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11、面倒な人達ばかり…… ※セイル目線
「仕方ないんです。僕は大公に疑われているのです。一応、やる気を見せておかなければ、こちらの身が危ない。エアリアに放った刺客達は、無事に戻ってきましたよ。結果的には、成功の部類です」
「……あー……。そういう大切なこともね。最初にちゃんと話してもらいたかったですけどね」
「すいません。でも、僕も予想外でした。まさか貴方があんなにあっけなく倒れてしまうなんて……ね。これじゃ、何のために貴方をエアリアのもとに送ったのか意味不明というか、かえって足手まといというか……」
「…………だったら、貴方がエアリア様に直接会えば良いじゃないですか?」
「駄目です。……まだ」
青年は、几帳面に告げる。
「来たる日まで、僕は彼女には会いません。まったくの部外者である貴方だからこそ、今回のことは、お願い出来たんですよ。僕は僕が直接彼女と会う前に一度、誰かに彼女の様子を、ちゃんと見て来て欲しかったんです」
「………………はあ」
(これで、十七歳とは)
きっぱりとした口調に、セイルは青年の強い決意を知った。
何だか、自分が矮小に見えて仕方ない。
「じゃあ……」
セイルは仏頂面のまま、小声で告げた。
「ちゃんと今日見てきたことを伝えなければなりませんね。エアリア様は辛うじて生きていますよ。生気は抜けて、体重も骸骨のように軽くなっていますが……」
「……言葉は、きちんと話せていましたか?」
「はっ?」
「僕のもとに入った報告によると、彼女は少なくとも数カ月以上、人と話していません」
(……うわあ)
「魔女」らしい話だ。
しかも、それを知っている青年もまた青年である。
「結構、舌は回ってましたね。たまに毒も吐きました」
「なら、良かった」
「良くはないでしょう。このままじゃ、あの人、近い未来に化石になりますよ。一体、貴方は何を企んでいるんですか?」
「まあまあ。だから、今日の件は謝りますって。許して下さい。条件通り、サファライドを観光するというのなら、家臣に責任を取って案内させますし、帰ると仰るのなら、ご自宅までお送り致しますよ」
「俺は帰りませんよ」
むきになって口を尖らせてから、しかし、すぐさまセイルは後悔した。
どうせ、セイルは現実から逃げているだけなのだ。
「まあ、僕としては貴方が帰ろうが、ここに留まろうが、どちらでも良いのですが……。こうなっては、貴方も、あちらには帰れないかもしれませんね」
「はあ?」
含みのある言動を訝んでいると、見計らったかのように、青年の背後から、小さな子供と長身の男の二人が前に出てきた。
小さな子供が陽気に手を振りながら、セイルの方にやって来る。
途端に、セイルの呼吸は停止し、冷や汗が背中を伝った。
「ど、どうして、貴方がこんなところに!?」
「どうしてって……。そりゃあ……ねえ」
少年が余裕綽々で答えようとした矢先……
「セイル=ラファール殿!」
少年の前に、転がるようにして出てきた男が、セイルの前で深々と頭を下げた。
「えっ?」
「……お願いします。どうか、しばらくここにいて下さいませんか。セイル殿!」
面食らっているセイルに、男は更に土下座までして、頼んでもいないのに切々と訴えたのだった。
「……あー……。そういう大切なこともね。最初にちゃんと話してもらいたかったですけどね」
「すいません。でも、僕も予想外でした。まさか貴方があんなにあっけなく倒れてしまうなんて……ね。これじゃ、何のために貴方をエアリアのもとに送ったのか意味不明というか、かえって足手まといというか……」
「…………だったら、貴方がエアリア様に直接会えば良いじゃないですか?」
「駄目です。……まだ」
青年は、几帳面に告げる。
「来たる日まで、僕は彼女には会いません。まったくの部外者である貴方だからこそ、今回のことは、お願い出来たんですよ。僕は僕が直接彼女と会う前に一度、誰かに彼女の様子を、ちゃんと見て来て欲しかったんです」
「………………はあ」
(これで、十七歳とは)
きっぱりとした口調に、セイルは青年の強い決意を知った。
何だか、自分が矮小に見えて仕方ない。
「じゃあ……」
セイルは仏頂面のまま、小声で告げた。
「ちゃんと今日見てきたことを伝えなければなりませんね。エアリア様は辛うじて生きていますよ。生気は抜けて、体重も骸骨のように軽くなっていますが……」
「……言葉は、きちんと話せていましたか?」
「はっ?」
「僕のもとに入った報告によると、彼女は少なくとも数カ月以上、人と話していません」
(……うわあ)
「魔女」らしい話だ。
しかも、それを知っている青年もまた青年である。
「結構、舌は回ってましたね。たまに毒も吐きました」
「なら、良かった」
「良くはないでしょう。このままじゃ、あの人、近い未来に化石になりますよ。一体、貴方は何を企んでいるんですか?」
「まあまあ。だから、今日の件は謝りますって。許して下さい。条件通り、サファライドを観光するというのなら、家臣に責任を取って案内させますし、帰ると仰るのなら、ご自宅までお送り致しますよ」
「俺は帰りませんよ」
むきになって口を尖らせてから、しかし、すぐさまセイルは後悔した。
どうせ、セイルは現実から逃げているだけなのだ。
「まあ、僕としては貴方が帰ろうが、ここに留まろうが、どちらでも良いのですが……。こうなっては、貴方も、あちらには帰れないかもしれませんね」
「はあ?」
含みのある言動を訝んでいると、見計らったかのように、青年の背後から、小さな子供と長身の男の二人が前に出てきた。
小さな子供が陽気に手を振りながら、セイルの方にやって来る。
途端に、セイルの呼吸は停止し、冷や汗が背中を伝った。
「ど、どうして、貴方がこんなところに!?」
「どうしてって……。そりゃあ……ねえ」
少年が余裕綽々で答えようとした矢先……
「セイル=ラファール殿!」
少年の前に、転がるようにして出てきた男が、セイルの前で深々と頭を下げた。
「えっ?」
「……お願いします。どうか、しばらくここにいて下さいませんか。セイル殿!」
面食らっているセイルに、男は更に土下座までして、頼んでもいないのに切々と訴えたのだった。
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