私の引いた境界線を越えた君

私の引いた境界線を越えた君

それから暫く千里に会うことがなかった
というか、会えなかった
塾の先生に聴いても個人情報だからと言われ
彼女から連絡が来ることも無いまま１ヶ月がたった
どうしたのかと心配していると体調不良で入院して1週間意識が無くなってしまっていたとの事だった
彼女の弱っている声を聞いた途端、自分が恥ずかしくなる。連絡しても応じない事に一瞬でも怒りを覚えた自分を殴りたいそう思った

考えてみれば千里がなぜいつも少し苦しそうなのか泣きそうな悲しい顔で笑うのか理由なんて分からなかったし聞く勇気も持ち合わせてなかった

千里は俺よりも強い だから何もしてあげられないと思っていた

そのことを彼女に電話越しに伝えるとごめんね私は持病があって、もう多分治る事はないと思うの
だから翔には知られないようにしてた私だけが背負えばいいモノだと思っていたから

本当にごめんね…

そう言って泣いているのを電話越しの俺でもわかった