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三日目(後)
違和感
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【side:新田哲生】
アトリエのような部屋を探ってみたが変態じみた絵や彫刻はたくさんあったものの、特に目ぼしいものは見つからなかった。一応【人狼ゲーム】のアプリカメラをかざしてみたが、空振りに終わった。
「……ふ、ぅっ♡」
何だろう。妙に体が重い。あちこち汗をかいているのか、気持ちが悪さを覚える一方で、変に熱っぽい感じもする。
ずっとここにいるわけにもいかない。
ジンジンする体を引きずりながら、アトリエを出ると、一階に下りる階段付近で、御堂の声が聞こえた。
「江頭さん、落ち着いて下さい。お気持は分かりますが……。」
「あ、あんたに分かるわけがないだろうっ!どうせあなたも、長根さんに投票した一人なんだ!長根さんがいなくなって、会社のことも、このゲームのこともどうすればいいのか、わ、私にはさっぱりなのに!」
江頭が興奮冷めやらぬ様子で捲し立てている。
おーおー、御堂の野郎が困っている。いいぞ、江頭。もっとやれ。
そう思って、下の階を覗いたら、側に柳生教授もいた。
いや、その人まで巻き込むのはちょっと可哀想だな。
俺は階下へ降り、「まぁまぁまぁ。」と、江頭の肩を叩いた。
「江頭さん、落ち着いて下さいよ~。」
「に、新田さん?」
俺はにこにこ笑いながら、江頭の肩に腕を回した。
ついでに柳生教授にしっしっと手を振ると、俺の意図が伝わったようで、彼は頭を下げて広間の方へときびすを返した。
「どうしました?そんなに声を荒らげて。」
「わ、私はアキラくんに謝ろうとしたんです!それなのに、周囲が止めて……!」
おっと。こいつ、自らの保身のために、アキラくんに近づいて、余計なことを言ってきたわけか。相手は今朝刺されそうになったばかりで、まだ気持ちの整理もついていないだろうに、酷なことをする。
「なるほど、なるほど~。まぁ、まずは相手の出方を伺ってみるのも一つの手ですよ?下手にアキラくんを刺激しても、相手方への心象は悪くなりますしね。」
「で、でもっ、私は、関係ないのに……っ!長根さんが勝手にやったことで……っ!」
「そう証言すれば良いんですよぉ。大丈夫ですって。俺もそうお話しますから。」
「でも……でも!藤山さんのことだけは許せないんです!あの人、自分は【人狼】ではないと言っておきながら、長根さんのことを陥れて……!次狙われるのは、絶対に私です!」
江頭はわなわなと、体を震わせている。
目は血走っており、今にも感情が爆発しそうだ。
「あっちがその気なら……こっちだって……っ!」
おいおい、待ってくれよ。
この様子じゃ、何を仕出かすか分からないぞ。下手したら、今朝の長根のように人を傷つける行為に奔りそうだ。
俺はぽんぽんと彼の肩を叩きながら続ける。
「分かりました。じゃあ、江頭さんのために俺と御堂さんが一肌脱ぎますよ。実は俺たち、【狩人】と【占い師】なんです。」
「……えっ?」
「今晩、【狩人】の能力であなたを保護します。さらに、藤山さんを占って、白か黒かはっきりさせましょう。ね?」
江頭はぽかんと俺を見上げた。
体の震えも止まっている。
「あなた方が、【狩人】と【占い師】……?本当に?」
「そうです。ねぇ、御堂さん?」
俺が御堂にそう振れば、「えぇ、そうですよ。」と御堂も答えた。
「ほ、本当に……?嘘じゃ、ないですよね?」
「はい。本当です。」
江頭が希望と不安がない交ぜになったような表情で御堂を見つめる。そして「はぁ~。」と小さく漏らした。
「そ、それなら……よろしくお願いいたします……。」
「はいはい。よろしくされました~。」
俺は江頭の背中を撫でる。
「それで、江頭さん。夕飯はどうします?」
「いえ……。私は今晩はいいです。」
「いやいや、最上さんに部屋に届けてもらいましょうよ。体壊しちゃまずいですって。」
「それなら……はい。」
さてと、一応部屋まで見送るか。
落ち着きは取り戻したものの、一時的なものかもしれないし。
「あ~……。俺も部屋で夕飯食べようかな~。江頭さん、一緒に戻りますか。えっと、御堂さんは――。」
御堂の方を振り向いて、そしてギョッとした。
物凄い形相で俺のことを見ていたからだ。
しかし、江頭が御堂の方を向く頃には、いつもの営業スマイルを浮かべていた。
さっきの表情が夢か幻に思えるほどの素早さだった。
「私も部屋で食べることにします。三人分、最上さんにお願いしてきますから、お二人はどうぞ先にお部屋へ。」
「あ、ハイ。」
「では、行って参りますね。」
「あ、ハイ。」
スタスタと広間から出て行く御堂を、俺は呆然と見送った。
こっっっわ!何あれ!?俺、何がした!?
「あの、新田さん?」
「あ……あはは!さ、行きましょうか!」
江頭を引き連れ、二階へ行る階段を上がった。
体にくすぶる熱や、股間の不快感は無視して――。
アトリエのような部屋を探ってみたが変態じみた絵や彫刻はたくさんあったものの、特に目ぼしいものは見つからなかった。一応【人狼ゲーム】のアプリカメラをかざしてみたが、空振りに終わった。
「……ふ、ぅっ♡」
何だろう。妙に体が重い。あちこち汗をかいているのか、気持ちが悪さを覚える一方で、変に熱っぽい感じもする。
ずっとここにいるわけにもいかない。
ジンジンする体を引きずりながら、アトリエを出ると、一階に下りる階段付近で、御堂の声が聞こえた。
「江頭さん、落ち着いて下さい。お気持は分かりますが……。」
「あ、あんたに分かるわけがないだろうっ!どうせあなたも、長根さんに投票した一人なんだ!長根さんがいなくなって、会社のことも、このゲームのこともどうすればいいのか、わ、私にはさっぱりなのに!」
江頭が興奮冷めやらぬ様子で捲し立てている。
おーおー、御堂の野郎が困っている。いいぞ、江頭。もっとやれ。
そう思って、下の階を覗いたら、側に柳生教授もいた。
いや、その人まで巻き込むのはちょっと可哀想だな。
俺は階下へ降り、「まぁまぁまぁ。」と、江頭の肩を叩いた。
「江頭さん、落ち着いて下さいよ~。」
「に、新田さん?」
俺はにこにこ笑いながら、江頭の肩に腕を回した。
ついでに柳生教授にしっしっと手を振ると、俺の意図が伝わったようで、彼は頭を下げて広間の方へときびすを返した。
「どうしました?そんなに声を荒らげて。」
「わ、私はアキラくんに謝ろうとしたんです!それなのに、周囲が止めて……!」
おっと。こいつ、自らの保身のために、アキラくんに近づいて、余計なことを言ってきたわけか。相手は今朝刺されそうになったばかりで、まだ気持ちの整理もついていないだろうに、酷なことをする。
「なるほど、なるほど~。まぁ、まずは相手の出方を伺ってみるのも一つの手ですよ?下手にアキラくんを刺激しても、相手方への心象は悪くなりますしね。」
「で、でもっ、私は、関係ないのに……っ!長根さんが勝手にやったことで……っ!」
「そう証言すれば良いんですよぉ。大丈夫ですって。俺もそうお話しますから。」
「でも……でも!藤山さんのことだけは許せないんです!あの人、自分は【人狼】ではないと言っておきながら、長根さんのことを陥れて……!次狙われるのは、絶対に私です!」
江頭はわなわなと、体を震わせている。
目は血走っており、今にも感情が爆発しそうだ。
「あっちがその気なら……こっちだって……っ!」
おいおい、待ってくれよ。
この様子じゃ、何を仕出かすか分からないぞ。下手したら、今朝の長根のように人を傷つける行為に奔りそうだ。
俺はぽんぽんと彼の肩を叩きながら続ける。
「分かりました。じゃあ、江頭さんのために俺と御堂さんが一肌脱ぎますよ。実は俺たち、【狩人】と【占い師】なんです。」
「……えっ?」
「今晩、【狩人】の能力であなたを保護します。さらに、藤山さんを占って、白か黒かはっきりさせましょう。ね?」
江頭はぽかんと俺を見上げた。
体の震えも止まっている。
「あなた方が、【狩人】と【占い師】……?本当に?」
「そうです。ねぇ、御堂さん?」
俺が御堂にそう振れば、「えぇ、そうですよ。」と御堂も答えた。
「ほ、本当に……?嘘じゃ、ないですよね?」
「はい。本当です。」
江頭が希望と不安がない交ぜになったような表情で御堂を見つめる。そして「はぁ~。」と小さく漏らした。
「そ、それなら……よろしくお願いいたします……。」
「はいはい。よろしくされました~。」
俺は江頭の背中を撫でる。
「それで、江頭さん。夕飯はどうします?」
「いえ……。私は今晩はいいです。」
「いやいや、最上さんに部屋に届けてもらいましょうよ。体壊しちゃまずいですって。」
「それなら……はい。」
さてと、一応部屋まで見送るか。
落ち着きは取り戻したものの、一時的なものかもしれないし。
「あ~……。俺も部屋で夕飯食べようかな~。江頭さん、一緒に戻りますか。えっと、御堂さんは――。」
御堂の方を振り向いて、そしてギョッとした。
物凄い形相で俺のことを見ていたからだ。
しかし、江頭が御堂の方を向く頃には、いつもの営業スマイルを浮かべていた。
さっきの表情が夢か幻に思えるほどの素早さだった。
「私も部屋で食べることにします。三人分、最上さんにお願いしてきますから、お二人はどうぞ先にお部屋へ。」
「あ、ハイ。」
「では、行って参りますね。」
「あ、ハイ。」
スタスタと広間から出て行く御堂を、俺は呆然と見送った。
こっっっわ!何あれ!?俺、何がした!?
「あの、新田さん?」
「あ……あはは!さ、行きましょうか!」
江頭を引き連れ、二階へ行る階段を上がった。
体にくすぶる熱や、股間の不快感は無視して――。
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