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力をつけるために
第121話 エンチャント効果
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翌日から、あたし達は北の森の浅いエリアでの探索をすすめた。ターゲットは主にゴブリンやオークで、出てくればゾンビやスケルトンも殲滅して回った。それでも10日も探索をすすめると探索エリアが少し奥になってきているのよね。
「大分奥まで探索が進んだね。ハンターギルドの情報だと、そろそろシャドウが出てくるエリアのはず。シャドウが出た時は朝未、頼むよ」
「はい、でも余裕があったら瑶さんの魔力を纏わせた剣でも切ってみてくださいね。多分ダメージを与えられると思うので」
「うーん、朝未の言う事も分からないじゃないけど、私の魔力の聖属性って朝未に比べたら微々たるものな気がするんだよね」
「いえ、多分あたしの予想が正しければ発現の仕方の違いだけで同じくらいだと思うんですよね」
「うん?まあ、実際のところ強い魔物が出てくる前に一度は試しておいた方が良いかな」
「ええ。それとマルティナさん。あたしの手を離れた状態でも1戦するくらいの時間は魔力を保持できるようになってきてるのでアンデッドが出た時には一度マルティナさんの槍にあたしが魔力を纏わせますね。余裕があったら、切れる都度魔力を纏わせるようにします」
「はい、その時はお願いします」
今あたし達は、北の森の入り口近くを歩いているのだけど、魔物の陰がない。あたしの探知魔法の端に少し反応があるだけなのよね。
「随分と魔物が減りましたね」
「さすがに、あの勢いで狩って減らなかったらちょっとね」
マルティナさんと瑶さんは森の様子を見て少しホッとしているみたい。そりゃそうよね、いくら狩っても溢れてくるほど魔物がいたらちょっと怖いわ。
「さて、パオラさん情報だと、そろそろ少し強い魔物が出るはずのエリアなわけだけど。朝未、探知の方はどうかな?」
「そうですね、一番近いのは右奥の方に小さめの群れの反応があります。今までのエリアの魔物より少し強そうなはんのうですね」
「ふむ、アンデッドかどうかはわかるかな?」
「すみません。まだそこまでわからないです。マナセンスでたまに違いが感じられることがあるので、慣れたら知ってる魔物はわかるようになるんじゃないかって思ってますけど……」
「マインドサーチで意思のようなものは?」
「今まで魔物からはあまりはっきりした意思を感じられないので差がわからないんです。人間相手だとかなりはっきりした感情というか意思を感じられるんですけど」
「魔物は、ある程度組織的な戦い方をすると聞いていたし、実際に戦っても拙いながら作戦のようなものも感じられるのにマインドサーチでは意思を感じられない?」
「今のところは、ですけどね」
「わからないものは仕方ないね。とりあえず朝未の探知でわかる範囲で魔物の配置を説明してもらえるかな」
「じゃあ、まずはこの他と少し離れている群れを相手にひと当てして強さを確認しよう。その後は楽に斃せそうならこのルートで、多少でも手こずるなら、こっちのルートで、アンデッド戦については……」
瑶さんがいくつも想定される状況に応じた探索ルートと作戦を話してくれる。こういうところ瑶さん頼りになるのよね。
最初に向かったのは瑶さんが指摘したように他の群れと少し離れている15体くらいの群。
「アンデッドですね」
いつものように、目視できるギリギリで観察すると、アンデッドの群だった。
「種類はわかるかな?」
「ゾンビ?いや、もう少し強そうだから、あれがグール?が7体、剣と盾を持ってるスケルトンてことはスケルトンナイトですかね、が6体。ふよふよと浮いているのは、初めて見ますけどあれがシャドウでしょうか。2体で、合計15体ですね」
あたし達3人の中では、あたしが一番目が良いのでこういうのは以前からあたしの役目。地面に相手の配置状態を描いてみせるのは最近になってからだけどね。
「こんな感じになってます。割と集合してるのでホーリーでまとめてダメージ与えるのも有効だと思います」
「それは、そうだろうけど、今回は全体に対してはやめておこうか。ホーリーはこのグールの塊にだけで、あとは私達の剣がどの程度通じるかを確認のために剣で戦おう」
「はい、じゃあ、まずはグールとスケルトンナイトを斃して、シャドウは出来れば1体残す感じですね。で、最後に瑶さんがシャドウを切ってみるということで。マルティナさんの剣には最初あたしが魔力を纏わせますね」
そして、補助魔法を掛けなおす。森に入るときには基本的に補助魔法を掛けているけど、戦闘前には掛けなおすの。
準備が終わったところで、相手が反応しない範囲で近づく。
「じゃあ、いきます。ホーリー」
あたしはアンデッド集団の一番グールの多い範囲にホーリーを発動させた。すぐに瑶さんとマルティナさんがダッシュで近づき魔力を纏わせた剣で切りつける。
「わーお、このあたりでも鎧袖一触ね」
サクサクと倒していく2人の後ろからあたしもフォローにはいった。でもほとんど瑶さんとマルティナさんが倒しちゃったわね。あとは、そうシャドウ。本当は1体だけ残すつもりだったのだけど、あまりに殲滅が速かったので2体とも残っているのよね。なら丁度いいわ。
「瑶さん、右側のシャドウを。マルティナさんは左側のシャドウを攻撃してみてください」
せっかくならあたしが魔力を纏わせて保持しているマルティナさんの槍の効果も見たいものね。
結果は、
「あっさり斃せました。アサミ様のエンチャント凄いです。
「私もまさか、自分の魔力がここまで効果あるとは思わなかったね」
という、瑶さんとマルティナさんの言葉どおり2人とも1撃で斃せたのよね。
「これなら、かなり安心してこの辺りも狩れそうですね」
「大分奥まで探索が進んだね。ハンターギルドの情報だと、そろそろシャドウが出てくるエリアのはず。シャドウが出た時は朝未、頼むよ」
「はい、でも余裕があったら瑶さんの魔力を纏わせた剣でも切ってみてくださいね。多分ダメージを与えられると思うので」
「うーん、朝未の言う事も分からないじゃないけど、私の魔力の聖属性って朝未に比べたら微々たるものな気がするんだよね」
「いえ、多分あたしの予想が正しければ発現の仕方の違いだけで同じくらいだと思うんですよね」
「うん?まあ、実際のところ強い魔物が出てくる前に一度は試しておいた方が良いかな」
「ええ。それとマルティナさん。あたしの手を離れた状態でも1戦するくらいの時間は魔力を保持できるようになってきてるのでアンデッドが出た時には一度マルティナさんの槍にあたしが魔力を纏わせますね。余裕があったら、切れる都度魔力を纏わせるようにします」
「はい、その時はお願いします」
今あたし達は、北の森の入り口近くを歩いているのだけど、魔物の陰がない。あたしの探知魔法の端に少し反応があるだけなのよね。
「随分と魔物が減りましたね」
「さすがに、あの勢いで狩って減らなかったらちょっとね」
マルティナさんと瑶さんは森の様子を見て少しホッとしているみたい。そりゃそうよね、いくら狩っても溢れてくるほど魔物がいたらちょっと怖いわ。
「さて、パオラさん情報だと、そろそろ少し強い魔物が出るはずのエリアなわけだけど。朝未、探知の方はどうかな?」
「そうですね、一番近いのは右奥の方に小さめの群れの反応があります。今までのエリアの魔物より少し強そうなはんのうですね」
「ふむ、アンデッドかどうかはわかるかな?」
「すみません。まだそこまでわからないです。マナセンスでたまに違いが感じられることがあるので、慣れたら知ってる魔物はわかるようになるんじゃないかって思ってますけど……」
「マインドサーチで意思のようなものは?」
「今まで魔物からはあまりはっきりした意思を感じられないので差がわからないんです。人間相手だとかなりはっきりした感情というか意思を感じられるんですけど」
「魔物は、ある程度組織的な戦い方をすると聞いていたし、実際に戦っても拙いながら作戦のようなものも感じられるのにマインドサーチでは意思を感じられない?」
「今のところは、ですけどね」
「わからないものは仕方ないね。とりあえず朝未の探知でわかる範囲で魔物の配置を説明してもらえるかな」
「じゃあ、まずはこの他と少し離れている群れを相手にひと当てして強さを確認しよう。その後は楽に斃せそうならこのルートで、多少でも手こずるなら、こっちのルートで、アンデッド戦については……」
瑶さんがいくつも想定される状況に応じた探索ルートと作戦を話してくれる。こういうところ瑶さん頼りになるのよね。
最初に向かったのは瑶さんが指摘したように他の群れと少し離れている15体くらいの群。
「アンデッドですね」
いつものように、目視できるギリギリで観察すると、アンデッドの群だった。
「種類はわかるかな?」
「ゾンビ?いや、もう少し強そうだから、あれがグール?が7体、剣と盾を持ってるスケルトンてことはスケルトンナイトですかね、が6体。ふよふよと浮いているのは、初めて見ますけどあれがシャドウでしょうか。2体で、合計15体ですね」
あたし達3人の中では、あたしが一番目が良いのでこういうのは以前からあたしの役目。地面に相手の配置状態を描いてみせるのは最近になってからだけどね。
「こんな感じになってます。割と集合してるのでホーリーでまとめてダメージ与えるのも有効だと思います」
「それは、そうだろうけど、今回は全体に対してはやめておこうか。ホーリーはこのグールの塊にだけで、あとは私達の剣がどの程度通じるかを確認のために剣で戦おう」
「はい、じゃあ、まずはグールとスケルトンナイトを斃して、シャドウは出来れば1体残す感じですね。で、最後に瑶さんがシャドウを切ってみるということで。マルティナさんの剣には最初あたしが魔力を纏わせますね」
そして、補助魔法を掛けなおす。森に入るときには基本的に補助魔法を掛けているけど、戦闘前には掛けなおすの。
準備が終わったところで、相手が反応しない範囲で近づく。
「じゃあ、いきます。ホーリー」
あたしはアンデッド集団の一番グールの多い範囲にホーリーを発動させた。すぐに瑶さんとマルティナさんがダッシュで近づき魔力を纏わせた剣で切りつける。
「わーお、このあたりでも鎧袖一触ね」
サクサクと倒していく2人の後ろからあたしもフォローにはいった。でもほとんど瑶さんとマルティナさんが倒しちゃったわね。あとは、そうシャドウ。本当は1体だけ残すつもりだったのだけど、あまりに殲滅が速かったので2体とも残っているのよね。なら丁度いいわ。
「瑶さん、右側のシャドウを。マルティナさんは左側のシャドウを攻撃してみてください」
せっかくならあたしが魔力を纏わせて保持しているマルティナさんの槍の効果も見たいものね。
結果は、
「あっさり斃せました。アサミ様のエンチャント凄いです。
「私もまさか、自分の魔力がここまで効果あるとは思わなかったね」
という、瑶さんとマルティナさんの言葉どおり2人とも1撃で斃せたのよね。
「これなら、かなり安心してこの辺りも狩れそうですね」
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