JC聖女とおっさん勇者(?)

景空

文字の大きさ
121 / 155
力をつけるために

第121話 エンチャント効果

しおりを挟む
翌日から、あたし達は北の森の浅いエリアでの探索をすすめた。ターゲットは主にゴブリンやオークで、出てくればゾンビやスケルトンも殲滅して回った。それでも10日も探索をすすめると探索エリアが少し奥になってきているのよね。

「大分奥まで探索が進んだね。ハンターギルドの情報だと、そろそろシャドウが出てくるエリアのはず。シャドウが出た時は朝未、頼むよ」
「はい、でも余裕があったら瑶さんの魔力を纏わせた剣でも切ってみてくださいね。多分ダメージを与えられると思うので」
「うーん、朝未の言う事も分からないじゃないけど、私の魔力の聖属性って朝未に比べたら微々たるものな気がするんだよね」
「いえ、多分あたしの予想が正しければ発現の仕方の違いだけで同じくらいだと思うんですよね」
「うん?まあ、実際のところ強い魔物が出てくる前に一度は試しておいた方が良いかな」

「ええ。それとマルティナさん。あたしの手を離れた状態でも1戦するくらいの時間は魔力を保持できるようになってきてるのでアンデッドが出た時には一度マルティナさんの槍にあたしが魔力を纏わせますね。余裕があったら、切れる都度魔力を纏わせるようにします」
「はい、その時はお願いします」



今あたし達は、北の森の入り口近くを歩いているのだけど、魔物の陰がない。あたしの探知魔法の端に少し反応があるだけなのよね。

「随分と魔物が減りましたね」
「さすがに、あの勢いで狩って減らなかったらちょっとね」

マルティナさんと瑶さんは森の様子を見て少しホッとしているみたい。そりゃそうよね、いくら狩っても溢れてくるほど魔物がいたらちょっと怖いわ。


「さて、パオラさん情報だと、そろそろ少し強い魔物が出るはずのエリアなわけだけど。朝未、探知の方はどうかな?」
「そうですね、一番近いのは右奥の方に小さめの群れの反応があります。今までのエリアの魔物より少し強そうなはんのうですね」
「ふむ、アンデッドかどうかはわかるかな?」
「すみません。まだそこまでわからないです。マナセンスでたまに違いが感じられることがあるので、慣れたら知ってる魔物はわかるようになるんじゃないかって思ってますけど……」
「マインドサーチで意思のようなものは?」
「今まで魔物からはあまりはっきりした意思を感じられないので差がわからないんです。人間相手だとかなりはっきりした感情というか意思を感じられるんですけど」
「魔物は、ある程度組織的な戦い方をすると聞いていたし、実際に戦っても拙いながら作戦のようなものも感じられるのにマインドサーチでは意思を感じられない?」
「今のところは、ですけどね」
「わからないものは仕方ないね。とりあえず朝未の探知でわかる範囲で魔物の配置を説明してもらえるかな」


「じゃあ、まずはこの他と少し離れている群れを相手にひと当てして強さを確認しよう。その後は楽に斃せそうならこのルートで、多少でも手こずるなら、こっちのルートで、アンデッド戦については……」

瑶さんがいくつも想定される状況に応じた探索ルートと作戦を話してくれる。こういうところ瑶さん頼りになるのよね。


最初に向かったのは瑶さんが指摘したように他の群れと少し離れている15体くらいの群。

「アンデッドですね」

いつものように、目視できるギリギリで観察すると、アンデッドの群だった。

「種類はわかるかな?」
「ゾンビ?いや、もう少し強そうだから、あれがグール?が7体、剣と盾を持ってるスケルトンてことはスケルトンナイトですかね、が6体。ふよふよと浮いているのは、初めて見ますけどあれがシャドウでしょうか。2体で、合計15体ですね」

あたし達3人の中では、あたしが一番目が良いのでこういうのは以前からあたしの役目。地面に相手の配置状態を描いてみせるのは最近になってからだけどね。

「こんな感じになってます。割と集合してるのでホーリーでまとめてダメージ与えるのも有効だと思います」
「それは、そうだろうけど、今回は全体に対してはやめておこうか。ホーリーはこのグールの塊にだけで、あとは私達の剣がどの程度通じるかを確認のために剣で戦おう」
「はい、じゃあ、まずはグールとスケルトンナイトを斃して、シャドウは出来れば1体残す感じですね。で、最後に瑶さんがシャドウを切ってみるということで。マルティナさんの剣には最初あたしが魔力を纏わせますね」

そして、補助魔法を掛けなおす。森に入るときには基本的に補助魔法を掛けているけど、戦闘前には掛けなおすの。
準備が終わったところで、相手が反応しない範囲で近づく。

「じゃあ、いきます。ホーリー」

あたしはアンデッド集団の一番グールの多い範囲にホーリーを発動させた。すぐに瑶さんとマルティナさんがダッシュで近づき魔力を纏わせた剣で切りつける。

「わーお、このあたりでも鎧袖一触ね」

サクサクと倒していく2人の後ろからあたしもフォローにはいった。でもほとんど瑶さんとマルティナさんが倒しちゃったわね。あとは、そうシャドウ。本当は1体だけ残すつもりだったのだけど、あまりに殲滅が速かったので2体とも残っているのよね。なら丁度いいわ。

「瑶さん、右側のシャドウを。マルティナさんは左側のシャドウを攻撃してみてください」

せっかくならあたしが魔力を纏わせて保持しているマルティナさんの槍の効果も見たいものね。

結果は、

「あっさり斃せました。アサミ様のエンチャント凄いです。
「私もまさか、自分の魔力がここまで効果あるとは思わなかったね」

という、瑶さんとマルティナさんの言葉どおり2人とも1撃で斃せたのよね。

「これなら、かなり安心してこの辺りも狩れそうですね」
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

【完結】おじいちゃんは元勇者

三園 七詩
ファンタジー
元勇者のおじいさんに拾われた子供の話… 親に捨てられ、周りからも見放され生きる事をあきらめた子供の前に国から追放された元勇者のおじいさんが現れる。 エイトを息子のように可愛がり…いつしか子供は強くなり過ぎてしまっていた…

僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた

黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。 その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。 曖昧なのには理由があった。 『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。 どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。 ※小説家になろうにも随時転載中。 レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。 それでも皆はレンが勇者だと思っていた。 突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。 はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。 ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。 ※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。

神々の間では異世界転移がブームらしいです。

はぐれメタボ
ファンタジー
第1部《漆黒の少女》 楠木 優香は神様によって異世界に送られる事になった。 理由は『最近流行ってるから』 数々のチートを手にした優香は、ユウと名を変えて、薬師兼冒険者として異世界で生きる事を決める。 優しくて単純な少女の異世界冒険譚。 第2部 《精霊の紋章》 ユウの冒険の裏で、田舎の少年エリオは多くの仲間と共に、世界の命運を掛けた戦いに身を投じて行く事になる。 それは、英雄に憧れた少年の英雄譚。 第3部 《交錯する戦場》 各国が手を結び結成された人類連合と邪神を奉じる魔王に率いられた魔族軍による戦争が始まった。 人間と魔族、様々な意思と策謀が交錯する群像劇。 第4部 《新たなる神話》 戦争が終結し、邪神の討伐を残すのみとなった。 連合からの依頼を受けたユウは、援軍を率いて勇者の後を追い邪神の神殿を目指す。 それは、この世界で最も新しい神話。

召喚聖女に嫌われた召喚娘

ざっく
恋愛
闇に引きずり込まれてやってきた異世界。しかし、一緒に来た見覚えのない女の子が聖女だと言われ、亜優は放置される。それに文句を言えば、聖女に悲しげにされて、その場の全員に嫌われてしまう。 どうにか、仕事を探し出したものの、聖女に嫌われた娘として、亜優は魔物が闊歩するという森に捨てられてしまった。そこで出会った人に助けられて、亜優は安全な場所に帰る。

石塔に幽閉って、私、石の聖女ですけど

ハツカ
恋愛
私はある日、王子から役立たずだからと、石塔に閉じ込められた。 でも私は石の聖女。 石でできた塔に閉じ込められても何も困らない。 幼馴染の従者も一緒だし。

どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜

サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。 〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。 だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。 〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。 危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。 『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』 いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。 すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。 これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。

処理中です...