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第129話 鍵
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「今週末から中間テストでさあ。俺なんかこっちばっかりだから……」
「うちは今真っ最中だ。こっちメインにしてるから一般コースなんだよな。ああ赤点怖い」
「あ、そう言えば住吉は光野の優等生じゃなかったか?」
練習後のステラスターU18チームのロッカールーム。やはり皆高校生ということで中間テストの話題が多い。
「住吉、テスト期間だけでいいから勉強見てくれないか」
「え?見るって言っても俺1年生ですよ。皆さん3年生ですよね」
「うわあああ、ここでも格差がぁぁ」
「くそお、やっぱり自前で頑張るしかないのか」
「と、とりあえず頑張ってくださいとしか。あ、でもせめて英語はちゃんとやっておいたほうが良いですよ。将来海外に行く可能性ありますよね」
着替えを終えロッカールームを出ていきながら告げた愛翔の言葉に
「くそお、さらりと海外って言葉が出てくる住吉が羨ましい。でもそうだよな、俺たち、うまくいったら海外ってのはきちんと考えておかないといけないんだよな。くそう、サッカーでもやっぱり勉強かよぉ」
怨嗟なのか希望なのかわからない叫びを背に、愛翔は今日の予定を頭に浮かべる。
”帰ったら、飯の準備して、ストレッチ、それから試験勉強と。あ、もう冷蔵庫の中身ほとんど使い切ってたな。帰りながらスーパーで買い出ししていくか”
愛翔が自宅マンションの前につくと
「あーいと。お帰り」
「お疲れ様。愛翔」
桜と楓が待ち構えていた。
「おいおい、この辺りは比較的安全だけど、ふたりみたいな魅力的な女の子だけでこんな時間に出歩くのは感心しないぞ。もしもの事があったらどうするんだよ」
愛翔がため息交じりに注意するけれど、ふたりはあっけらかんとしたもので
「大丈夫よ。まだ人通りもあるし」
愛翔は、あきらめたように二人を招き入れることにした。
「まあ、来ちゃったものを追い返しはしないけど、本当に気を付けてくれよ」
部屋に入ると桜と楓は持ってきた荷物を開け始めた。
「愛翔、お皿借りるわね」
桜はそう言うと保温容器から湯気の立つ野菜炒めを盛りつけ始めた。その横で楓は中華風卵スープをお椀に注いでいる。白米を茶碗によそい、小皿にラフランスとオレンジを盛りつけて完成のようだ。
「お、おい。これは?」
「愛翔が夕飯この時間からって言ってたから桜と一緒に作ってきたのよ。時間が時間だから簡単なものにしたけどね。一緒に食べましょ」
愛翔も楓に促されてテーブルにつく。
「それにしても、急にどうしたんだ?」
「さっきも言ったでしょ。愛翔の晩御飯がこの時間だって聞いたからって」
ご機嫌な表情で楓が答えるけれど、愛翔も納得しにくいようで
「だからって急に……」
「だって、愛翔ってクラブに選抜チームの合宿にって忙しいじゃない。このくらいのお手伝いしたいって思っちゃダメ?」
桜がここぞと上目使いに愛翔に迫っていく。
「ダメじゃないけど。大変だろう。それにこんな時間に2人が出歩くのはちょっと心配なんだよ」
「でも、あたしはこうしたいの。ううん、楓だって」
愛翔が楓に視線をむけると、楓も真剣な表情で見返している
「はぁわかった。でも今日みたいにマンションの前で待ってるのは心配だから……」
そういうと愛翔は立ち上がり部屋の片隅のチェストの引き出しを開け鍵を取り出した。そしてその鍵を桜の手のひらに載せる。
「勝手に入って良いから、外で待つのはやめてくれ」
「うちは今真っ最中だ。こっちメインにしてるから一般コースなんだよな。ああ赤点怖い」
「あ、そう言えば住吉は光野の優等生じゃなかったか?」
練習後のステラスターU18チームのロッカールーム。やはり皆高校生ということで中間テストの話題が多い。
「住吉、テスト期間だけでいいから勉強見てくれないか」
「え?見るって言っても俺1年生ですよ。皆さん3年生ですよね」
「うわあああ、ここでも格差がぁぁ」
「くそお、やっぱり自前で頑張るしかないのか」
「と、とりあえず頑張ってくださいとしか。あ、でもせめて英語はちゃんとやっておいたほうが良いですよ。将来海外に行く可能性ありますよね」
着替えを終えロッカールームを出ていきながら告げた愛翔の言葉に
「くそお、さらりと海外って言葉が出てくる住吉が羨ましい。でもそうだよな、俺たち、うまくいったら海外ってのはきちんと考えておかないといけないんだよな。くそう、サッカーでもやっぱり勉強かよぉ」
怨嗟なのか希望なのかわからない叫びを背に、愛翔は今日の予定を頭に浮かべる。
”帰ったら、飯の準備して、ストレッチ、それから試験勉強と。あ、もう冷蔵庫の中身ほとんど使い切ってたな。帰りながらスーパーで買い出ししていくか”
愛翔が自宅マンションの前につくと
「あーいと。お帰り」
「お疲れ様。愛翔」
桜と楓が待ち構えていた。
「おいおい、この辺りは比較的安全だけど、ふたりみたいな魅力的な女の子だけでこんな時間に出歩くのは感心しないぞ。もしもの事があったらどうするんだよ」
愛翔がため息交じりに注意するけれど、ふたりはあっけらかんとしたもので
「大丈夫よ。まだ人通りもあるし」
愛翔は、あきらめたように二人を招き入れることにした。
「まあ、来ちゃったものを追い返しはしないけど、本当に気を付けてくれよ」
部屋に入ると桜と楓は持ってきた荷物を開け始めた。
「愛翔、お皿借りるわね」
桜はそう言うと保温容器から湯気の立つ野菜炒めを盛りつけ始めた。その横で楓は中華風卵スープをお椀に注いでいる。白米を茶碗によそい、小皿にラフランスとオレンジを盛りつけて完成のようだ。
「お、おい。これは?」
「愛翔が夕飯この時間からって言ってたから桜と一緒に作ってきたのよ。時間が時間だから簡単なものにしたけどね。一緒に食べましょ」
愛翔も楓に促されてテーブルにつく。
「それにしても、急にどうしたんだ?」
「さっきも言ったでしょ。愛翔の晩御飯がこの時間だって聞いたからって」
ご機嫌な表情で楓が答えるけれど、愛翔も納得しにくいようで
「だからって急に……」
「だって、愛翔ってクラブに選抜チームの合宿にって忙しいじゃない。このくらいのお手伝いしたいって思っちゃダメ?」
桜がここぞと上目使いに愛翔に迫っていく。
「ダメじゃないけど。大変だろう。それにこんな時間に2人が出歩くのはちょっと心配なんだよ」
「でも、あたしはこうしたいの。ううん、楓だって」
愛翔が楓に視線をむけると、楓も真剣な表情で見返している
「はぁわかった。でも今日みたいにマンションの前で待ってるのは心配だから……」
そういうと愛翔は立ち上がり部屋の片隅のチェストの引き出しを開け鍵を取り出した。そしてその鍵を桜の手のひらに載せる。
「勝手に入って良いから、外で待つのはやめてくれ」
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