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第251話 「エッチ」「でも、おめでとう」
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月曜日の朝、愛翔はいつもの時間に目を覚ました。愛翔の両側にはシーツにくるまった桜と楓。瞼がぴくぴくと動いていてそろそろ目を覚ましそうだ。2人の頬をそっと撫でキスを落とすと、2人を起こさないようにそっとベッドを離れようと上体を起こす。
左右からほっそりとした手が伸び、愛翔の身体ひきもどした。
「2人とも目が覚めてたのか」
「ねえ、愛翔。こういう特別な朝には男の子は、女の子が目を覚ますまで横にいてくれるものじゃないかしら」
楓が頬を膨らませている。
「まあでも、ほっぺを撫でてキスしてくれてからだから許してあげる」
桜が、ほわっとした雰囲気で口にした。
「でも、もうちょっとだけここに一緒にいて」
愛翔が身体を倒し桜と楓を抱き寄せると2人は愛翔の胸に手を伸ばし幸せそうに眼を細めた。
しばしまどろんだ後、3人はシャワーを浴び、登校準備をしている。
「あー、その愛翔。ごめんね朝のトレーニングできなかったわね」
桜が少し気まずそうに言うけれど、
「気にしなくていいよ。特別な日だったんだからさ。それにトレーニングは夕方にも出来るから。むしろ気づかなくてごめんな」
愛翔は桜の頭をグシグシと撫で”大したことない”と態度で示す。
マンションのエントランスから出た3人はいつものように愛翔を真ん中に桜と楓が愛翔の腕に抱きついている。それでも愛翔が少し違和感を感じ。
「あー、こういうのって口にするのも恥ずかしいだけど、やっぱりその歩きにくかったりするのか?」
2人にしか聞こえない小声で囁くと、桜も楓も耳まで赤くなる。
「そ、そのお話とか友達の体験談とかでは聞いてたんだけど、その本当にまだ愛翔がいるみたいで……」
桜がモジモジと答え、楓は一瞬口を開きかけたものの桜の言葉に同意するようにコクコクと頷くだけで返事をした。
「ごめんな、気づくのが遅れて。時間も大丈夫だからゆっくりいこう」
光野高校の最寄り駅で降りた3人。愛翔に抱きつく桜と楓は既に見慣れた風景となっていてそれほど注目を浴びない……。
注目を浴びないはずだったのだけれど、今は3人の関係ではなく愛翔があまりに話題になっているためだろう。普段に倍する視線が愛翔たち3人に向いていた。
「なんかいつもより視線を感じるな」
「うん、まるで2年前みたい」
愛翔が帰国し嫌がらせを解決したころ、3人が揃っているところをとても注目された。その頃のような視線の多さだった。
「愛翔がJで活躍して注目されているからじゃないの?」
楓が”多分”とつぶやく。
「住吉君。大注目だね」
そんなところに現れたのは、1年の頃から変わらない友人の加藤、それと加藤の彼女新本。
そこで新本が首を傾げる。
「えと、住吉君。ちょっと桜ちゃんと、楓ちゃん借りていいかしら?あ、ケンちゃんは住吉君とおしゃべりしててね。女の子だけでちょっとお話したいの」
そう言うと人のいない隅に桜と楓を連れていく。
「なんなんだろう?」
加藤は頭の上にクエスチョンマークが躍っているように首を傾げる。
「まあ、女子同士で話したい事もあるんじゃないか?」
愛翔としてはなんとなく感じるものがあり緊張感があるけれど、今となっては新本も信頼している。おかしなことはしないだろう。そして愛翔と加藤の視線の先では新本がヒソヒソと桜と楓に何かを話し、それに対し2人が真っ赤になっている。対して新本はきゃいきゃいとはしゃぎまくっている。短時間の女子会を終え3人が愛翔と加藤のもとに戻ってきた時には桜と楓は羞恥に顔を染め身をよじらせていた。
「住吉君~」
新本はニヤニヤと愛翔の耳に口を寄せる。
「エッチ」
「でも、おめでとう。
さ、ケンちゃんいこう。桜ちゃんも楓ちゃんも住吉君も。ね」
そう言うとご機嫌な様子で学校に向かって歩き出した。
左右からほっそりとした手が伸び、愛翔の身体ひきもどした。
「2人とも目が覚めてたのか」
「ねえ、愛翔。こういう特別な朝には男の子は、女の子が目を覚ますまで横にいてくれるものじゃないかしら」
楓が頬を膨らませている。
「まあでも、ほっぺを撫でてキスしてくれてからだから許してあげる」
桜が、ほわっとした雰囲気で口にした。
「でも、もうちょっとだけここに一緒にいて」
愛翔が身体を倒し桜と楓を抱き寄せると2人は愛翔の胸に手を伸ばし幸せそうに眼を細めた。
しばしまどろんだ後、3人はシャワーを浴び、登校準備をしている。
「あー、その愛翔。ごめんね朝のトレーニングできなかったわね」
桜が少し気まずそうに言うけれど、
「気にしなくていいよ。特別な日だったんだからさ。それにトレーニングは夕方にも出来るから。むしろ気づかなくてごめんな」
愛翔は桜の頭をグシグシと撫で”大したことない”と態度で示す。
マンションのエントランスから出た3人はいつものように愛翔を真ん中に桜と楓が愛翔の腕に抱きついている。それでも愛翔が少し違和感を感じ。
「あー、こういうのって口にするのも恥ずかしいだけど、やっぱりその歩きにくかったりするのか?」
2人にしか聞こえない小声で囁くと、桜も楓も耳まで赤くなる。
「そ、そのお話とか友達の体験談とかでは聞いてたんだけど、その本当にまだ愛翔がいるみたいで……」
桜がモジモジと答え、楓は一瞬口を開きかけたものの桜の言葉に同意するようにコクコクと頷くだけで返事をした。
「ごめんな、気づくのが遅れて。時間も大丈夫だからゆっくりいこう」
光野高校の最寄り駅で降りた3人。愛翔に抱きつく桜と楓は既に見慣れた風景となっていてそれほど注目を浴びない……。
注目を浴びないはずだったのだけれど、今は3人の関係ではなく愛翔があまりに話題になっているためだろう。普段に倍する視線が愛翔たち3人に向いていた。
「なんかいつもより視線を感じるな」
「うん、まるで2年前みたい」
愛翔が帰国し嫌がらせを解決したころ、3人が揃っているところをとても注目された。その頃のような視線の多さだった。
「愛翔がJで活躍して注目されているからじゃないの?」
楓が”多分”とつぶやく。
「住吉君。大注目だね」
そんなところに現れたのは、1年の頃から変わらない友人の加藤、それと加藤の彼女新本。
そこで新本が首を傾げる。
「えと、住吉君。ちょっと桜ちゃんと、楓ちゃん借りていいかしら?あ、ケンちゃんは住吉君とおしゃべりしててね。女の子だけでちょっとお話したいの」
そう言うと人のいない隅に桜と楓を連れていく。
「なんなんだろう?」
加藤は頭の上にクエスチョンマークが躍っているように首を傾げる。
「まあ、女子同士で話したい事もあるんじゃないか?」
愛翔としてはなんとなく感じるものがあり緊張感があるけれど、今となっては新本も信頼している。おかしなことはしないだろう。そして愛翔と加藤の視線の先では新本がヒソヒソと桜と楓に何かを話し、それに対し2人が真っ赤になっている。対して新本はきゃいきゃいとはしゃぎまくっている。短時間の女子会を終え3人が愛翔と加藤のもとに戻ってきた時には桜と楓は羞恥に顔を染め身をよじらせていた。
「住吉君~」
新本はニヤニヤと愛翔の耳に口を寄せる。
「エッチ」
「でも、おめでとう。
さ、ケンちゃんいこう。桜ちゃんも楓ちゃんも住吉君も。ね」
そう言うとご機嫌な様子で学校に向かって歩き出した。
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