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異世界文明との接触
第43話 街歩き③
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「どうでした、うちのお勧めランチは?」
「美味しくてびっくりしました。こんな料理あったんですね。これ今回は彼らのおごりになってましたけど、自前でで食べたらおいくらなんですか?」
「ふふ、1人前1200スクルドよ。ちょっとお高いけど、それだけの価値はあると思っているわ。まあ客層がハンターや傭兵、それに一部の職人だから設定できるお値段ですけどね」
飲食店街の屋台で出されている食事が一人前100から200スクルドだったのと比べるととんでもなく高いわ。
この世界の賃金はどうも能力によって大きく違うみたいなのよね。現代日本みたいな労働者保護なんて何もなくて、力も技術も何もない一般人だと単純労働しかなくて日給1000から2000スクルドくらいみたい。これが鍛冶師や細工師のような手に職みたいな人たちだと一気に上がって助手的な人たちでも1万スクルドとか3万スクルドとかもらえるらしいのよね。そこで親方になればさらにドンかしらね。
ただそういった技能職は親方に弟子入りして最初は衣食住こそ保証されるけどそのかわり無給みたいな状態で何年も頑張ってようやくだってことを聞いたわ。そもそもその弟子入れだってほとんど縁故だっていうし。簡単じゃないわね。
そういう中で、ハンターや傭兵は初心者時代こそギリギリの生活になるけど、そこを抜ければそれなりに稼げるし、体つくりの基本だからと割と食にお金を多く回す人が多いそうなの。だから ハンターや傭兵向けの酒場では一般向けでは出せないような料理が出せるんだって。まあ、その初心者時代を生き延びられるハンターや傭兵は半分くらいらしいのだけど。
「職人さんが一部なのは、やはり職人街から少し離れているからですか?」
「いえ、職人さんたちの場合は、工房に大体下働きの人がいますから。ほとんど外食しませんので」
ある程度以上稼いで、食事は外食っていうハンターや傭兵のスタイルだとこういう少し高いけど美味しいものが食べられる店はマッチするのね。
さて、美味しいご飯でお腹いっぱいになったし、そろそろかしらね。あたしが瑶さんに視線を送ると、瑶さんがにっこりと笑顔を返してくれたわ。
「じゃあ、朝未そろそろ行こうか」
あたしは頷いて瑶さんの後ろから店をでた。
「ね、瑶さん。職人街を見に行くのはどうかしら?」
「ん、バラドウヴバゼ商店の後で言っていた木工職人かい?」
「ええ、もし見つかれば」
「うーん、見て回ること自体は良いけど、注文とかはミーガンさんに相談してからが良いと思うよ。現代日本のショッピング街と違って色々並んでいる物を眺めて選ぶってわけじゃないみたいだし」
「う、それは。そうね」
「でも、まあ、どんな職業があるのか見て回るくらいならいいかもしれないね」
「う、うん。そうよね。そういうのを知るのも大事よね」
そういうことで、あたし達は職人街を見て回っているのだけど……。
「ねえ、瑶さん。同じような建物が並んでいるだけに見えるのは気のせいかしら?」
「あー、ある程度は予想していたけど、ここまでとは思わなかったな」
「え、瑶さん、この状態を予想してたの?」
「そりゃ、言ってしまえば、日本で言えば工業地帯みたいなもんだしね。それもオートメーション化された近代的な工場じゃなく、下町の町工場の集まりに近いから見た目より機能優先の建物になるのは予想できるし。特にこの世界の文明レベルならこんな感じかなって。それでも聞こえてくる音である程度職業は予想できるかな」
「音、ですか?」
「そう、耳をすませてごらん。特徴的な作業音が聞こえるから」
瑶さんに言われて耳を澄ませてみれば、確かに色々な音が聞こえてくるわね。
遠くから聞こえてくるのは”カーン、カーン、カーン”と甲高い音、金属同士をぶつけているような音ね。近くからは”カツ、カツ、カツ”と少し柔らかいものがぶつかるような音。その後ろからは”シュッ、シュッ、カタン”何かがこすれる他跡で堅めの木がぶつかるような音が聞こえて来たわ。あ、今度は”カツ、カツ、カツ、シュシュシュー、ザリザリ”何かを削っているような感じの音ね。
「聞こえたかい?」
「ええ、色々な音がしますね」
「音から、どんなことしているか想像してみてごらん」
「え?想像ですか?」
音から想像って難しいわね。でも瑶さんが言うなら……。
「多分遠くから聞こえる金属同士をぶつけるような音は鍛冶ですか?」
「うん、ある意味一番分かりやすいね。そして音も大きいから居住区から遠い位置に集まっているのも予想出来るね。他にも、先日アリアネさんのところでは独特の臭いもあったの覚えてるかい?」
「ああ、そういえば皮を鞣すときの薬品のにおいだって言ってましたね」
「そういうのを総合して考えれば、多分そこの建物は木工職人の工房かな?向こうにあるのは多分機織りの工房だと思うよ」
言われてみれば、そうかなって思うけど。
「見た目じゃわかりませんね」
「分かっても、どこの工房が目的にあっているかは分からないしね。素直にミーガンさんに紹介してもらうのがいいね」
「はーい」
「美味しくてびっくりしました。こんな料理あったんですね。これ今回は彼らのおごりになってましたけど、自前でで食べたらおいくらなんですか?」
「ふふ、1人前1200スクルドよ。ちょっとお高いけど、それだけの価値はあると思っているわ。まあ客層がハンターや傭兵、それに一部の職人だから設定できるお値段ですけどね」
飲食店街の屋台で出されている食事が一人前100から200スクルドだったのと比べるととんでもなく高いわ。
この世界の賃金はどうも能力によって大きく違うみたいなのよね。現代日本みたいな労働者保護なんて何もなくて、力も技術も何もない一般人だと単純労働しかなくて日給1000から2000スクルドくらいみたい。これが鍛冶師や細工師のような手に職みたいな人たちだと一気に上がって助手的な人たちでも1万スクルドとか3万スクルドとかもらえるらしいのよね。そこで親方になればさらにドンかしらね。
ただそういった技能職は親方に弟子入りして最初は衣食住こそ保証されるけどそのかわり無給みたいな状態で何年も頑張ってようやくだってことを聞いたわ。そもそもその弟子入れだってほとんど縁故だっていうし。簡単じゃないわね。
そういう中で、ハンターや傭兵は初心者時代こそギリギリの生活になるけど、そこを抜ければそれなりに稼げるし、体つくりの基本だからと割と食にお金を多く回す人が多いそうなの。だから ハンターや傭兵向けの酒場では一般向けでは出せないような料理が出せるんだって。まあ、その初心者時代を生き延びられるハンターや傭兵は半分くらいらしいのだけど。
「職人さんが一部なのは、やはり職人街から少し離れているからですか?」
「いえ、職人さんたちの場合は、工房に大体下働きの人がいますから。ほとんど外食しませんので」
ある程度以上稼いで、食事は外食っていうハンターや傭兵のスタイルだとこういう少し高いけど美味しいものが食べられる店はマッチするのね。
さて、美味しいご飯でお腹いっぱいになったし、そろそろかしらね。あたしが瑶さんに視線を送ると、瑶さんがにっこりと笑顔を返してくれたわ。
「じゃあ、朝未そろそろ行こうか」
あたしは頷いて瑶さんの後ろから店をでた。
「ね、瑶さん。職人街を見に行くのはどうかしら?」
「ん、バラドウヴバゼ商店の後で言っていた木工職人かい?」
「ええ、もし見つかれば」
「うーん、見て回ること自体は良いけど、注文とかはミーガンさんに相談してからが良いと思うよ。現代日本のショッピング街と違って色々並んでいる物を眺めて選ぶってわけじゃないみたいだし」
「う、それは。そうね」
「でも、まあ、どんな職業があるのか見て回るくらいならいいかもしれないね」
「う、うん。そうよね。そういうのを知るのも大事よね」
そういうことで、あたし達は職人街を見て回っているのだけど……。
「ねえ、瑶さん。同じような建物が並んでいるだけに見えるのは気のせいかしら?」
「あー、ある程度は予想していたけど、ここまでとは思わなかったな」
「え、瑶さん、この状態を予想してたの?」
「そりゃ、言ってしまえば、日本で言えば工業地帯みたいなもんだしね。それもオートメーション化された近代的な工場じゃなく、下町の町工場の集まりに近いから見た目より機能優先の建物になるのは予想できるし。特にこの世界の文明レベルならこんな感じかなって。それでも聞こえてくる音である程度職業は予想できるかな」
「音、ですか?」
「そう、耳をすませてごらん。特徴的な作業音が聞こえるから」
瑶さんに言われて耳を澄ませてみれば、確かに色々な音が聞こえてくるわね。
遠くから聞こえてくるのは”カーン、カーン、カーン”と甲高い音、金属同士をぶつけているような音ね。近くからは”カツ、カツ、カツ”と少し柔らかいものがぶつかるような音。その後ろからは”シュッ、シュッ、カタン”何かがこすれる他跡で堅めの木がぶつかるような音が聞こえて来たわ。あ、今度は”カツ、カツ、カツ、シュシュシュー、ザリザリ”何かを削っているような感じの音ね。
「聞こえたかい?」
「ええ、色々な音がしますね」
「音から、どんなことしているか想像してみてごらん」
「え?想像ですか?」
音から想像って難しいわね。でも瑶さんが言うなら……。
「多分遠くから聞こえる金属同士をぶつけるような音は鍛冶ですか?」
「うん、ある意味一番分かりやすいね。そして音も大きいから居住区から遠い位置に集まっているのも予想出来るね。他にも、先日アリアネさんのところでは独特の臭いもあったの覚えてるかい?」
「ああ、そういえば皮を鞣すときの薬品のにおいだって言ってましたね」
「そういうのを総合して考えれば、多分そこの建物は木工職人の工房かな?向こうにあるのは多分機織りの工房だと思うよ」
言われてみれば、そうかなって思うけど。
「見た目じゃわかりませんね」
「分かっても、どこの工房が目的にあっているかは分からないしね。素直にミーガンさんに紹介してもらうのがいいね」
「はーい」
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