあり得ない金額だね。」

 そうなのだ。前回も頑張ってくれたからと上乗せしてくれて、五時間働いて大銀貨六枚だった。今回はその倍だった。
 日本円にしたら前回が時給一二〇〇円で、今回が時給二四〇〇円どう考えても貰いすぎだ。

「ですよね。今日これから依頼じゃないけど、約束があって会いに行くのでお礼言わなきゃな」

「アオイちゃんが依頼受けて、ちゃんと依頼をやって、依頼人が納得して出してくれているんだからそれでいいんだけどね。」
「お礼言いたいっていうのは、いいことだね。でも本当にこんなによかったんですかとか聞いちゃダメだよ。」

「はい。ありがとうって伝えるだけにします。報酬受け取ったし、私行きますね。」

「そうだね、そうしときなさい。」

 もう今日は、ギルドには用がないのでギルドをあとにし、レガールに向かった。

「ダニエルさん、アオイです。時間決めてなかったので、早いかもしれないですけど来ました。」

「アオイちゃん。いらっしゃい。」
「時間は大丈夫だ。息子と娘もこれから料理始めるところだからよ。一緒にやったらいい。昨日言ってた食材も用意できてるぞ。」
「カトリーナとマーガレットはまだ来てないが、あの二人は料理するわけじゃねえし、試食担当みたいなもんだからな。先に始めてても問題ないねえ。」

「はい」
「あと、ここに来る前にギルドで報酬受け取って来たんですけど、ありがとうございました。」

「いいんだ。アオイちゃんのおかげなんだからな、その気持ちだ。」

 そんなことを話して、調理場に向かうと既に三人人がいた。

「手伝いで見ているだろうが、まだ話したことはないだろうから三人を紹介するな。」
「これが俺の女房のレベッカだ。その隣にいる生意気そうにしているのが息子のカイ、八歳だ。その隣が六歳だからまだ店は手伝ってないから会うのは初めてになるな俺の大事な大事な娘のマリーだ。」

「「「よろしくね(な)」」」

「はい。私はアオイっていいます。四歳です。よろしくお願いします。」

「紹介も終わったし、始めるか。アオイはあそこに材料用意したあるからあそこでやってくれ。二人を女房と見ているからもし手伝いが必要なら言ってくれ。」

「はい。わかりました。」
「ああ、そうだ昨日話せばよかったんですけど、耐熱性でこのくらいの小さい容器ってありますか?」

 私は昨日言うのを忘れていた、プリン入れる容器があるかを必要としている容器のサイズを指で表し、ダニエルさんに聞いた。

「ああ、あるぞ。これでいいか?」

「はい。それで大丈夫です。」

 丁度いいサイズの耐熱容器があってよかったよ。
 容器が無くても鍋だけで作ることもできるけど、初めてプリンを見て、知り、食べる人たちにはちゃんと容器に入ったプリンを食べてもらいたいからね。
 味は同じでも見た目がね。見た目って大事だよ。
 美味しいものは、まず目で見て楽しみ、鼻で香りを楽しみ、それから舌で味をお楽しむってくらいだからね。

「まずは、カラメルソースからだね。」

 お鍋にスュクル(砂糖)と水を入れ中火にかけ、焦げ始めたら鍋をたまに回してとろみがついて全体が焦げ茶になったら火を止める。
 跳ねるので火傷に気をつけながら少しずつお湯を入れていったが、溶けにくかったので弱火にかけ、溶かした。
 できたカラメルソースを人数分の容器に均等に入れた。

「次は、プリン液だ。」

 別のお鍋にミルクとスュクルを入れて中火で沸騰させないように注意し、火からおろし常温で冷ましておく、卵をボウルに割り入れてしっかりほぐし混ぜ、冷ましたミルクを数回に分けて加えさらに混ぜる。
 混ぜてできた泡は丁寧にお玉で取り除き、更にこし器でこす。

「ダニエルさん、バニラオイルあったんですね。」

「おお、店では使わんが、女房がクッキーとかパウンドケーキ焼くからな。」

「なるほど、ちなみに卵とミルクは何の魔獣のものですか?」 

「卵はコカットリスで、ミルクはミルクを出すから牧場で飼育されているミルクバイソンのだ。コカットリスも養鶏場で飼育されているぞ」
「ミルクバイソンもコカットリスも大人しい部類の魔獣だし、少し大きめの大型犬くらいのサイズしかないからな」

「そうなんですね」

 さて続き続き、バニラオイルを適量加え香りづけをし、カラメルソースが入った容器にプリンを注ぎ入れる。
 なぜ香りづけにバニラエッセンスでなく、バニラオイルを使ったのかというと今回は、お鍋で蒸すのだが、オーブンで蒸し焼きにしても同じてあるが、バニラエッセンスだと香りがすべてとんでしまうからである。

 お鍋に薄い布巾を敷き、プリン容器を並べ、プリン液の半分くらいの高さまで沸騰したお湯を注ぎ、布巾をまきつけた蓋をして、中火で一分半、弱火に落とし三分蒸し、火を止めて蓋をしたまま十分くらい待つ。
 お鍋から取り出して粗熱が取れるのを待つ。

「もうそろそろいいかな」

「ダニエルさん、これ冷蔵庫で冷やすので手伝ってくたさい。」

「あいよ。ところでこれはなんだ?」

「プリンっていいます。」

「プリン? よくわからんが出来たら息子と娘のと一緒に試食だな。」

「ちなみに二人は何を作っているですか?」

「カイはオークの生姜焼、マリーはボロネーズだな。」

「なるほど、私のはデザートなので、二人のを食べてからですね。」

「デザート?」

「デザートっていうのは、食後に食べるお菓子や果物のことです。プリンを今冷やし始めましたし、食後に食べれば丁度いいです。」

「なるほどな」

 作ったプリンを冷蔵庫に入れ終えるとカトリーナさんとマーガレットさんがやってきた。

「「来ましたよ」」

「二人とももうすぐ料理ができて、試食が始まるかって時にやっと来やがった。」

 来るのは知っていたが、カトリーナさんとマーガレットさんは試食会がもうすぐ始まるというタイミングで来ました。
 料理しないので、早く来ても暇だったでしょうが、タイミングよすぎである。
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