幼馴染の初恋は月の女神の祝福の下に

景空

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第99話 文化祭初日終了

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午後も1年B組の執事メイドカフェは大盛況。
「やばい、ショートケーキこれで売り切れです」
「あぁパンケーキもさっきので終わってた」
「あとは何があるのか確認して」
カーテンで仕切ったバックヤードでは相澤の指示が響いていた。
「コーヒーと紅茶は足りるにしても、あとはクッキーが12皿だけ……。思ったより売れたのは嬉しい誤算ということにしましょう。幸いなことに後は午後の数時間だけ。とりあえず至急クッキーだけ追加で買ってきて。ティータイム営業という事にしましょう」
愛翔たちホール係も大忙しでテーブルを回っている。
「5番コーヒークッキーセット2つ上がったよ」
「いらっしゃいませ、お嬢様。こちらの席へどうぞ。ご注文が決まりましたらお呼びください」
愛翔の執事もなじんできていた。

『本日の光野高校文化祭を終了いたします。……』
文化祭実行委員長の放送が終了時刻を告げる。
「文化祭初日お疲れ様ぁ!!集計はまだだけど、初日は大成功でした。あしたは住吉君はいない予定だけど、他のみんなでがんばろぉ」
相澤が喜びの声をあげ、声のトーンを落とし
「住吉君は、明日は不参加だって聞いてるけど、打ち上げくらいは来れないかな?」
「そうだね。試合は1時くらいには終わるはずだから、そこから試合後のブリーフィングとサポーターとの交流タイムがあってステラスポーツセンターをでられるのは2時過ぎだな。さすがに文化祭には間に合わないと思うけど打ち上げはどこで何時からのよてい?」
「駅前のビッグサウンドってカラオケ知ってる?そこで6時に予約してあるんだ」
相澤の説明に、それならばと
「そこなら知ってる。時間も大丈夫。参加させてもらうよ」
そんな愛翔の横で桜と楓がコソコソと話をしていた。
「で、このあとで……」
「うんうん、……じゃぁ楓教えてよ。……」
「それで桜は……」
愛翔はそれに気付き
「ふたりともどうかしたか?」
咄嗟に首を横に振り声をそろえる桜と楓。
「「な、なんでもないから」」
愛翔は僅かに首を傾げたもののそれ以上の追及はしなかった。
「そ、それより愛翔、今日のクラブの練習は?」
楓が気になっていたとばかりに聞く。
「ああ、今日は休んだ」
「休んだの?良いの?」
桜も気になったとばかりに愛翔に近づく。
「ま、1日くらいはな。後で埋め合わせのトレーニングするから大丈夫だ」
そして下校時、愛翔は桜と楓を送っていったのだけれど、
「今日はここまででいいわ。ちょっと楓と女の子同士の話をする予定だから」
楓の家の前で桜が口にした。
「ん、わかった。帰るときは呼んでくれてもいいからな」
愛翔はそういうと、桜と楓を順番に抱きしめ頬にキスを落とした。
「まだ、結論を出せていないけど、ちゃんと考えるから」
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