JC聖女とおっさん勇者(?)

景空

文字の大きさ
69 / 155
ギルドからの依頼

第69話 いつでもキレイ?

しおりを挟む
「ね、瑶さん。結局瑶さんが気になることって何だったんですか?」

あの話の後、3日かけてあたしはホーリーに込める魔力の感覚を掴む練習をしたのだけど、その間瑶さんは中庭でずっと剣を振っていたのよね。何が気になってなんの検証をしていたのかしら。

「ん、まあ大したことじゃない。いや、大したこと、なのかな?やってたのは剣の素振りと、汗をかいた時にクリーンを掛けただけなんだよ。ひょっとすると朝未も薄々気づいているかもしれないけど」

ああ、クリーンの件ね。あたしもおかしいとは思っていたのよね。だからそっと頷いたの。

「私達って狩場を出てすぐクリーン掛けると効果あるけど、ハンターギルドでアレッシアさんにお試しで掛けてもらった時には効果が感じられなかったよね」
「ええ、あれは不思議でしたね」
「あれについて少し仮説を立ててね。実証実験的なことをしてたんだよ」

実証実験?瑶さん、いったいどんな仮説にどんな実験を、いえ、実験は剣の素振りをしてクリーンを掛けることだったのよね。それがいったいどんな仮説の証明になるのかしら。

「それで、何かわかりましたか?」
「ああ、どうやら私達は、いや、今回は私だけでの実験だから、とりあえずは私個人についてか。私は、クリーンを必要としないみたいだね。そして、今までの経緯からすると朝未もおそらくクリーンを必要としない」

それは、あたしもなんとなく感じていたけど、瑶さんは理由もわかったのかしら。

「それはどういう事なの?」
「うーん、実験の結果なんだけどね。ちょっと汚い話もあるけど聞くかい?」
「え?汚いんですか?うーん、でも手加減してくれるのなら聞きます」

瑶さん、ちょっと考え込んだわね。視線もあちこちに泳いでるし、そんなに難しいのかしら。

「まあ、簡単に言えば、やったことは剣の素振りをすれば汗をかくよね。そこで色々なタイミングでクリーンを掛けてみたのが1つめね。これで分かったのは元の世界なら汗をかいて時間が経つと汗臭さが増すのが、時間がたつとむしろきれいになっていったんだよ」
「え?それって洗濯いらずで便利では?」
「ただまあ、このあたり少しは予想してたけどね。ほら最初の1カ月、川にそってくだってきてたから水はあったから色々水洗いこそしたけど、洗剤無しだったのに不快じゃなかったよね。あの頃は涼しい季節だからかなって思っていたけど……」
「実は自然にきれいになっていた?」
「そう、それに考えてみれば水洗いだけの割に服に染みとか残らなかったなとも今になれば不思議じゃないかな?」
「言われてみればあの1か月、服は水洗いだけ、身体も、その、瑶さんに周りを警戒してもらいながら短時間の水浴びだけだったのに不快感なかったですね。でも、そのくらいの実験なら別に汚いってことはないでしょ」

水は冷たかったし、周りに襲ってくる動物とかいたからゆっくり綺麗になんてとてもできなかったのよね。瑶さんは覗かないって思っていても、やっぱり恥ずかしかったし……。

「それで、念のためっていうか追加の実験がちょっと汚いんだよね。聞きたい?」

あら?瑶さん、そんな遠慮するような仲じゃなくなっていると思うのだけど。それでも程度問題かしらね。

「うーん、中途半端に聞いたままだと気になるので聞きたいですけど、あまり聞くに堪えないとこまで言ったらあたしがストップ掛けるっていうのでどうでしょう?」
「わかった」

あたしの提案に瑶さんが頷いて、ちょっと考えをまとめるように目を瞑ってから口を開いた。

「さっきも言ったけど、剣の素振りをすれば汗をかく。でその時に着ていたシャツを脱いで置いておいた。で30分毎くらいに汗を吸ったシャツを脱いで並べていったんだ」

瑶さんは、そこまで言ってあたしの様子を伺っているわね。まあ確かにちょっと汚い話ではあるけど、まだ許容範囲内かしら。

「瑶さん。まだギリ大丈夫ですよ」
「そうか。まああとは、にお……汚れ具合を確認しながら時間経過したものにクリーンを掛けていっただけだね」
「で、どうだったんですか?」
「まあ、時間が経ったものは普通に汚かったね。それにクリーンを掛ければスッキリとキレイになる感じだったよ」
「つまり?」
「まあ簡単に言えば、私達が身に着けた状態なら衣服も一時的に汚れはしても、キレイになるって感じかな。あとはどの程度にまで影響が及ぶか、だけど。まあ服以外は良いよねべつに」
「えーと、結論としては、あたしたちはお風呂に入らなくても清潔で良いね(はーと)ってこと?」

あら?ちょっと難しい顔になったわね。

「まあ、現象としてはそうなんだけどね。原因がちょっと……。一応仮説は立ててみたんだけど。嫌な仮説になったんだよ」

あたしも、ある程度予想してるのよねえ。

「あたしの予想だと、クリーンってホーリーの超下位互換なんじゃないかって思ってるんです。だから汚れみたいなものを邪なるものとして浄化してるんじゃないかと思ってるんです」
「ああ、朝未もそういう予想になったんだね。そうなると魔法を使わないでもクリーンを使っている状態って事かな」
「そういえば、エルリックに入るときにミーガンさんが言っていた神威ってあったじゃないですか。あれが関係しているのかもしれないって感じませんか?」
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

【完結】おじいちゃんは元勇者

三園 七詩
ファンタジー
元勇者のおじいさんに拾われた子供の話… 親に捨てられ、周りからも見放され生きる事をあきらめた子供の前に国から追放された元勇者のおじいさんが現れる。 エイトを息子のように可愛がり…いつしか子供は強くなり過ぎてしまっていた…

僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた

黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。 その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。 曖昧なのには理由があった。 『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。 どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。 ※小説家になろうにも随時転載中。 レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。 それでも皆はレンが勇者だと思っていた。 突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。 はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。 ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。 ※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。

神々の間では異世界転移がブームらしいです。

はぐれメタボ
ファンタジー
第1部《漆黒の少女》 楠木 優香は神様によって異世界に送られる事になった。 理由は『最近流行ってるから』 数々のチートを手にした優香は、ユウと名を変えて、薬師兼冒険者として異世界で生きる事を決める。 優しくて単純な少女の異世界冒険譚。 第2部 《精霊の紋章》 ユウの冒険の裏で、田舎の少年エリオは多くの仲間と共に、世界の命運を掛けた戦いに身を投じて行く事になる。 それは、英雄に憧れた少年の英雄譚。 第3部 《交錯する戦場》 各国が手を結び結成された人類連合と邪神を奉じる魔王に率いられた魔族軍による戦争が始まった。 人間と魔族、様々な意思と策謀が交錯する群像劇。 第4部 《新たなる神話》 戦争が終結し、邪神の討伐を残すのみとなった。 連合からの依頼を受けたユウは、援軍を率いて勇者の後を追い邪神の神殿を目指す。 それは、この世界で最も新しい神話。

召喚聖女に嫌われた召喚娘

ざっく
恋愛
闇に引きずり込まれてやってきた異世界。しかし、一緒に来た見覚えのない女の子が聖女だと言われ、亜優は放置される。それに文句を言えば、聖女に悲しげにされて、その場の全員に嫌われてしまう。 どうにか、仕事を探し出したものの、聖女に嫌われた娘として、亜優は魔物が闊歩するという森に捨てられてしまった。そこで出会った人に助けられて、亜優は安全な場所に帰る。

石塔に幽閉って、私、石の聖女ですけど

ハツカ
恋愛
私はある日、王子から役立たずだからと、石塔に閉じ込められた。 でも私は石の聖女。 石でできた塔に閉じ込められても何も困らない。 幼馴染の従者も一緒だし。

どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜

サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。 〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。 だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。 〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。 危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。 『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』 いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。 すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。 これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。

処理中です...