私の引いた境界線を越えた君

美奈

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私の引いた境界線を越えた君

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翔の言っていたカフェに着くと

そこはお世辞にも、とても素敵とは言えない場所ではあった。だけど、彼と一緒に食べた甘い苺のタルトは特別でなくとも今で食べたスイーツの中で一番美味しい気がした


丁度いい時間になってカフェを出て電車に乗ってから30分くらいで目的地に着いた。

着いた場所は海で来るのは5年振りくらいだった

そこで私と翔は普通の恋人同士のように笑い合って
あっという間に時間が過ぎていった

あのさ、返事貰いたいんだけど

わかってるよ…

ズルい翔はズルい。だって翔の告白にノーと言う理由を彼はたった一日でなくしてしまった。
もう…逃げれる理由がなくなっちゃったじゃん

表情から私が何を思っているのか悟ったのか微かに翔の口元が緩む

いいよ…これから宜しくね今度は彼女として

気恥ずかしくて後ろを向く

私がそう言った後、翔は少し困ったような顔をして笑った。本当にイエスって言わせられると思わなかったなぁ。千里は敷居が高すぎるんだもん

そして彼はすぐ笑顔に戻る

私はもうすぐ帰らないといけないのが、この時間が無性に名残惜しくて初めて帰りたくないと思った

ふと、口から零れた

帰りたくないな…

千里もそんなこと思うんだな。まぁ俺も同じ事思ってたけど…

このまま何処か遠くに行く?冗談でそう言った

翔の答えは以外で

本当に行くかと真剣な表情をして言った後、
少し笑って冗談だよと言った

翔が私と同じ事を想っていた事にこの時間が余計名残惜しくなる

幸せで楽しい時間がこそ早く感じる一日は24時間と決めたのは誰なのかな30時間でもいいのにな…

そう思いながら手を繋いで電車に乗る

その日ははしゃぎ過ぎて疲れたのか電車の中で二人とも寝入ってしまった
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