【完結】淫獄の人狼ゲームへようこそ

荒巻一青/もふモフ子

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二日目

探索②

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 学斗が目線で「いいのか?」と聞いてくるが、別に構いやしない。【聖職者】という邪魔者がいなくなって、むしろ都合がいいくらいだ。

 俺は学斗に目配せすると、学斗はしっかりと頷いた。
 
「教授、行きましょう。」
「あぁ。」

 柳生教授が適当に選んだ扉を開け、三人で恐る恐る入ってみるが、既に部屋の電気がついていた。

「あれ?」
「おや?こんにちは。」

 御堂だ。
 相変わらずキラキラとしたオーラを放ち、爽やかな笑みをこちらに向けている。

「君たちも新しく出現した部屋を調べてるのですね。」
「はい。御堂さんも?」
「えぇ。」

 御堂は手に取っていた本を棚に戻した。

 俺たちが今いる部屋はどうやら物置らしい。他の部屋よりも狭い上に、たくさんの棚が並んでいる。棚には本だけでなく、ダンボールや大きな壺などがしまわれている。

「何かあるかもと思いまして、こうして調べているんですけれども、一人では全然進まなくて。もしよかったら、一緒に見てもらえませんか?」

 確かにこの大量の荷物の全てを一人で確認するのは、なかなか骨が折れそうだ。
 ちらりと柳生教授を見ると、彼は「もちろん。」と快く頷いた。

「手分けして確認しましょう。」
「本当ですか!いやぁ、助かります!」

 御堂はそう言って、ぱっと明るい表情を浮かべた。
 それから、俺と学斗も手伝って、棚から荷物を下ろしては中身を確認する作業を行った。
 専門的な本だけではなく、画材や彫刻用の道具、保存状態が良い家具や絨毯も出てきた。

 背後では柳生教授の「こ、これは!」「すごい!」と興奮する声が聞こえてくるが、俺のお目当てである初瀬山勇次郎のコレクションらしきものは見つからない。

「アキラ君って。」
「え?あ、はい!」

 隣で作業していた御堂に、突然話しかけられた。

「今年から大学生なんですよね?」
「はい。4月から、拓兄のいる大学に入学します。」
「おや?大好きなお兄さんのあとを追いかけて?」
「ははは!まぁ、そうですね。俺、すごい拓兄のこと尊敬してて。高校の時に、特にやりたいことが見つからなかったから、それなら、拓兄のあとを追いかけてみようと思ったんです。まぁ、動機としてはあまりよろしくないと思うんですけど。」
「そうなことはないと思いますよ。動機がどうであれ、大切なのは過程でしょう。大学で自分のやりたいことが見つかればいいですね。」
「あ、ありがとうございます……。」

 なんかイケメンに肯定されると照れるな。心を許してしまいそうになる。

「ところで、高校では人狼ゲームは流行っていました?学生さんの間で流行っているイメージがありますが。」

 ――ま、そう油断させて、【人狼ゲーム】について聞き出したいんだよね。

「結構流行っていましたよ。アプリとかでも遊べますし。」
「そうなんですねぇ。私はちょっとゲームには疎くて……。今回の【人狼ゲーム】もどうすれば良いのやら。」

 初心者であることアピールしてくるのがいやらしい。

「俺も、そこまで人狼ゲームやったことないんですよ。正直、もうゲームとかなんでもいいから、早く帰りたい気持ちでいっぱいです。初瀬山勇次郎の遺産とかどうでもいいし。」
「私も同じです。そもそも遺産整理のために来たわけではなかったので。」 

 そういえば、自己紹介のときにもそう言っていたな。

「依頼人の身辺調査、でしたっけ?その調査は終わったんですか?」
「いいえ。話を聞きたかった最上さんはだんまりで正直手詰まりです。今はこうして地道に物を漁るくらいしかできなくて、困っていますよ。」

 全く困っていなさそうな笑顔でそんなことをのたまう御堂にどう反応すればいいか分からず、俺は「はぁ」とだけ返した。

「それじゃあ、【人狼ゲーム】どころじゃありませんね。」
「えぇ。――ところで、アキラ君は何の役割を振られたんですか?」

 おっと。いきなりぶっ込んできたな。

「あ、これって聞いちゃいけないんでしたっけ?【人狼ゲーム】的に。すみません。慣れていなくって。」
「そんなことはないと思いますよ。何か期待させてあれなんですけれど、俺、ただの村人で……。村人って特別な力が何も無いから、イマイチなんですよねぇ。……俺、どうせなら【人狼】が良かったなぁ。」
「【人狼】?なぜ?」

 御堂が作業の手を止め、目を丸くする。
 これも演技だろう。
 それなら、俺も演技で返してやるよ。
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