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91話
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大雑把な作戦を決めると僕とミーアは左右に分かれて風下から巨大亀に近づいていった。僕が右側からミーアが左側からとりあえず後ろ脚を狙う。1当て後に巨大亀がどのような動きをするか分からないため、ミーアには1当て後一旦下がるように言ってある。まずは巨大亀に近づき、ミーアとアイコンタクトでタイミングを合わせる。右手のブロードソードをフルスイングする。ザクっというややざらりとした手ごたえを残し僕は巨大亀の右後ろ足を半ばまで切ることが出来た。ミーアの様子を見やるとミーアもかなりの深手を与えたようだった。
ミーアが一旦下がるのを見届け、僕は更に踏み込み甲羅の部分に思いきり叩き込んでみる。手ごたえこそ硬かったものの、無意味ではなく、わずかながら甲羅に切り込みを入れることに成功した。とはいえ、完全に手足を引き込まれても攻撃の手段は一応あるという程度。それでも王種に挑むよりはマシか。
「ギャギャギャザヅウウ」
そして巨大亀は、突然の有効な攻撃に怒りの叫びをあげながら僕達の居る方向に向きを変えようとしている。しかし、予想通り、その動きは緩慢だ。しかも両の後ろ脚に重大なダメージを受けている現状では急ぐこともできなさそう。
ミーアとアイコンタクトをしハンドサインでタイミングを合わせ追加の攻撃を行う。そして、攻撃を加えようとしたその時、後ろ脚が甲羅の中に引き込まれた。そして、引き込まれただけでなく、甲羅がするりと動き足を隠してしまった。
「ミーア前足だ」
僕が叫び前足を狙いに移動するとミーアも走り出した。しかし、間に合わない。巨大亀は前足どころか首まで全て甲羅の中に引き込み、閉じてしまった。とりあえずこの状態でなら危険はほぼ無さそうではあるけれど……
「この状態だと攻撃は受けないと思う。でもこちらからの攻撃も通るかどうか怪しいところだよね。で、僕は、この甲羅にも多少攻撃が通るけど、ミーアはどうかな」
もはや、ここまで騒いだ後なので言葉で伝える。
「ん、やってみる」
ミーアがオリハルコン製の片手剣を全力で振り下ろす。「ギン」という硬い音と共に硬いはずの巨大亀の甲羅に僕が先につけたのと同じくらいの傷がついた。どうやら止まっている的に全力で切りつけたこともあって強く当てられたようだ。そこで僕は魔法の鞄から、新しく作った剣を取り出した。それはオリハルコン独特の金色の燐光を放つ両手持ちの大剣。まさかこんなに早いタイミングで使う機会があるとは思っていなかったけれど、ここは1撃の重さの必要な場面と思う。振りかぶり全身の力を乗せて振り下ろす。
「おりゃああ」
バキンと剣戟の音とは信じがたい音と共に巨大亀の甲羅の一部を切り飛ばすことに成功した。次は、ミーアが傷をつけたところを狙ってみる。「パキン」割と大きめに切り飛ばすことができた。よく見ていると甲羅を攻撃するたびにギュッと甲羅を引き付けるような動きをしている気がする。魔獣でない亀が身を守るために刺激されるとその甲羅に引きこもるのとそっくりだ。そして甲羅にもダメージを与えられるとなれば、
「ミーア、足を隠したあたりに順番に傷をつけて行って。そのあとを僕が切り飛ばしていく。で、足が見えるくらいまで出来たところで、足を攻撃。足をつぶそう。そうすれば動きを止められるはず。うまくいったら、その次の段階で頭を狙おう」
「ふん」
金色の燐光を放つ両手剣が巨大亀の首を断ち切り地面に首が落ちる。
あの後甲羅を切り剥がし足を切り落としている間巨大亀はひたすら甲羅を引きつけ意味のない防御態勢を続け、結果的に僕たちは反撃を受けることなく足を全て切り落とすことが出来た。そうなれば後は頭に対して同じことをするだけだった。僅かに違ったのは甲羅を剥がし、頭部への攻撃を始めた時にはさすがに首を伸ばし反撃をしようとしてきたことくらいだ。しかし、足を全て失い、動くことのできない巨大亀はもはや僕達の敵ではなく簡単に首を切り落として討伐に成功した。
「久しぶりに狩人らしい狩り方した気がするよ」
僕がそういうと、ミーアも
「そういえばそうね。最近正面から剣で切り伏せるばかりだったものね」
と小さく笑った。
「ね、最近の僕たちってまるで剣士みたいな立ち回りだもんね」
「本当にね。でも、さすがにここからは……」
「うん、完全に未知の上位魔獣の巣窟のはずだから慎重にいくよ」
そこから数日巨大亀以外にもいくつかの見たことのない上位魔獣を討伐しつつ森を奥へ進んだ。
「これは」
僕もミーアも驚きに固まってしまった。目の前にあるのは巨大亀の死骸。それも甲羅を砕かれ捕食されたものだった。それは同時に巨大亀の強固な甲羅を砕くことのできるものが存在することを示している。僕は咄嗟に探知に集中した。幸いなことに僕の展開する探知の及ぶ範囲には魔獣の反応がなかった。ホッとしたのもつかの間。疑問が浮かび、思わず疑問を口にしてしまった
「僕の探知に魔獣が引っかからない」
ここまで、確かに魔獣を狩ってきたけれど、先回のように狩りつくしてきたわけではないので空白地帯ができるほど狩ってきていない。つまり
「何かこのあたりの上位魔獣さえ逃げ出すような強力な存在が……」
ミーアが一旦下がるのを見届け、僕は更に踏み込み甲羅の部分に思いきり叩き込んでみる。手ごたえこそ硬かったものの、無意味ではなく、わずかながら甲羅に切り込みを入れることに成功した。とはいえ、完全に手足を引き込まれても攻撃の手段は一応あるという程度。それでも王種に挑むよりはマシか。
「ギャギャギャザヅウウ」
そして巨大亀は、突然の有効な攻撃に怒りの叫びをあげながら僕達の居る方向に向きを変えようとしている。しかし、予想通り、その動きは緩慢だ。しかも両の後ろ脚に重大なダメージを受けている現状では急ぐこともできなさそう。
ミーアとアイコンタクトをしハンドサインでタイミングを合わせ追加の攻撃を行う。そして、攻撃を加えようとしたその時、後ろ脚が甲羅の中に引き込まれた。そして、引き込まれただけでなく、甲羅がするりと動き足を隠してしまった。
「ミーア前足だ」
僕が叫び前足を狙いに移動するとミーアも走り出した。しかし、間に合わない。巨大亀は前足どころか首まで全て甲羅の中に引き込み、閉じてしまった。とりあえずこの状態でなら危険はほぼ無さそうではあるけれど……
「この状態だと攻撃は受けないと思う。でもこちらからの攻撃も通るかどうか怪しいところだよね。で、僕は、この甲羅にも多少攻撃が通るけど、ミーアはどうかな」
もはや、ここまで騒いだ後なので言葉で伝える。
「ん、やってみる」
ミーアがオリハルコン製の片手剣を全力で振り下ろす。「ギン」という硬い音と共に硬いはずの巨大亀の甲羅に僕が先につけたのと同じくらいの傷がついた。どうやら止まっている的に全力で切りつけたこともあって強く当てられたようだ。そこで僕は魔法の鞄から、新しく作った剣を取り出した。それはオリハルコン独特の金色の燐光を放つ両手持ちの大剣。まさかこんなに早いタイミングで使う機会があるとは思っていなかったけれど、ここは1撃の重さの必要な場面と思う。振りかぶり全身の力を乗せて振り下ろす。
「おりゃああ」
バキンと剣戟の音とは信じがたい音と共に巨大亀の甲羅の一部を切り飛ばすことに成功した。次は、ミーアが傷をつけたところを狙ってみる。「パキン」割と大きめに切り飛ばすことができた。よく見ていると甲羅を攻撃するたびにギュッと甲羅を引き付けるような動きをしている気がする。魔獣でない亀が身を守るために刺激されるとその甲羅に引きこもるのとそっくりだ。そして甲羅にもダメージを与えられるとなれば、
「ミーア、足を隠したあたりに順番に傷をつけて行って。そのあとを僕が切り飛ばしていく。で、足が見えるくらいまで出来たところで、足を攻撃。足をつぶそう。そうすれば動きを止められるはず。うまくいったら、その次の段階で頭を狙おう」
「ふん」
金色の燐光を放つ両手剣が巨大亀の首を断ち切り地面に首が落ちる。
あの後甲羅を切り剥がし足を切り落としている間巨大亀はひたすら甲羅を引きつけ意味のない防御態勢を続け、結果的に僕たちは反撃を受けることなく足を全て切り落とすことが出来た。そうなれば後は頭に対して同じことをするだけだった。僅かに違ったのは甲羅を剥がし、頭部への攻撃を始めた時にはさすがに首を伸ばし反撃をしようとしてきたことくらいだ。しかし、足を全て失い、動くことのできない巨大亀はもはや僕達の敵ではなく簡単に首を切り落として討伐に成功した。
「久しぶりに狩人らしい狩り方した気がするよ」
僕がそういうと、ミーアも
「そういえばそうね。最近正面から剣で切り伏せるばかりだったものね」
と小さく笑った。
「ね、最近の僕たちってまるで剣士みたいな立ち回りだもんね」
「本当にね。でも、さすがにここからは……」
「うん、完全に未知の上位魔獣の巣窟のはずだから慎重にいくよ」
そこから数日巨大亀以外にもいくつかの見たことのない上位魔獣を討伐しつつ森を奥へ進んだ。
「これは」
僕もミーアも驚きに固まってしまった。目の前にあるのは巨大亀の死骸。それも甲羅を砕かれ捕食されたものだった。それは同時に巨大亀の強固な甲羅を砕くことのできるものが存在することを示している。僕は咄嗟に探知に集中した。幸いなことに僕の展開する探知の及ぶ範囲には魔獣の反応がなかった。ホッとしたのもつかの間。疑問が浮かび、思わず疑問を口にしてしまった
「僕の探知に魔獣が引っかからない」
ここまで、確かに魔獣を狩ってきたけれど、先回のように狩りつくしてきたわけではないので空白地帯ができるほど狩ってきていない。つまり
「何かこのあたりの上位魔獣さえ逃げ出すような強力な存在が……」
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