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五日目
ポンコツ兄弟の強火系幼馴染、襲来
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【side:八城アキラ】
「そこの醤油、取ってくれる?」
「はい、どうぞ。」
「豪華な食事もいいけれど、こうしたよくある和食も悪くないですよね!」
「えぇ、とても美味しいです。あ、アキラくん、納豆いります?」
「教授、納豆嫌いなんですか?意外。」
「ははは!よく妻が買ってくるんですけど、どうもあの粘り気のある感じが好きじゃなくて。」
「そういえば、私、昨日の夜はぐっすり眠っちゃって、【聖職者】の能力使うの、忘れてたんです。」
「先輩、疲れているんじゃないですか?少し休んだほうが……。」
「しっかり寝たから元気になったよ。えへへ。ありがとう、学斗くん。」
【人狼ゲーム】、五日目。
今朝、朝食を広間で食べているのは俺たち五人だけ。
藤山は相変わらず部屋に引きこもっているし、御堂は今頃セックスを楽しんでいる頃だろう。新田の淫らなお誘いにのって。
五日目ともなると、〈初瀬山邸〉での生活リズムに慣れてきた。
皆で和気あいあいと食事をして、手分けして屋敷の捜索をして――。
その繰り返しだ。
拓兄と清水先輩なんて、周囲がどんどん【人狼】によって支配されていっている現状に気づいていないから、春休み期間中なのも相まって、気持ちが緩んできている。
ちなみに、清水先輩がぐっすり眠ったのは、事前に最上に準備させた催眠薬を柳生教授が食事に混ぜたからだ。
何が【人狼】に対抗できる存在だよ。本当に【聖職者】ってのは、形ばかりだ。
「最上さん、おかわりいただけます?」
「かしこまりました。」
最上は甲斐甲斐しく給仕する。
昨日イマラチオさせたけれど、そんな雰囲気を微塵も感じさせない。
「それで、今日は?」
「三階の部屋へ行ってみましょう。私とアキラくんと学斗くん、渡辺くんと清水さんの二手に分かれてね。」
「分かりました。」
さりげなく俺と学斗と一緒に自分も組ませるなんて、そんなに日中も俺に可愛がられたいのかな?教授は。
まぁ、いい。どうせもう【人狼ゲーム】の勝ち筋は見えている。
あとは、『特殊カード』を集めて、飽きるまで男たちを好き勝手犯し尽くせば――。
ガンッ!
「っ!?」
あまりの大きな音に思わず振り返ると、広間の扉が吹っ飛んでいた。
一瞬、何が起きたのか分からなくて固まってしまう。
広間にいる全員の視線は自然とその先へ注がれた。
「元気そうで何よりだぜ、アキラ、学斗ぉ……。」
そこに立っていたまさかの人物に、俺だけでなく、学斗や拓兄も言葉を失う。
「誰?あの人?」
何も知らない清水先輩は、呑気に首を傾げていた。
「と、徹っ!?」
俺たちの幼馴染である、秋谷徹は金属バット片手に「よぉ。」と手をあげた。
「思ったより丁寧な扱いを受けていたみてぇだな。これでボロボロだったら……ハハッ!流石の俺も平常心ではいられなかったな!」
「お、お前っ!?何で、ここに……っ!」
「何でって、お前のLINEアカウントを使って、そこの野郎からメッセージが届いたんだよ。二人の無事を確かめに来いってな。ご丁寧に、位置情報まで添付されて。」
そこの野郎?
俺は最上を見た。
最上は相変わらず感情のない顔でじっと徹を見ていた。
「それじゃあ、無事も確認したし、帰るぞお前ら。だが、その前に――。」
カランと金属バットを床に投げ捨て、あっという間に最上との距離を詰めた。
「テメェだけは許さねぇ、クソ親父っ!」
徹の拳が、最上の頬にめり込んだ。
「っ、ぐ……っ!」
吹っ飛ばされた最上は、ワゴンにぶつかりながら床に倒れる。ワゴンはひっくり返り、中に入っていた食器や料理が床に散らばった。
「きゃあああっ!」
清水先輩の悲鳴で、ようやく我に返る。
俺と学斗と拓兄で、慌てて徹を止めに入った。
「ちょ、待て!徹!」
「徹くん、ダメっ!落ち着いて!」
「これが落ち着いていられるか!俺と母さんを捨てたこの男が!今度は俺の幼馴染を誘拐・監禁って……っ!どれだけ俺たちを苦しめれば気が済むんだよっ!!!」
「てか、徹のお父さん、最上さんなの!?名字違うじゃん!」
「秋谷は母方の旧姓!」
「へぇ……そうだったんだ……。よく見れば、最上さんと目元とか似ているかも?」
「似てねぇよ!馬鹿!」
フンッ!と不機嫌そうに鼻を鳴らすと、徹は動きを止める。俺たちは掴んでいた肩や腕を離した。
「ったく、心配して来てみりゃ、ケロッとした顔しているし。俺に心配させんな、このポンコツ兄弟が!」
「「はぁ~~~~~~!?」」
俺と学斗は、思わず喧嘩腰になってしまった。
「アキラはポンコツじゃねぇよ!スポーツ万能、成績優秀、しかもイケメンの超優良物件だぞ!どこがポンコツだ!」
「俺はポンコツだけど、学斗は違うから!めっちゃ家事できるし、めっちゃ自立してるから!すげぇ努力家だから!」
「おめぇらのそういうところだよ!このポンコツ兄弟!」
「「悪口だぞっ!!!」」
なぜか微笑ましげに俺たちのやりとりを見ている拓兄と柳生教授は「そうかそうか」と頷いている。
「君たちが大変良い子だというのは分かったけれど。」
教授は徹に歩み寄って、微笑みかけた。
「秋谷くん、物を壊すのも、そして人を殴るのも、良くないね。自分の手を痛めるところもね。」
「……。」
徹の手は握り過ぎて、血が出ていた。
指もさっき殴った時に痛めたのだろう。赤く腫れている。
「え、めっちゃ腫れてる!ひ、冷やしたほうが良いよ、徹!えっと、氷?水?冷えピタ?湿布?」
「……アキラは床の掃除を頼むわ。最上さーん。大丈夫ですか?冷やすもの、どこにあります?」
「持って参ります。」
「いや、最上さんの頬も冷やしたほうが良いから、一緒に行きますよ。」
「申し訳ありません。」
「あ、では、私も。」
学斗と教授が最上さんと共に厨房のある方へ行った。
俺は徹の方を向く。
「そんじゃ、俺たちは床の掃除だな!」
「……。」
徹は黙って俺を見上げ、そしてこくんと頷いた。
「そこの醤油、取ってくれる?」
「はい、どうぞ。」
「豪華な食事もいいけれど、こうしたよくある和食も悪くないですよね!」
「えぇ、とても美味しいです。あ、アキラくん、納豆いります?」
「教授、納豆嫌いなんですか?意外。」
「ははは!よく妻が買ってくるんですけど、どうもあの粘り気のある感じが好きじゃなくて。」
「そういえば、私、昨日の夜はぐっすり眠っちゃって、【聖職者】の能力使うの、忘れてたんです。」
「先輩、疲れているんじゃないですか?少し休んだほうが……。」
「しっかり寝たから元気になったよ。えへへ。ありがとう、学斗くん。」
【人狼ゲーム】、五日目。
今朝、朝食を広間で食べているのは俺たち五人だけ。
藤山は相変わらず部屋に引きこもっているし、御堂は今頃セックスを楽しんでいる頃だろう。新田の淫らなお誘いにのって。
五日目ともなると、〈初瀬山邸〉での生活リズムに慣れてきた。
皆で和気あいあいと食事をして、手分けして屋敷の捜索をして――。
その繰り返しだ。
拓兄と清水先輩なんて、周囲がどんどん【人狼】によって支配されていっている現状に気づいていないから、春休み期間中なのも相まって、気持ちが緩んできている。
ちなみに、清水先輩がぐっすり眠ったのは、事前に最上に準備させた催眠薬を柳生教授が食事に混ぜたからだ。
何が【人狼】に対抗できる存在だよ。本当に【聖職者】ってのは、形ばかりだ。
「最上さん、おかわりいただけます?」
「かしこまりました。」
最上は甲斐甲斐しく給仕する。
昨日イマラチオさせたけれど、そんな雰囲気を微塵も感じさせない。
「それで、今日は?」
「三階の部屋へ行ってみましょう。私とアキラくんと学斗くん、渡辺くんと清水さんの二手に分かれてね。」
「分かりました。」
さりげなく俺と学斗と一緒に自分も組ませるなんて、そんなに日中も俺に可愛がられたいのかな?教授は。
まぁ、いい。どうせもう【人狼ゲーム】の勝ち筋は見えている。
あとは、『特殊カード』を集めて、飽きるまで男たちを好き勝手犯し尽くせば――。
ガンッ!
「っ!?」
あまりの大きな音に思わず振り返ると、広間の扉が吹っ飛んでいた。
一瞬、何が起きたのか分からなくて固まってしまう。
広間にいる全員の視線は自然とその先へ注がれた。
「元気そうで何よりだぜ、アキラ、学斗ぉ……。」
そこに立っていたまさかの人物に、俺だけでなく、学斗や拓兄も言葉を失う。
「誰?あの人?」
何も知らない清水先輩は、呑気に首を傾げていた。
「と、徹っ!?」
俺たちの幼馴染である、秋谷徹は金属バット片手に「よぉ。」と手をあげた。
「思ったより丁寧な扱いを受けていたみてぇだな。これでボロボロだったら……ハハッ!流石の俺も平常心ではいられなかったな!」
「お、お前っ!?何で、ここに……っ!」
「何でって、お前のLINEアカウントを使って、そこの野郎からメッセージが届いたんだよ。二人の無事を確かめに来いってな。ご丁寧に、位置情報まで添付されて。」
そこの野郎?
俺は最上を見た。
最上は相変わらず感情のない顔でじっと徹を見ていた。
「それじゃあ、無事も確認したし、帰るぞお前ら。だが、その前に――。」
カランと金属バットを床に投げ捨て、あっという間に最上との距離を詰めた。
「テメェだけは許さねぇ、クソ親父っ!」
徹の拳が、最上の頬にめり込んだ。
「っ、ぐ……っ!」
吹っ飛ばされた最上は、ワゴンにぶつかりながら床に倒れる。ワゴンはひっくり返り、中に入っていた食器や料理が床に散らばった。
「きゃあああっ!」
清水先輩の悲鳴で、ようやく我に返る。
俺と学斗と拓兄で、慌てて徹を止めに入った。
「ちょ、待て!徹!」
「徹くん、ダメっ!落ち着いて!」
「これが落ち着いていられるか!俺と母さんを捨てたこの男が!今度は俺の幼馴染を誘拐・監禁って……っ!どれだけ俺たちを苦しめれば気が済むんだよっ!!!」
「てか、徹のお父さん、最上さんなの!?名字違うじゃん!」
「秋谷は母方の旧姓!」
「へぇ……そうだったんだ……。よく見れば、最上さんと目元とか似ているかも?」
「似てねぇよ!馬鹿!」
フンッ!と不機嫌そうに鼻を鳴らすと、徹は動きを止める。俺たちは掴んでいた肩や腕を離した。
「ったく、心配して来てみりゃ、ケロッとした顔しているし。俺に心配させんな、このポンコツ兄弟が!」
「「はぁ~~~~~~!?」」
俺と学斗は、思わず喧嘩腰になってしまった。
「アキラはポンコツじゃねぇよ!スポーツ万能、成績優秀、しかもイケメンの超優良物件だぞ!どこがポンコツだ!」
「俺はポンコツだけど、学斗は違うから!めっちゃ家事できるし、めっちゃ自立してるから!すげぇ努力家だから!」
「おめぇらのそういうところだよ!このポンコツ兄弟!」
「「悪口だぞっ!!!」」
なぜか微笑ましげに俺たちのやりとりを見ている拓兄と柳生教授は「そうかそうか」と頷いている。
「君たちが大変良い子だというのは分かったけれど。」
教授は徹に歩み寄って、微笑みかけた。
「秋谷くん、物を壊すのも、そして人を殴るのも、良くないね。自分の手を痛めるところもね。」
「……。」
徹の手は握り過ぎて、血が出ていた。
指もさっき殴った時に痛めたのだろう。赤く腫れている。
「え、めっちゃ腫れてる!ひ、冷やしたほうが良いよ、徹!えっと、氷?水?冷えピタ?湿布?」
「……アキラは床の掃除を頼むわ。最上さーん。大丈夫ですか?冷やすもの、どこにあります?」
「持って参ります。」
「いや、最上さんの頬も冷やしたほうが良いから、一緒に行きますよ。」
「申し訳ありません。」
「あ、では、私も。」
学斗と教授が最上さんと共に厨房のある方へ行った。
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「そんじゃ、俺たちは床の掃除だな!」
「……。」
徹は黙って俺を見上げ、そしてこくんと頷いた。
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