【完結】淫獄の人狼ゲームへようこそ

荒巻一青/もふモフ子

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二日目

警察と、探偵③

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「……。」

 瞬時に扉を閉めようとしたが、素早く足を挟まれ、阻止される。

「テメェはヤクザかよ!?」
「新田刑事と穏やかに会話したいと思っているだけですよ。」
「目の前にお前がいる時点で穏やかな気持ちになれるかっ、ての!」

 無理矢理扉を閉めようとするが、御堂がそれ以上の力で扉を押してくる。

「ちょっ!扉壊れる!」

 俺が思わず力を緩めてしまうと、その一瞬を見逃さず、あいつはするりと部屋の中へ入ってきた。

「ご招待ありがとうございます。」
「招待してねぇよ!不法侵入でしょっぴくぞ!」
「朝、一緒に食事でもどうかと思いまして。」
「俺の話聞いてる!?」

 御堂は部屋のソファに腰を下ろし、手に持ったミネラルウォーターのペットボトルを一口飲むと、ニコニコと俺を見た。
 クソがッ!
 昨日はまるっきり無視を決め込んでいたくせに、今朝になって俺に接触してきたのは、どういう魂胆だ!
 御堂を睨みつけていると、あいつはふっと真面目な表情になって口を開いた。

「初瀬山勇次郎、そして最上雅志の件で、何か事件を追っていますね。」

 疑問形ではなく、断定的な言い方なのが腹立たしい。

「……さぁ?『一般の方』に捜査上の情報を開示するのは固く禁じられているんでね。」
「それなら、捜査に関係あることではなく、【人狼ゲーム】に関することなら答えていただけますよね。昨晩割り振られた役割、何でした?」
「だぁれが言うかッ!」
「そう言うと思っていました。」

 御堂はソファから立ち上がり、俺に近づく。
 御堂の方が背が高いため、必然的にあいつは俺を見下ろす形になる。ムカつくことに!

 御堂を下から睨めつけていると、あいつはサッと体をこちらに傾けてきた。
 止める間もなく、耳元に顔を寄せ、囁く。

「新田さん、あなた、【狩人】ですよね?」

 至近距離で、あいつの切れ長の目と視線が交錯する。

「……っ。」

 思わず息が止まった。

「……どうだろうな。」
「右肩が3ミリ上がりましたね。右目の瞼の痙攣と、言葉に若干の震えがありました。緊張したときの癖、変わってないなぁ。」

 御堂はまたソファに座り込むと、勝ち誇った笑みを湛えて俺を見つめた。
 俺は黙って御堂を見下ろし、そして――。

「……てめぇ、こっちが下手に出りゃ、調子乗りやがってえええ!」
「別に下手に出てないですよね?」
「うっせーよ!この野郎!【狩人】だからなんだってんだ!」
「昨晩は、とりあえず自分自身を守ったのでしょう。特に守る相手がいないから。」

 図星だ。

「くそっ!自分の推理を披露しに来たのか、名探偵様は!?それとも、俺を馬鹿にしに!」
「私、【占い師】なんです。」
「……はぁ?」

 自分から役割を告げてくる意図が分からず、俺は眉間にしわを寄せる。
 御堂はスマートフォンを取り出すと、画面を俺に見せた。

『御堂総一朗さんの役割は、【占い師】です。【占い師】は、他者の正体を見抜くことができる、特殊な村人です。毎晩、一人選び、その人が人狼側なら黒、村人側なら白だと分かります。』
『占いの結果、新田哲生は白だと分かりました。』

「真っ先に俺のことを占ったのか。」
「えぇ。だって、あの中で本当に信頼できると思った相手は、貴方だけでしたからね。」
「……っ!」

 ムカつく。
 さらりと何でもないように、そういう言葉を吐くこいつがムカつく。
 そして、こいつの言葉が嬉しいと思ってしまう自分にもムカつく!

「け、けど!占いでは黒か白かだけしか判別できないはずだ!それなのに、俺が【狩人】だと気づいたのはなぜだ?」
「あぁ。それは、カマをかけただけです。」
「……は?」
「あくまであなたが【狩人】であるのは可能性の話でしたので、とりあえず聞いて、反応を見てみようかと。いやぁ!新田さんが相変わらず正直な方で助かりました!」
「テメェはいちいち一言多いんだよっ!」

 そういう嫌味なところは昔からだよな!お前は!

 「さて、本題に入りましょう。」と、御堂は胸元から手帳とペンを取り出した。

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