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白い知性。
しおりを挟む予定では一週間だった銅級アタックは、その予定を二日ほど超過した今、やっと最終日となるだろう。
「んー、仕上がったかな。二人とも、ステータス見せて?」
蜘蛛を相手にウォーミングアップが終わり、今は銅級ダンジョン十層へと降りてきた所だ。また此処に来る事になるとは…………。
円柱状に広がる空間に、壁伝いの螺旋階段を降りて来た私達は、とりあえず最後のミーティングを行ってる。
見せてって言っても、二人ともアイズギアに変えてあるから人に見せられない。けど、お互いの端末を連動させると、見せたい画像を相手のコンタクトレンズにも表示出来る機能がある。
正直、DDスクリプトさんの魔力系技術はどこまで先に行ってるのか、末恐ろしいものを感じる。
下手したらアレじゃない? 実はダンジョンを作った存在と裏で繋がってて、技術供与とか受けてない? 大丈夫です? 本当にクリーンな会社です?
まぁ良いや。とにかく二人に表示してもらったステータスがこんな感じ。
白乃ニクス・レベル7。
膂力B
魔力C
敏捷D
技量C
耐久C
藤乃プティル・レベル7。
膂力C
魔力B
敏捷E
技量E
耐久B
うん、多分強い!
ただ二人とも、敏捷があんまり伸びなかったな。もっと強敵から走って逃げるとか、そう言うのさせた方が良かったかな。
あと、せっかくの覚醒者なんだ。魔力はどんどんバンバン伸ばしたいよね。ニクスにはもっと積極的に使うように言っておこう。
そして、うーん…………。
「技量値にスキルの特性がそのまま出た感じだねぇ」
「あら、なるほど…………。私の紫電は直接的な攻撃が多くて工夫の機会も少ないけど、ニクスちゃんの白雪は応用沢山出来るものね。そういう事かしら?」
「だと思うよ。紫電は威力も速度も充分すぎて、工夫要らないもんね」
ただ飛ばすだけで強いお母さんの紫電と、凍らせて足止めしたり、白雪その物を凍った武器のように具現化したりと、様々な利用を試したニクスとで、技量の伸び方が別れた。
技量はそのまま、器用な事をしてると伸びるステータスだ。もちろん武器の使い方とかでも伸びるけど、魔力操作で伸ばすと魔力のステータスも一緒に伸ばせるから効率が良いのだ。
「ふぅむ、まぁ良いかな。うん」
私は二人のステータスを見ながら計画を立てる。
と言っても、大筋はもう決まってるんだけどね。
「まず、私とナイトが二人を付きっきりでサポートするから、二人は銅竜と戦って。今の二人なら勝てる可能性もあるけど、まぁ順当に負けるかも」
そうして、もし二人が戦闘不能になったなら私とナイトの出番だ。
と言うか私の出番か。負けてダウンした二人を守って貰わないとだし。
「ナイト、お母さんをお願い出来る?」
「わぅ」
「私はニクスを付きっきりで見るから」
ナイトと擦り合わせが終わり、それから二人を見る。
緊張してるかなって思ったけど、そんな事は特に無かった。二人はこれからドラゴンなんて巫山戯たファンタジーと戦わないといけないのに、なんの気負いも無く自然体だった。
なんでか聞いてみると、
「……え? この世に、娘の地獄を前にして何も出来ない事より怖いことって、有るのかしら?」
「ドラゴン……? それ、おねーちゃんが帰って来ないかも知れない事より怖いの? つよいの?」
そんな事を真顔で言われた。
あとニクスがなんか、レベルアップの影響なのか知性が上がって、喋り方から幼さが消えて来た。…………ちょっと悲しい。
一応、私の三ヶ月と違ってそこまで脳ミソをブン回さなくても生き残れる状況だし、言うほど知性が伸びたとも思えないんだけども…………。
そう、ダンジョンでは苦労して経験を重ねた事が強化される。
あの三ヶ月で生き残る為、そしてモンスターを殺し尽くすため、私は幼い脳を相当に酷使した。その結果がこれなんだけど、ニクスは私が敷いたレールの上を走ってるだけなので、そこまで知性は鍛えられて無いと思う。
まぁそれでも、命の危険を感じて貰える様なレベリングじゃないと意味が無いから、少しでも効率良く、少しでも安全にって考え続けてたなら相応の成長があるのかな。
少し前まではまだ、子供っぽい喋り方だった。だから多分、今頃になってやっと伸びたステータスが馴染んで来たって所かな?
うん、私が三ヶ月かけたレベルまで、一週間ちょいだもんね。そりゃ能力に振り回されるよね。
「まぁ良いや。打ち合わせは終わり! 準備が出来たなら、そろそろ行くよ」
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