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13話
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翌日、僕たちは昨日回り切れなかった武器屋に来ていた。僕もミーアも今使っている弓は1年以上使っていて、傷みが見え始めていたし少し強力なものに変えたいと思っていた。そこで聖都の武器屋で良いのがあればといったところ。報酬で懐も温かいし、こういう時じゃないと中々武器の更新ってできないからタイミングも良い。そこで店主に強めの弓を紹介してもらおうと僕が声を掛けた。
「ご主人、僕たち狩人で少し良い狩弓に買い替えようと思っているんだけれどお勧めってありますか」
「ふん、今使ってる弓を見せてみな」
僕たちは愛用の弓を店主にみせた。
「かなり使い込んでいるな。が、手入れは良い」
店主は僕たちに弓を返すと
「弦を張ってみせろ」
僕たちは慣れた手際で、それぞれの弓に一息で張ってみせる。
「こんな感じですね」
ミーアが見せると。
「次は、引いて見せろ」
二人並んで引いて見せる。
「ふむ、ついてこい」
店主は店の入り口を閉めると店の奥に入っていった。
僕たちがちょっと戸惑いながらついていくと、そこはちょっとした広さのある中庭で、端には”あづち”があり約20メルドほどの射場にもなっていた。
店主は”あずち”に的をセットし、端にあった物置小屋から矢筒を持ってきた。そしてそれを僕たちに渡し
「射て見せろ」
どうやら、予想通り僕たちの実力を測るつもりのようだ。ミーアが先に立って
「あたしからね」
矢筒から矢を数本とりそのうちの3本を持って射場に立った。素早い3射で的を射抜く。バスン、バスン、バスンと普通ではない的中音。結果は継ぎ矢にならないギリギリで真ん中に集中している。店主の顔が紅潮している。
「次、おまえも射て見せろ。ああ、継ぎ矢は気にするな。むしろ狙えるのなら狙って見せろ」
どうやらミーアが継ぎ矢を嫌ったのには気付いたようだ。
僕も矢筒から矢を手に取る。そこでミーアが3本だけ手にした理由に気付いた。おそらくわざとだろう、わずかに歪んだ矢が混じっている。当然歪みのない矢を取り射場にたつ。そのまま3連射、僕の射た矢は狙い違わず的の中心に音もなく深々と刺さる。2本目以降の矢は継ぎ矢となり前の矢を貫いている。店主の顔はさらに紅潮し
「お前たちは祝福持ちか」
と問われる、僕たちは小さく頷いた。
「少し待っていろ」
少し待っていると、店主が両手に幾張りかの弓を持って戻ってきた。
「試してみろ。弦はそれぞれの弓にあったものを一緒にしてある。」
そう言って渡された弓に弦を張り引いてみる。どれも素晴らしい威力を感じる。
しばし二人で引き心地を確かめる。しかし、実際には射てみないとわからない。
「射てみてもいいですか」
黙ってうなずく店主に一礼して、僕たちは試射を繰り返す。
狩弓を一通り試射し、最後に残った一張りに躊躇していると
「試射しないのか」
「僕たちは狩人です。このサイズの弓はちょっと」
「買うことはない弓を試射して良いか迷っているというところか」
「ええ」
「その弓については、むしろ射て欲しいというのがワシの本音だな。仕入れたは良いが、引けるやつが現れん。どんな威力なのかもわからん。」
「わかりました。僕が試射してみます」
全体が漆黒で全長が2メルドにも達しようという巨大な長弓。素材はわからないが尋常のものではなさそうだ。僕は慎重に弦を張る。かなりきつい。
「では射ます」
弓を引き絞る。やはりかなりの強弓、僕でさえかなりきつい。どの程度射線を上にして狙えばいいのかを確認するため、的をほぼ直線に狙い射る。
自らの矢の行方を確認できないのは初めての経験だった。それほどの射速で射た矢はどこに飛んだのか。的を確認するけれど、近くには見当たらない。そんなに狙いにクセのある弓なのかなと思いながら、ふと的をどけてみると
「あった」
完全に”あづち”に埋まってしまっている矢を見つけた。
「この距離だと、矢の軌道がほとんどまっすぐで落差が分からないみたいです」
店主はこの結果に呆然としながら、心ここにあらずという感じで頷いている。
最終的に僕は漆黒に赤いラインの入った狩弓を選び、ミーアは真っ白に緑の蔓の装飾の描かれた狩弓を選んだ。
「この黒赤の狩弓はレッサーブラックドラゴンの骨にファイアドラゴンの爪を補強に使ってある。弦はファイアドラゴンの腱だ。予備もつけておくが、抜群の耐久性があるから普通の狩り程度なら1本で年単位使えるだろう。値段は小金貨2枚に大銀貨3枚だ」
そう言って渡してくれたので交換に言われた金額を支払う。
「そしてこっちの白緑の狩弓はフロストジャイアントの骨にフォレストワイバーンの牙で補強を入れてある。弦はフォレストワイバーンの腱。こちらも予備込みで渡しておく。小金貨1枚と大銀貨7枚」
こちらの分も支払いを行った。
僕たちが思ったより良いものが買えてほくほく顔で弓を魔法の鞄にしまっていると店主がついでのように声を掛けてきた。
「それでだな、こちらの黒い長弓なんだが。坊主、普段使いとは言わんが買わないか。ギリギリの割引をするぞ」
その言葉に
「え。欲しいのは欲しいですが僕たちじゃあまり使い道が……」
「なに、普段の狩りでなく、お前らの住んでいるとこの防衛的な場合になら使えるだろ。本来小金貨3枚のところ1枚にしてやるぞ。何より坊主以外に使えそうな人間がいつ来るかわからんのでな」
確かに、そういう時にあの威力は魅力だ。でも、僕しか引けない弓に小金貨1枚はどうだろう。悩んでいるところにミーアが
「その弓が強くてほとんどフェイにしか使えそうもないのはわかるけど、それより買うなら予備武器としての剣の方が優先ね。今あたしが使っているのが鉄の短剣だし、フェイだって鉄のブロードソードだもの」
最終的に、予備武器として僕用にミスリルコートのハンド・アンド・ハーフ・ソードを、ミーア用に同じくミスリルコートの短剣を選んだ。合わせて小金貨3枚のところを店主が強引に黒い長弓込みで小金貨3枚と大銀貨3枚で良いからと押し込まれて購入することになった。剣と手入れ用の道具、それに黒い長弓を追加で魔法の鞄にしまい。店を出たところで見知った人に声を掛けられた
「フェイウェル殿」
「ご主人、僕たち狩人で少し良い狩弓に買い替えようと思っているんだけれどお勧めってありますか」
「ふん、今使ってる弓を見せてみな」
僕たちは愛用の弓を店主にみせた。
「かなり使い込んでいるな。が、手入れは良い」
店主は僕たちに弓を返すと
「弦を張ってみせろ」
僕たちは慣れた手際で、それぞれの弓に一息で張ってみせる。
「こんな感じですね」
ミーアが見せると。
「次は、引いて見せろ」
二人並んで引いて見せる。
「ふむ、ついてこい」
店主は店の入り口を閉めると店の奥に入っていった。
僕たちがちょっと戸惑いながらついていくと、そこはちょっとした広さのある中庭で、端には”あづち”があり約20メルドほどの射場にもなっていた。
店主は”あずち”に的をセットし、端にあった物置小屋から矢筒を持ってきた。そしてそれを僕たちに渡し
「射て見せろ」
どうやら、予想通り僕たちの実力を測るつもりのようだ。ミーアが先に立って
「あたしからね」
矢筒から矢を数本とりそのうちの3本を持って射場に立った。素早い3射で的を射抜く。バスン、バスン、バスンと普通ではない的中音。結果は継ぎ矢にならないギリギリで真ん中に集中している。店主の顔が紅潮している。
「次、おまえも射て見せろ。ああ、継ぎ矢は気にするな。むしろ狙えるのなら狙って見せろ」
どうやらミーアが継ぎ矢を嫌ったのには気付いたようだ。
僕も矢筒から矢を手に取る。そこでミーアが3本だけ手にした理由に気付いた。おそらくわざとだろう、わずかに歪んだ矢が混じっている。当然歪みのない矢を取り射場にたつ。そのまま3連射、僕の射た矢は狙い違わず的の中心に音もなく深々と刺さる。2本目以降の矢は継ぎ矢となり前の矢を貫いている。店主の顔はさらに紅潮し
「お前たちは祝福持ちか」
と問われる、僕たちは小さく頷いた。
「少し待っていろ」
少し待っていると、店主が両手に幾張りかの弓を持って戻ってきた。
「試してみろ。弦はそれぞれの弓にあったものを一緒にしてある。」
そう言って渡された弓に弦を張り引いてみる。どれも素晴らしい威力を感じる。
しばし二人で引き心地を確かめる。しかし、実際には射てみないとわからない。
「射てみてもいいですか」
黙ってうなずく店主に一礼して、僕たちは試射を繰り返す。
狩弓を一通り試射し、最後に残った一張りに躊躇していると
「試射しないのか」
「僕たちは狩人です。このサイズの弓はちょっと」
「買うことはない弓を試射して良いか迷っているというところか」
「ええ」
「その弓については、むしろ射て欲しいというのがワシの本音だな。仕入れたは良いが、引けるやつが現れん。どんな威力なのかもわからん。」
「わかりました。僕が試射してみます」
全体が漆黒で全長が2メルドにも達しようという巨大な長弓。素材はわからないが尋常のものではなさそうだ。僕は慎重に弦を張る。かなりきつい。
「では射ます」
弓を引き絞る。やはりかなりの強弓、僕でさえかなりきつい。どの程度射線を上にして狙えばいいのかを確認するため、的をほぼ直線に狙い射る。
自らの矢の行方を確認できないのは初めての経験だった。それほどの射速で射た矢はどこに飛んだのか。的を確認するけれど、近くには見当たらない。そんなに狙いにクセのある弓なのかなと思いながら、ふと的をどけてみると
「あった」
完全に”あづち”に埋まってしまっている矢を見つけた。
「この距離だと、矢の軌道がほとんどまっすぐで落差が分からないみたいです」
店主はこの結果に呆然としながら、心ここにあらずという感じで頷いている。
最終的に僕は漆黒に赤いラインの入った狩弓を選び、ミーアは真っ白に緑の蔓の装飾の描かれた狩弓を選んだ。
「この黒赤の狩弓はレッサーブラックドラゴンの骨にファイアドラゴンの爪を補強に使ってある。弦はファイアドラゴンの腱だ。予備もつけておくが、抜群の耐久性があるから普通の狩り程度なら1本で年単位使えるだろう。値段は小金貨2枚に大銀貨3枚だ」
そう言って渡してくれたので交換に言われた金額を支払う。
「そしてこっちの白緑の狩弓はフロストジャイアントの骨にフォレストワイバーンの牙で補強を入れてある。弦はフォレストワイバーンの腱。こちらも予備込みで渡しておく。小金貨1枚と大銀貨7枚」
こちらの分も支払いを行った。
僕たちが思ったより良いものが買えてほくほく顔で弓を魔法の鞄にしまっていると店主がついでのように声を掛けてきた。
「それでだな、こちらの黒い長弓なんだが。坊主、普段使いとは言わんが買わないか。ギリギリの割引をするぞ」
その言葉に
「え。欲しいのは欲しいですが僕たちじゃあまり使い道が……」
「なに、普段の狩りでなく、お前らの住んでいるとこの防衛的な場合になら使えるだろ。本来小金貨3枚のところ1枚にしてやるぞ。何より坊主以外に使えそうな人間がいつ来るかわからんのでな」
確かに、そういう時にあの威力は魅力だ。でも、僕しか引けない弓に小金貨1枚はどうだろう。悩んでいるところにミーアが
「その弓が強くてほとんどフェイにしか使えそうもないのはわかるけど、それより買うなら予備武器としての剣の方が優先ね。今あたしが使っているのが鉄の短剣だし、フェイだって鉄のブロードソードだもの」
最終的に、予備武器として僕用にミスリルコートのハンド・アンド・ハーフ・ソードを、ミーア用に同じくミスリルコートの短剣を選んだ。合わせて小金貨3枚のところを店主が強引に黒い長弓込みで小金貨3枚と大銀貨3枚で良いからと押し込まれて購入することになった。剣と手入れ用の道具、それに黒い長弓を追加で魔法の鞄にしまい。店を出たところで見知った人に声を掛けられた
「フェイウェル殿」
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