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第漆拾弐話 野営でお家出しちゃいます(後編)

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 無限収納から家を出したときは、驚いていましたが今は、皆がリビングのソファーに座り、寛いでいます。

「夕食は、ハンバーグにしようと思ってますがいいですか?」

「「OK」」

「「「「「いいぞ(わ)」」」」」

「わかりました。じゃあ、ハンバーグには、ライスとパンどちらがいいですか?」 

「「「「ライス」」」

「「「パン」」」

 お母様、ミオさん、アナ以外は、ライスですね。
 私もパンよりライス派です。

「わかりました。ではハンバーグ作ってきますね。人数もいるし、たくさん食べる人もいるので、時間がかかると思うので、お風呂に入りたい人は、食事前に入ってもいいですよ。」

 私は、ハンバーグの仕込み作業をしながら皆にそう言った。

「「「「「!!」」」」

「……風呂もあるのか。」

「家なんですから、もちろんお風呂があるに決まっているじゃないですか。」

 ヒューイットさんは、何を当たり前のことを言っているのでしょうか。

「いいや、アオイ。お前こそ何言っているんだ。家に風呂があるのは当たり前ではないぞ。あるのは、王族、貴族、富裕層くらいだぞ。
宿だって、王族や貴族も泊まることがあるから一流ホテルにはあるが、高めの宿でなければ風呂はないから、安宿などは、金を払って桶にお湯を入れてもらって、タオルで体の汚れを拭くぐらしいかできないぞ。」

 ああ、そうだ。地球では、各家に風呂があるのが当たり前だから当たり前のように言っちゃったけど、この世界では、お金持ちでないと家にお風呂はないんした……

「そうだよ。アオイ。私の家にもお風呂ないよ。クランに入れてもらえたから家に帰る前にクランハウスになっているアオイの家のお風呂に入らせてもらっているけど、今までは、お湯を沸かしてタオルで拭くだけだったんだから。家族は今もそうだし……」

「わたしもそうですよ。紫電の翼は、パーティーハウスがあったわけではないので、リーダーとサブリーダー以外は、それぞれ実家や宿暮らしでしたから。」

「そうだった、そうだった。うっかりしていたよ。」

「そうだよな。アオイは、ずっと家に風呂がある生活環境なんだし、他の家に泊まったりもなかったんだろうし、一般区域のやつは、風呂がないのが普通だから風呂の話なんかしないから、知らなかったんだな。」

 ヒューイットさんの仰る通りです。

「はい。その通りです。アイラ、よかったら、アイラの家族もうちのお風呂にアイラと一緒に入ってもらってもいいよ。」

「本当に。じゃあ、この依頼が終わって家に帰ったら聞いてみる。」

 アイラは、嬉しそうだ。自分だけお風呂に入っているのを気にしていたのかもしれないな。

「女性陣はどうする?流石にクランメンバーでだとしても男に後は入るの嫌だろう?」

「何言っているんですか。お父様。男湯と女湯と二つあるに決まっているじゃないですか。」

「おお……そうか。この家もクランハウスと同じなのか。」

 家族ならともかく、知り合いではあるけど、他人ですからね。
 嫌な人もいるかも知れないので、無限収納にあった家を空間拡張して部屋数を増やしたりした際に、お風呂は、大人数で入れる大浴場を二つ作りましたよ。

 誰も食事前にお風呂に入る人はおらず、ハンバーグができるまで、皆は、ソファに座って雑談していた。
 ハンバーグが完成したので、皆は、食事をするためのテーブルに移動して、美味しいといいながら食べてくれた。
 ハンバーグは、レオン兄さん、ヒューイットさん、アイラは、特大サイズのハンバーグを二段重ねにして上に半熟目玉焼きのせ、お父様は、特大サイズ一つに目玉焼きのせ、その他は、普通サイズのハンバーグに一つに目玉焼きのせである。

 食事後に男女にわかれて、お風呂に入り、レオン兄さん、ヒューイットさん、ミオさんは一人部屋、お父様とお母様は二人部屋、私、アナ、アイラは、三人部屋でそれぞれ眠りに着いた。
 だだ、部屋決めの時に、レオン兄さんが、私と同じ部屋で寝たいと言い出したが、二人部屋は一つしかないと嘘をつき、回避した。
 部屋の鍵は、私が持っているので、それぞれに渡した部屋以外は、鍵がかかっていて入ることができないので、レオン兄さんは確認しようがないので、渋々、一人部屋に入っていった。
 クランハウスにも使っていない二人部屋があるから今度、一緒に寝てあげようかな……気が向いたら……
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どうやら、我慢する必要はなかったみたいです。

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