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ユウシャ
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この世界は、かつて暗黒に包まれていた。
闇が空を覆い、風は腐臭を運び、川には汚泥が流れる。
世界を支配する邪神たちの力は強く、恐ろしいモンスターが世界を埋め尽くし、人々は絶望の淵にあった。
そのとき、光の神に導かれた英雄が異世界より現れ、モンスターを打ち倒し、邪神を封印することに成功した。
神はその後、この世界をあまねく照らす存在として君臨し、希望が世界を満たした。
しかし、邪神たちは滅んだわけではない。
モンスターを世界に放ち、封印が解かれ復活する時を待っている。
復活を阻止するため、異世界の英雄たちがいまでも光の神によってこの世界へと呼び出され、戦いは続いているのである。
巨大な岩盤をくり抜いた洞窟のようなごつごつした通路に、ドッスンドッスンと大きな音が響き渡る。
宝箱がダンジョンの中を飛び跳ねていた。開いた宝箱の中からは大きなサメの巨体が飛び出しており、のたうつような動きで宝箱を跳ね上げて進んでいく。
そんなサメックの横を普通に歩くのはサメ魚人の少女、タラサ。
「……他に移動する方法はないの?」
「一応っ(ドスン)魔法でっ(ドスン)動けなくはないがっ(ドスン)」
「だったら魔法使ったほうがいいんじゃない?」
「でもっ(ドスン)魔力消費がっ(ドスン)」
その宝箱の音を聞きつけたのか、人間らしき足音が複数近づいてきた。
「うわっ!? なんでこんなダンジョンの中にサメモンスターがいるんだ!?」
「よく見て、ただのサメじゃないわよ。宝箱から……生えてる?」
「やだ、なんか強そう……怖い」
「サメの魚人までいるな……みんな気をつけろ!」
二匹の姿を見るなり武器を構えて臨戦態勢を取る四人組の冒険者たち。
男一人女三人という構成を見てサメックは思わずまたか!と顔をしかめる。
しかも、四人はどうも一旦脱いだ服を慌てて着直したように服装が乱れており、男のズボンのベルトなどはまったく締められていない。
「行くよ!」
女のうち二人がすぐさま前衛に出て、あとの一人は様子を見ながら呪文を唱える。
男は腰にぶら下げたなにやら金属製の筒状のものを取り出してサメックに向けた。
(あれは!?)
黒光りするそれを見た瞬間、サメックは最大限の警戒を向ける。
拳銃。この世界には本来存在しない兵器だ。
普通のモンスター、この世界の人間であればその正体を知らなくとも当然だが、同じく転生者であるサメックはその恐ろしさにすぐ気づく。
サメ部分が宝箱の中にスルッと逃げ込むとほぼ同時、パンッと大きな炸裂音がして宝箱の上を鉛玉が通り過ぎて行った。
「なっ!?」
拳銃の攻撃に多大な信頼を寄せていた冒険者たちは、初見で回避されるとは思っていなかったせいで驚きのあまり動きが止まってしまう。
再びサメの体を伸ばしたサメックは大きく仰け反り、思い切り飛び跳ねた。
女たちの頭上を越え、宙返りして天井に宝箱でキック。さらに加速して男へ向けて一直線に飛びかかった。
その間に二発目の銃弾が放たれるが、それは大きくサメックを外れて天井を穿った。
「GRRRRAAAAA!」
「うわあああ!?」
まずは男の拳銃を持つ右腕に噛み付く。
サメの歯は一本一本がノコギリのように鋭いトゲを有しており、さらにそれがずらりと並んでいるため、その顎に囚われれば何者であろうとずたずたに切り裂くことができる。
男が逃れようと暴れれば暴れるほど、肉を切り裂き骨にまで食い込んでいく。
そのままサメックが顎を閉じると簡単に腕を食いちぎった。
男の手首が拳銃とともに地面にぼとりと落ちる。
「ぐあああっ! こ、の……っ!」
とっさに男は残る左手で拳銃を拾おうとするが、サメックはさせまいと横から払うように胴体に噛み付いた。
牙の刺さった腹や背中からは、すぐにおびただしい量の血が流れ出ていく。
バタバタと足を振ってもがくものの、その抵抗はすぐに弱くなっていく。
「このっ離せっ!」
慌てて引き返してきた前衛の女達が、サメックに向けてそれぞれ短刀と槍を振るう。だが、そのどちらも鮫肌に傷をつけることなく表面を撫でるだけだ。
鮫肌は楯鱗と呼ばれる物に覆われている。それは鱗というより歯に近い性質で、固く尖った形状が密集して並んでおり、水中においては体表面の水流をコントロールし静かに早く泳ぐことを可能としているが、サメックの楯鱗は普通のサメのそれよりもさらに固く、高い防刃効果をも発揮していた。
しかし、刃が立たないとはいえ固い金属の塊で打ち付けられた衝撃はある。
サメックが痛みに顔をしかめ歯を食いしばると、口の中の男の身体に歯がさらに食い込み流血が増える。
「ぐ、ふ……」
呪文を唱え終えた魔法使いが杖をサメックに向け……しかし、魔法を放つのを躊躇する。
サメックに咥えられた男はすでに力を失ってぐったりと動かないが、まだ助けられるかもしれない。しかし、強力な魔法を打ち込めば巻き込んでしまう可能性が高い。
「くっ……こうなったら……!」
しばし迷った魔法使いは周囲に視線をさまよわせ、あることに気付いて杖の先をそちらに向けた。
その先にいたのは動かずに成り行きを見守っていたサメ魚人の少女、タラサだった。
「ファイヤーボール!」
「え……」
自分が狙われるとは思っていなかったタラサは反応が遅れた。魔法で生み出された火球が眼前へと迫る。
だが、炎は彼女に到達するまえに炸裂した。
サメックだ。彼は再び素早くタラサのそばまで跳躍すると、頑丈な宝箱部分で火球を受け止めた。
咥えていたはずの男は、彼の口の中には無い。さすがに身軽にしなければ間に合わないと判断し、その場に吐き捨ててきたのだ。
火球の爆発の衝撃に押されてサメックは地面を少し転がってから跳ね起きる。
魔法の炎が通路を塞ぐほどに広がり、それが消えた頃には通路から冒険者たちの姿は無くなっていた。男の姿もそこにはなく、地面に血溜まりが残るのみだ。
「……ケガはないか?」
「う、うん」
「はぁ……さっきの男、たぶん死んだとは思うんだが、一部しか食えなかったのは惜しかったな」
「殺せたんならいいんじゃないの?」
「今のやつ、ユウシャだったんだよ。知ってるだろ、ユウシャはチート……普通の人間とは別格の能力を持ってるやつが多い」
「うん」
「そんで俺には食った相手の能力を得られる能力があるんだが」
「うん……うん? いまさらっととんでもないこと言わなかった?」
「丸呑みしても能力は全部手に入るわけじゃないんだよな。一部だけだとさらに少ししか能力がもらえない」
「ちょ、ちょっと待って理解がまだ追いついてない……。でも、それなら逃げられちゃったのすごいもったいなくない!?」
「誰を助けたせいだろうなぁおい」
「えへへ……ゴメーンね?」
「……」
「わっ! 悪かったって! 黙ってヒレで叩かないでっ!」
サメックは盛大な溜め息を漏らし、手に入れた能力を確かめるべくステータスを開いた。
頭に思い浮かべるだけで空中にゲームのようなステータス表示の画面が出現する。この世界ではこれが常識となっている。
「これは……さっきのユウシャが持ってたのは製造スキルだ!」
闇が空を覆い、風は腐臭を運び、川には汚泥が流れる。
世界を支配する邪神たちの力は強く、恐ろしいモンスターが世界を埋め尽くし、人々は絶望の淵にあった。
そのとき、光の神に導かれた英雄が異世界より現れ、モンスターを打ち倒し、邪神を封印することに成功した。
神はその後、この世界をあまねく照らす存在として君臨し、希望が世界を満たした。
しかし、邪神たちは滅んだわけではない。
モンスターを世界に放ち、封印が解かれ復活する時を待っている。
復活を阻止するため、異世界の英雄たちがいまでも光の神によってこの世界へと呼び出され、戦いは続いているのである。
巨大な岩盤をくり抜いた洞窟のようなごつごつした通路に、ドッスンドッスンと大きな音が響き渡る。
宝箱がダンジョンの中を飛び跳ねていた。開いた宝箱の中からは大きなサメの巨体が飛び出しており、のたうつような動きで宝箱を跳ね上げて進んでいく。
そんなサメックの横を普通に歩くのはサメ魚人の少女、タラサ。
「……他に移動する方法はないの?」
「一応っ(ドスン)魔法でっ(ドスン)動けなくはないがっ(ドスン)」
「だったら魔法使ったほうがいいんじゃない?」
「でもっ(ドスン)魔力消費がっ(ドスン)」
その宝箱の音を聞きつけたのか、人間らしき足音が複数近づいてきた。
「うわっ!? なんでこんなダンジョンの中にサメモンスターがいるんだ!?」
「よく見て、ただのサメじゃないわよ。宝箱から……生えてる?」
「やだ、なんか強そう……怖い」
「サメの魚人までいるな……みんな気をつけろ!」
二匹の姿を見るなり武器を構えて臨戦態勢を取る四人組の冒険者たち。
男一人女三人という構成を見てサメックは思わずまたか!と顔をしかめる。
しかも、四人はどうも一旦脱いだ服を慌てて着直したように服装が乱れており、男のズボンのベルトなどはまったく締められていない。
「行くよ!」
女のうち二人がすぐさま前衛に出て、あとの一人は様子を見ながら呪文を唱える。
男は腰にぶら下げたなにやら金属製の筒状のものを取り出してサメックに向けた。
(あれは!?)
黒光りするそれを見た瞬間、サメックは最大限の警戒を向ける。
拳銃。この世界には本来存在しない兵器だ。
普通のモンスター、この世界の人間であればその正体を知らなくとも当然だが、同じく転生者であるサメックはその恐ろしさにすぐ気づく。
サメ部分が宝箱の中にスルッと逃げ込むとほぼ同時、パンッと大きな炸裂音がして宝箱の上を鉛玉が通り過ぎて行った。
「なっ!?」
拳銃の攻撃に多大な信頼を寄せていた冒険者たちは、初見で回避されるとは思っていなかったせいで驚きのあまり動きが止まってしまう。
再びサメの体を伸ばしたサメックは大きく仰け反り、思い切り飛び跳ねた。
女たちの頭上を越え、宙返りして天井に宝箱でキック。さらに加速して男へ向けて一直線に飛びかかった。
その間に二発目の銃弾が放たれるが、それは大きくサメックを外れて天井を穿った。
「GRRRRAAAAA!」
「うわあああ!?」
まずは男の拳銃を持つ右腕に噛み付く。
サメの歯は一本一本がノコギリのように鋭いトゲを有しており、さらにそれがずらりと並んでいるため、その顎に囚われれば何者であろうとずたずたに切り裂くことができる。
男が逃れようと暴れれば暴れるほど、肉を切り裂き骨にまで食い込んでいく。
そのままサメックが顎を閉じると簡単に腕を食いちぎった。
男の手首が拳銃とともに地面にぼとりと落ちる。
「ぐあああっ! こ、の……っ!」
とっさに男は残る左手で拳銃を拾おうとするが、サメックはさせまいと横から払うように胴体に噛み付いた。
牙の刺さった腹や背中からは、すぐにおびただしい量の血が流れ出ていく。
バタバタと足を振ってもがくものの、その抵抗はすぐに弱くなっていく。
「このっ離せっ!」
慌てて引き返してきた前衛の女達が、サメックに向けてそれぞれ短刀と槍を振るう。だが、そのどちらも鮫肌に傷をつけることなく表面を撫でるだけだ。
鮫肌は楯鱗と呼ばれる物に覆われている。それは鱗というより歯に近い性質で、固く尖った形状が密集して並んでおり、水中においては体表面の水流をコントロールし静かに早く泳ぐことを可能としているが、サメックの楯鱗は普通のサメのそれよりもさらに固く、高い防刃効果をも発揮していた。
しかし、刃が立たないとはいえ固い金属の塊で打ち付けられた衝撃はある。
サメックが痛みに顔をしかめ歯を食いしばると、口の中の男の身体に歯がさらに食い込み流血が増える。
「ぐ、ふ……」
呪文を唱え終えた魔法使いが杖をサメックに向け……しかし、魔法を放つのを躊躇する。
サメックに咥えられた男はすでに力を失ってぐったりと動かないが、まだ助けられるかもしれない。しかし、強力な魔法を打ち込めば巻き込んでしまう可能性が高い。
「くっ……こうなったら……!」
しばし迷った魔法使いは周囲に視線をさまよわせ、あることに気付いて杖の先をそちらに向けた。
その先にいたのは動かずに成り行きを見守っていたサメ魚人の少女、タラサだった。
「ファイヤーボール!」
「え……」
自分が狙われるとは思っていなかったタラサは反応が遅れた。魔法で生み出された火球が眼前へと迫る。
だが、炎は彼女に到達するまえに炸裂した。
サメックだ。彼は再び素早くタラサのそばまで跳躍すると、頑丈な宝箱部分で火球を受け止めた。
咥えていたはずの男は、彼の口の中には無い。さすがに身軽にしなければ間に合わないと判断し、その場に吐き捨ててきたのだ。
火球の爆発の衝撃に押されてサメックは地面を少し転がってから跳ね起きる。
魔法の炎が通路を塞ぐほどに広がり、それが消えた頃には通路から冒険者たちの姿は無くなっていた。男の姿もそこにはなく、地面に血溜まりが残るのみだ。
「……ケガはないか?」
「う、うん」
「はぁ……さっきの男、たぶん死んだとは思うんだが、一部しか食えなかったのは惜しかったな」
「殺せたんならいいんじゃないの?」
「今のやつ、ユウシャだったんだよ。知ってるだろ、ユウシャはチート……普通の人間とは別格の能力を持ってるやつが多い」
「うん」
「そんで俺には食った相手の能力を得られる能力があるんだが」
「うん……うん? いまさらっととんでもないこと言わなかった?」
「丸呑みしても能力は全部手に入るわけじゃないんだよな。一部だけだとさらに少ししか能力がもらえない」
「ちょ、ちょっと待って理解がまだ追いついてない……。でも、それなら逃げられちゃったのすごいもったいなくない!?」
「誰を助けたせいだろうなぁおい」
「えへへ……ゴメーンね?」
「……」
「わっ! 悪かったって! 黙ってヒレで叩かないでっ!」
サメックは盛大な溜め息を漏らし、手に入れた能力を確かめるべくステータスを開いた。
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