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15話
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僕たちは、朝暗いうちに起きて教会の前の広場で素晴らしい日の出を眺め、日中は聖都の色々なところを散策して1週間をすごした。ギルドに紹介してもらいミーアのおしゃれ服も注文した。なぜか僕用の服も注文することになっていたけれど。
そして注文しておいた服が出来たとのことで届けに来てくれた服屋の人が説明がてらミーアに着せている。僕は宿の1階のロビーで完成を待っているところ。
「フェイウェル様、どうぞお部屋へお入りください」
呼ばれて部屋にはいると、そこには天使がいた。薄ピンクのシンプルなワンピースをベースにして胸元を薔薇の花をかたどった襟が飾っている。ウェストに白いレースのリボンがあしらわれて清楚感を出している。髪もまとめて後ろに流しシルバーの髪飾りがミーアの愛らしさを強調している。なにより普段はしない化粧をしていてその可愛らしさに僕の心臓は爆発しそうだ。そんな僕にミーアが不安そうな顔で聞いてきた。
「ど、どうかな。変じゃない」
「変なんて、すごく素敵だよ。ミーアの可愛さで僕の心臓は爆発しそうだ」
僕がミーアを愛でていると横から
「では、続いてご主人の合わせをしてみましょう。申し訳ありませんが奥様はロビーでお待ちください」
そして僕は、普段なら着ないようなぴったりとしたダークブルーのシャツを着せられ、合わせるのはラメ感をもたせ上着の裾が長めのダークブルーのスリーピース。そのうえに同系列のロングコート、首には幅広のネクタイと言うのだろうか。僕の感覚では少々ゴテゴテした感じで窮屈だけれど、作り手の腕がいいのだろうか動きにくいという事はない。髪を整えられ、髭を剃られて出来上がりらしい。ギルドの紹介とは言えなぜ僕たちがこんな狩人が着るとは思えない服を仕立てることになったのか。
それは新しい武器を揃えた翌日、ギルドから呼び出しがあり、ギルマスターのゲーリックさんと話していたとき。しばらく雑談して
「で、今日は何の呼び出しなんですか。僕たち新婚旅行中なんですよ」
大した用事じゃなかったら容赦しませんという意味を込めて聞くと
「例のシルバーファングのオークションの件なんだが、さすがにシルバーファングのみって訳にはいかないということで少しばかりアイテムを集めてオークションを行うことに決まった。それに日程も決まったんでな。その連絡と、おまえらは出品者枠で無料で参加できるんだが、見に来ないか」
「いいですね。オークションなんてそうそう見られるものじゃないし。そういうのなら新婚旅行の思い出にもなりそうです。どうだミーア見に行ってみないか」
「うん、見てみたい」
ミーアも乗り気だ。そこでゲーリックさんが言ったのが
「よし、じゃあ服を作ろうか」
僕もミーアも今一つ意味が分からず言葉も出ないでいると、レーアさんが助け舟を出してくれた。
「オークションに参加される方は主に大商人や貴族等の富裕層の方達なのです。そしてオークション会場は社交場としての意味合いもありまして、そういった場所で着用するにふさわしいお召し物をお二人はお持ちでしょうか」
そんなもの僕たちのような狩人が持っているわけがない。そんな僕たちの顔を見て
「普通はお持ちではありませんので、今回のような成果をあげられた方にはギルドがお店を紹介させていただいて適切な装いをしていただくようにしております」
きっと庶民の月収だとか年収だとかの服なんだよな。1回のためにそこまでかと考えていると、それを読んだかのようにレーアさんが言ってくる。
「フェイウェル様もミーア様も、これだけの実力をお持ちとなれば、今後公式の場に参列される機会はあると思われますので1着仕立てておかれても無駄にはならないと思いますよ」
「はあ。僕たちが公式の場に参列ですか」
「自覚無いのですか。今回の異常の報告とシルバーファングの討伐だけでも教皇様からのお言葉を頂いても不思議はないのですよ」
「それほどですか」
「そうです。ですから1着づつで結構ですのでお持ちいただくのがよろしいかと思います」
と言うわけで僕とミーアは、ある程度公式な場で着ることの出来る服をあつらえることとなり冒頭の状態。本当に公式な場に出ることがあるかどうかは不明だけれど、ミーアの素敵な姿を見ることができたのでこれはこれでいいかなと思った。
そして注文しておいた服が出来たとのことで届けに来てくれた服屋の人が説明がてらミーアに着せている。僕は宿の1階のロビーで完成を待っているところ。
「フェイウェル様、どうぞお部屋へお入りください」
呼ばれて部屋にはいると、そこには天使がいた。薄ピンクのシンプルなワンピースをベースにして胸元を薔薇の花をかたどった襟が飾っている。ウェストに白いレースのリボンがあしらわれて清楚感を出している。髪もまとめて後ろに流しシルバーの髪飾りがミーアの愛らしさを強調している。なにより普段はしない化粧をしていてその可愛らしさに僕の心臓は爆発しそうだ。そんな僕にミーアが不安そうな顔で聞いてきた。
「ど、どうかな。変じゃない」
「変なんて、すごく素敵だよ。ミーアの可愛さで僕の心臓は爆発しそうだ」
僕がミーアを愛でていると横から
「では、続いてご主人の合わせをしてみましょう。申し訳ありませんが奥様はロビーでお待ちください」
そして僕は、普段なら着ないようなぴったりとしたダークブルーのシャツを着せられ、合わせるのはラメ感をもたせ上着の裾が長めのダークブルーのスリーピース。そのうえに同系列のロングコート、首には幅広のネクタイと言うのだろうか。僕の感覚では少々ゴテゴテした感じで窮屈だけれど、作り手の腕がいいのだろうか動きにくいという事はない。髪を整えられ、髭を剃られて出来上がりらしい。ギルドの紹介とは言えなぜ僕たちがこんな狩人が着るとは思えない服を仕立てることになったのか。
それは新しい武器を揃えた翌日、ギルドから呼び出しがあり、ギルマスターのゲーリックさんと話していたとき。しばらく雑談して
「で、今日は何の呼び出しなんですか。僕たち新婚旅行中なんですよ」
大した用事じゃなかったら容赦しませんという意味を込めて聞くと
「例のシルバーファングのオークションの件なんだが、さすがにシルバーファングのみって訳にはいかないということで少しばかりアイテムを集めてオークションを行うことに決まった。それに日程も決まったんでな。その連絡と、おまえらは出品者枠で無料で参加できるんだが、見に来ないか」
「いいですね。オークションなんてそうそう見られるものじゃないし。そういうのなら新婚旅行の思い出にもなりそうです。どうだミーア見に行ってみないか」
「うん、見てみたい」
ミーアも乗り気だ。そこでゲーリックさんが言ったのが
「よし、じゃあ服を作ろうか」
僕もミーアも今一つ意味が分からず言葉も出ないでいると、レーアさんが助け舟を出してくれた。
「オークションに参加される方は主に大商人や貴族等の富裕層の方達なのです。そしてオークション会場は社交場としての意味合いもありまして、そういった場所で着用するにふさわしいお召し物をお二人はお持ちでしょうか」
そんなもの僕たちのような狩人が持っているわけがない。そんな僕たちの顔を見て
「普通はお持ちではありませんので、今回のような成果をあげられた方にはギルドがお店を紹介させていただいて適切な装いをしていただくようにしております」
きっと庶民の月収だとか年収だとかの服なんだよな。1回のためにそこまでかと考えていると、それを読んだかのようにレーアさんが言ってくる。
「フェイウェル様もミーア様も、これだけの実力をお持ちとなれば、今後公式の場に参列される機会はあると思われますので1着仕立てておかれても無駄にはならないと思いますよ」
「はあ。僕たちが公式の場に参列ですか」
「自覚無いのですか。今回の異常の報告とシルバーファングの討伐だけでも教皇様からのお言葉を頂いても不思議はないのですよ」
「それほどですか」
「そうです。ですから1着づつで結構ですのでお持ちいただくのがよろしいかと思います」
と言うわけで僕とミーアは、ある程度公式な場で着ることの出来る服をあつらえることとなり冒頭の状態。本当に公式な場に出ることがあるかどうかは不明だけれど、ミーアの素敵な姿を見ることができたのでこれはこれでいいかなと思った。
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