Blue Flame Little Girl 〜現代ダンジョンで地獄を見た幼女は、幸せに成り上がる〜

ももるる。

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町の様子。

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「ここは、所謂NPCタウンなのね」

「NPCは超高度なAIで自我を持ってるスーパーNPCだけどね。ほぼ命って言って問題ない様な感じの」

 とりあえず、獣人さんが敵になる様な事は無かった。少なくとも、マトモに過ごしてればマトモに対応して貰えるのは確実だ。逆に誰か獣人を殺したりとかするとどうなるかはまだ分からないが、そんな事はやるつもりも無いのでどうでも良い。気になるなら視聴者の誰かが此処ここまで来て自分の責任で殺してみれば良い。

 さて、私達はこの町に一日滞在して情報を得てみた。

 その結果、私達は此処ここサナの町を『NPCタウン』だと判断するに至った。

 別に、誰かに話し掛けたら延々と「ようこそ始まりの町へ!」とか言われた訳じゃない。この町に居る獣人さん達は全員マトモに会話出来る。思考能力も普通で、喜怒哀楽がちゃんとあって、記憶も個性もちゃんとある。

 けど、だからこそオカ・・シイ・・のだ。

 記憶があって個性があって、マトモな思考が可能でこの規模の町を作れる知的生命体が、階層・・の外・・を少・・しも・・知ら・・無い・・のはオカシイ。絶対にオカシイ。

 誰かしらは町の外に行き、この五層を調べあげ、そして上か下かは分からないが階層を超えてみる個体が居るべきだ。そして情報を誰かに伝えるのが普通だろう。

 けど、サナの町に居る獣人さん達は一様に「……え? 森の外? 上? 下? 君は何を言ってるんだい?」的な反応だった。

 まるで、最初・・から・・そん・・な事・・一切・・考え・・無い・・様に・・作ら・・れた・・みたいに。

 だから私達は、この町を『推定神的な存在が、ダンジョンの攻略に必要な要素としてダンジョン内に生成したNPCタウン』だと判断した。

 本当に、マトモな思考出来て会話も問題ない相手なだけに、五層の外に話しが向いた瞬間に意味不明なくらい会話が噛み合わなくなるのが不気味過ぎる。

「まぁ、でも、安全に休めるのは有難いし、アイテムの補充が出来るのも正直めっちゃ助かるよね」

「そうね。これ、気を付けないと地上の相場も崩壊するわよ?」

 NPCタウンなら、それはそうと割り切れば不気味さも気にならない。…………と、思う。

 まぁ良い。この町が便利な事には代わり無いんだし。

「まさかDDダンジョンドルが使えるとはね」

「思えば、ダン・・ジョ・・ンド・・だものね。多分、最初からこれがメインの利用法なのよ」

 そう。サナの町で何かしらの売買を行う時に必要な金銭が、DDダンジョンドルだったのだ。

 つまりダンジョンでの共通通貨がDDであり、ご飯を食べたかったらDDを支払い、宿を取りたかったらDDを使い、物を売ったらDDを貰う。

 DDはDMダンジョンムービーで扱われる仮想通貨なので手元には無いが、なんか本人がICカードの代わりにでもなってるのか、支払いは全く問題無かった。「払う」と言えば勝手に手持ちのDDから引かれるシステムだ。

 幸いにして、私達はDMでも有数の売れっ子配信者ストリーマーなのでDDは山ほど持ってる。この銀級配信も相当な再生回数なのか、三人とも現在進行形でDDが増えて行ってる。多分ナイトも同じ。

 なら、もし私達みたいに配信でDDを稼いでない、ごくごく普通のアタッカーはサナの町を利用出来ないのかって言うと、そんなことも無い。

 サナの町には「冒険者ギルド」なる建物が存在して、そこでドロップ品とか解体品とか買い取ってくれるのだ。DDで。

 DDは現金に換金出来るので、これはつまり事実上『ダンジョンが素材の相場を決定した』って事だね。

 例えば、レオの毛皮を地上で売る場合、日本円で500万だとする。そしてサナの町で売る場合は5000DDで買ってもらえる。

 1DDは1200円なので、5000DDは600万円相当だね。こうなると、地上で売るよりサナの町で売った方が良い。

 一回DDを経由すれば他の国のお金にも替えやすいし、サナの町でアイテムも買えるし、何より地上で売るより高額だ。売らない理由が無い。

「銀級の攻略が安定化するようになったら、地上ではダンジョン素材の相場が--」

「…………んもぅ! おねーちゃんもおかーさんも、最近ずっと難しいこと言ってるぅ! ニクスさみしい!」

「ああごめんねクーちゃん、今日はお休みだもんね」

 ダンジョン素材とDDの兼ね合いをお母さんと話し合ってたら、ニクスが拗ねてしまった。頭は良いはずなんだけど、ニクスはあえて子供らしく居ようとしてるのだろうか。言葉はしゃっきりしたけど、言動は幼いままだ。可愛くて良いのだけど。

 ちなみに、現在私達はサナの町で宿を取って、今日はお休みって事にしてる。ここは宿のお部屋の中だ。

 ダブルサイズのお部屋で三人と一頭でギュウギュウになりながら眠ったよ。幸せだった。

 ダンジョンの中でしっかり休息出来る時間は貴重だし、休める時に思いっきり休んだ方が後々のパフォーマンスも上がる。

 休んでる間のヒートゲージ上昇が怖いけど、だからこそ今日はお休みなのだ。しっかり休んで、また明日からヒートゲージを下げるためにモンスターを殺戮する。

「ねぇおねーちゃん、ニクスと一緒におでかけしよっ?」

「あ、えーと……」

「大丈夫よフラムちゃん、行ってらっしゃい。買い出しはお母さんがやっておくから」

 ずっと気を張ってたからか、一ヶ月も『仕事』をしてたからか、今日のニクスは甘えん坊でお子ちゃまモードが全開らしい。

 私はサナの町で買えるアイテム類を見て回りたかったんだけど、頑張ってくれたニクスのオネダリを無視して良い訳も無い。

 そう悩んでいると、お母さんが助け舟をくれた。

「そも、本当ならお母さんやお父さんが頑張らないといけないのよ。だから、おやすみの日くらいは子供に戻っていいのよ、フラムちゃん。雑務くらいはお母さんでも出来るもの」

 そう言って私の頭を撫でてくれるお母さん。待って欲しい。だから不意打ちはダメだって。泣いちゃうじゃん。

「買う物はこの紙に書いとくね」

「お願いね。それと、サナの町特有のアイテムとか、私達がまだ知らない物については後で相談するわ」

 一層で大量に消費したパラライズボールとグレイパー。さらにノーマルポーションもHP用とMP用どっちも買い溜めしたい。

「おねーちゃんはやくぅ~!」

「わかった、分かったから引っ張らないでクーちゃん。お姉ちゃん困っちゃうよ」

 お母さんにメモを渡したら、我慢出来なくなったニクスに引かれて宿から飛び出る。ニクスはずっと気になってた屋台を巡りたいそうだ。

「お、お母さんいってきまーす!」

「まーす!」

「はーい、行ってらっしゃい。お夕飯までには帰るんですよ~?」

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