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力をつけるために
第117話 新装備
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「マルティナさん。マルティナさんも武器に魔力を纏わせる練習しましょう」
「え?アサミ様、わたしは聖属性に適正ありませんが……」
「シャドウやレイスみたいな非実体のアンデッドには聖属性が必要ですけど、実体のアンデッドそれこそ普通の魔物や魔獣には物理攻撃が有効ですし、それに動物には聖属性は必要ないですよね」
「はあ、そうですけど」
「で、武器に魔力を纏わせるとタダの木剣でもこんなふうに」
あたしは木剣に魔力を纏わせ薪を切って見せた。
「え?」
「ね、魔力を纏わせるとタダの木剣でもこんな切れ味と丈夫さになるの。これを本物の武器や防具に纏わせたら1ランクも2ランクも上の武器や防具と同じになると思わない?」
「でも、わたしは魔力というものを感じることが出来ないんです」
「そこは、あたしにまかせて。多分大丈夫だから」
「はあ、まあやってみます」
そう言って槍を持ち出したマルティナさんの後ろから抱きつくようにして腕を回しあたしはマルティナさんの手に手を重ねる。
「あ、あのアサミ様、何をされるのですか?」
あら?なぜかマルティナさんが耳まで真っ赤になっているわね。
「何って、魔力を纏わせる練習をするんでしょ。こうすればコツみたいなものを伝えられると思うから。瑶さんで実績もあるんですよ」
「そうなんですね。でも、出来れば先に言っていただけると心の準備が出来るので……」
「ごめんなさいね。次からは気を付けますね。それで魔力を纏わせるにはこんなふうにするんです」
「あ、何かほわっとした感じがします」
「うん、それが魔力です。その動きを感じて覚えてください」
そうして、何度かマルティナさんの手を通して槍に魔力を纏わせていると、マルティナさんもなんとなく分かったようで自分で魔力を動かし始めた。マルティナさんの動かす魔力を少しずつ誘導してやり方を伝えていく。
「アサミ様、なんとなく分かった気がします。しばらく自分でやってみます」
「うん、マルティナさんならきっと出来るようになるから、頑張ってみてね」
マルティナさんに槍への魔力の纏わせ方を教え始めて4日。マルティナさんは、あたしの補助なしでも何となく魔力を纏わせることが出来るようになってきた。そこに瑶さんが声を掛けてきたの。
「マルティナさんも武器へ魔力を纏わせることができてきているし、そろそろ防具も出来ている頃だしグライナーに行こうか」
瑶さんはマルティナさんが槍に魔力を纏わせられるようになるのを待っていてくれたみたいね。
今回はグライナーまでの街道で襲われることもなく順調に到着できた。到着した時間も昼前だったので早速武器屋に向かう。
「アルベルトさん、防具は出来てるかい」
「おう、あんたらか。2日前に出来てきたとこさ。まずは試着してみな」
瑶さんの言葉に軽く返事をしてくれたアルベルトさんだったけど、あたしを見てちょっと首を傾げている。
「嬢ちゃん、あんたエンチャントしてるだろ?」
「え?エンチャント?」
あたしは確かに最近は探知魔法と一緒に防具に常時魔力を通すようにしているけど、わかるの?そしてだいぶ安定してきたので実は次の段階を考えている。
「なんでわかるかって顔だな。ポンチョの陰からチラリと見えたチェインメイルが独特の光を帯びていたから気づいたんだよ」
「ああ、見る人が見ればわかる感じですか?」
「まあ、そうだな。それでもあの程度なら晴れた日の昼間屋外でならほとんど気づかないかもしれんが。それはそうとこれらを注文に来た時には使ってなかったよな」
「あれから覚えました」
「は?あれから?こんな短期間で?あの時までもずっと練習していて最近出来るようになったのではなく?」
「はい、あのあとクリフに戻ってから練習して出来るようになりました。最初は武器だけだったんですけど、今は防具にも同時に出来るようになったんですよ」
「いや、武器にだけエンチャントできるようになるのだって普通は高位の魔法使いが年単位の修練をしてやっとなんだが」
「でも、武器だけならうちのパーティーメンバー他の2人もあれからの練習で出来るようになりましたよ」
あ、アルベルトさんが口をパクパクさせて声もないみたいね。
「エンチャント出来るハンターならもっと、あ、いや予算がネックか……」
気を取り直したアルベルトさん、何か独り言を口にしてるけど予算は有限だから高い武器は欲しくても買えないからね。
そんな中でも瑶さんとマルティナさんが防具の試着を進め問題が無いことを確認していた。
「さ、あとは嬢ちゃんだ」
衝立の裏側で今までつけていた防具を脱ぎ、新しいものに着替える。そうすると今までの防具がかなり小さくなっていたことに改めて気付いた。半年前にかなり大きめにエルリックで作った防具がこれほど小さくなるほど身体が大きくなっていたことには驚いたわね。今回も大きめに作ってもらったので、あちこちにサイズ調整のベルトがあるので、それを締めてサイズを合わせる。こんなものかしらね。鏡なんてものは無いので自分で適当に調整して表に出る。
「ふむ、ちょっとこっちに来な」
アルベルトさんに呼ばれていくと、いくつかのベルトを調整してくれた。さらにフィット感が良くなったわね。
「どうだ?」
「ええ、動きやすいですね。特別に負担のかかる感じも無いです」
ついでに魔力を通してみる。
「え?」
思わず声が出ちゃったわ。ものすごく魔力が通りやすい。
「驚いたな。そんな簡単にエンチャントできるのか」
「凄く魔力がなじみます。瑶さんもマルティナさんも試してみると良いと思いますよ」
あたしが呼びかけると、2人の防具がふわりとわずかに光を帯びる。ふたりとも驚いた顔をしているわね。
「これは凄いな。これなら武器と防具両方同時に魔力を込められる」
「わたしもこれほど簡単に魔力を込められるのなら少し練習をすればできるようになりそうです」
でも、ふたりより驚いている人がいたわ。
「な、なんだ。3人が3人ともエンチャントできるとは。ひょっとして実は3人とも高位の魔法使いなのか?」
「え?アサミ様、わたしは聖属性に適正ありませんが……」
「シャドウやレイスみたいな非実体のアンデッドには聖属性が必要ですけど、実体のアンデッドそれこそ普通の魔物や魔獣には物理攻撃が有効ですし、それに動物には聖属性は必要ないですよね」
「はあ、そうですけど」
「で、武器に魔力を纏わせるとタダの木剣でもこんなふうに」
あたしは木剣に魔力を纏わせ薪を切って見せた。
「え?」
「ね、魔力を纏わせるとタダの木剣でもこんな切れ味と丈夫さになるの。これを本物の武器や防具に纏わせたら1ランクも2ランクも上の武器や防具と同じになると思わない?」
「でも、わたしは魔力というものを感じることが出来ないんです」
「そこは、あたしにまかせて。多分大丈夫だから」
「はあ、まあやってみます」
そう言って槍を持ち出したマルティナさんの後ろから抱きつくようにして腕を回しあたしはマルティナさんの手に手を重ねる。
「あ、あのアサミ様、何をされるのですか?」
あら?なぜかマルティナさんが耳まで真っ赤になっているわね。
「何って、魔力を纏わせる練習をするんでしょ。こうすればコツみたいなものを伝えられると思うから。瑶さんで実績もあるんですよ」
「そうなんですね。でも、出来れば先に言っていただけると心の準備が出来るので……」
「ごめんなさいね。次からは気を付けますね。それで魔力を纏わせるにはこんなふうにするんです」
「あ、何かほわっとした感じがします」
「うん、それが魔力です。その動きを感じて覚えてください」
そうして、何度かマルティナさんの手を通して槍に魔力を纏わせていると、マルティナさんもなんとなく分かったようで自分で魔力を動かし始めた。マルティナさんの動かす魔力を少しずつ誘導してやり方を伝えていく。
「アサミ様、なんとなく分かった気がします。しばらく自分でやってみます」
「うん、マルティナさんならきっと出来るようになるから、頑張ってみてね」
マルティナさんに槍への魔力の纏わせ方を教え始めて4日。マルティナさんは、あたしの補助なしでも何となく魔力を纏わせることが出来るようになってきた。そこに瑶さんが声を掛けてきたの。
「マルティナさんも武器へ魔力を纏わせることができてきているし、そろそろ防具も出来ている頃だしグライナーに行こうか」
瑶さんはマルティナさんが槍に魔力を纏わせられるようになるのを待っていてくれたみたいね。
今回はグライナーまでの街道で襲われることもなく順調に到着できた。到着した時間も昼前だったので早速武器屋に向かう。
「アルベルトさん、防具は出来てるかい」
「おう、あんたらか。2日前に出来てきたとこさ。まずは試着してみな」
瑶さんの言葉に軽く返事をしてくれたアルベルトさんだったけど、あたしを見てちょっと首を傾げている。
「嬢ちゃん、あんたエンチャントしてるだろ?」
「え?エンチャント?」
あたしは確かに最近は探知魔法と一緒に防具に常時魔力を通すようにしているけど、わかるの?そしてだいぶ安定してきたので実は次の段階を考えている。
「なんでわかるかって顔だな。ポンチョの陰からチラリと見えたチェインメイルが独特の光を帯びていたから気づいたんだよ」
「ああ、見る人が見ればわかる感じですか?」
「まあ、そうだな。それでもあの程度なら晴れた日の昼間屋外でならほとんど気づかないかもしれんが。それはそうとこれらを注文に来た時には使ってなかったよな」
「あれから覚えました」
「は?あれから?こんな短期間で?あの時までもずっと練習していて最近出来るようになったのではなく?」
「はい、あのあとクリフに戻ってから練習して出来るようになりました。最初は武器だけだったんですけど、今は防具にも同時に出来るようになったんですよ」
「いや、武器にだけエンチャントできるようになるのだって普通は高位の魔法使いが年単位の修練をしてやっとなんだが」
「でも、武器だけならうちのパーティーメンバー他の2人もあれからの練習で出来るようになりましたよ」
あ、アルベルトさんが口をパクパクさせて声もないみたいね。
「エンチャント出来るハンターならもっと、あ、いや予算がネックか……」
気を取り直したアルベルトさん、何か独り言を口にしてるけど予算は有限だから高い武器は欲しくても買えないからね。
そんな中でも瑶さんとマルティナさんが防具の試着を進め問題が無いことを確認していた。
「さ、あとは嬢ちゃんだ」
衝立の裏側で今までつけていた防具を脱ぎ、新しいものに着替える。そうすると今までの防具がかなり小さくなっていたことに改めて気付いた。半年前にかなり大きめにエルリックで作った防具がこれほど小さくなるほど身体が大きくなっていたことには驚いたわね。今回も大きめに作ってもらったので、あちこちにサイズ調整のベルトがあるので、それを締めてサイズを合わせる。こんなものかしらね。鏡なんてものは無いので自分で適当に調整して表に出る。
「ふむ、ちょっとこっちに来な」
アルベルトさんに呼ばれていくと、いくつかのベルトを調整してくれた。さらにフィット感が良くなったわね。
「どうだ?」
「ええ、動きやすいですね。特別に負担のかかる感じも無いです」
ついでに魔力を通してみる。
「え?」
思わず声が出ちゃったわ。ものすごく魔力が通りやすい。
「驚いたな。そんな簡単にエンチャントできるのか」
「凄く魔力がなじみます。瑶さんもマルティナさんも試してみると良いと思いますよ」
あたしが呼びかけると、2人の防具がふわりとわずかに光を帯びる。ふたりとも驚いた顔をしているわね。
「これは凄いな。これなら武器と防具両方同時に魔力を込められる」
「わたしもこれほど簡単に魔力を込められるのなら少し練習をすればできるようになりそうです」
でも、ふたりより驚いている人がいたわ。
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