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第264話 雑談
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「ここも久しぶりだな」
「そうね。1年生の時の文化祭の打ち上げ以来かしら?」
「そう言えば、ここだったわね」
駅前のカラオケ、ビッグサウンドの前で愛翔たち3人は感慨にふけっていた。
「住吉君、華押さん、橘さん、おまたせ」
「おまたせー。遅れてないよね、大丈夫よね」
そう言いながらあらわれたのは加藤、新本のカップル。クリスマスカラーのさりげないペアルックで手をつないで来ていた。
「あはは、大丈夫。俺たちも今来たところだ」
そんな会話の中、加藤と新本をじっと見ていた楓が”へえ”とにんまりする。
その反応に新本がきづいた。
「な、なに?楓ちゃん」
「ふふ、夜が待ちきれなかった?」
楓がそっと囁くと新本が耳まで赤くなった。
「な、何?なんのことかしら」
あからさまに動揺する新本に桜もきづいたようだ。
「結婚式には呼んでね」
いたずらっ子の顔の桜の一言に新本はさらに顔を赤くし、加藤の背中に顔を埋め隠れてしまった。
そんな様子に愛翔が苦笑をこぼし
「女子3人でなにやってんだよ」
桜と楓の頬を指でツンツンとつつく。
「ふふふ、女の子どうしの秘密ー」
桜が一瞬加藤に視線を向けそのまま新本を微笑ましい目でみやる。新本は、さらに加藤の背中で小さくなってしまった。端から見えている耳や首筋が真っ赤で恥ずかしがっているのが分かる。
”まあ、じゃれてるだけみたいだからいいか”と愛翔もそれ以上は追及しない。
「あ、いた。やほー。遅れてないよね」
そんなところで丘が、声を掛けてきた。
「あ、丘先輩。帰省してたんですね。でも、どうして……。あ、そっか住吉君から」
加藤がわずかに戸惑いながらも笑顔になる。
「久しぶり。加藤君、新本さん。愛翔君たちに今日の事聞いてサプライズで参加させてもらうことにしたのだけど、迷惑だったかしら」
丘がしょんぼりとやや上目遣いで加藤と新本をみやる。
「え、そ、そんな迷惑だなんて」
「そうですよ。丘先輩の事を迷惑だなんて言うわけないじゃないですか。来てくれて嬉しいです」
加藤と新本が慌てて否定する。それを見て丘はクスクスと笑い始めた。
「冗談よ。あなた達がそんな風に思わない事は分かっているわ。ちょっと揶揄ってみたかっただけよ。うん、それでも恋人同士になれたあなた達にちょっとだけ羨ましいってのもあるかしらね」
丘はいたずらっ子の顔でなおも揶揄った。
「ここではわたしだけが独り身なんだもの」
「姉さんの場合は全部振ってきただけだろ」
「あら?愛翔君がそれを言うの?桜ちゃんと楓ちゃんとくっつくまでさんざん言い寄ってくる女の子を振ってきたあなたが?」
丘の反撃に愛翔もたじろぐけれど
「いや、俺の場合、桜と楓がいるのに言い寄ってくる時点で違うだろ。でも姉さんは相手が居たわけじゃないんだし」
「く、言うわね。どうせ私は彼氏が居たことなんかないわよ。愛翔君たちみたいな幼馴染もいないわよ」
「まあまあ、姉さんも魅力的なんだからそのうち素敵な彼氏ができるって。それより焦ってへんなの掴まないようにね」
もう丘と愛翔の間は遠慮の無い姉弟になっていて言い争いさえ微笑ましい。そして
「あ、そろそろ予約の時間じゃない?入ろ」
桜の声に揃ってカラオケ店に入っていった。
「へえ、じゃあ女子バスや軽音部の子たちもそんなに?」
「うん、加藤君や新本さんもだけど、ものすごく協力してくれてさ」
「そうそう、”なんで相談してくれないんだ”ってものすごい勢いで怒られちゃった」
歌う合間の雑談で愛翔も桜も楓もどれほど仲間が協力してくれたかを嬉しそうに話す。
「素敵な仲間ができたのね」
丘もそんな3人の話を嬉しそうに聞いている。
「それより、姉さん。大学はどんな感じ?」
「そうねえ。一言で言ってしまうと、自由かしらね」
「自由?」
「もちろん決められたカリキュラムはあるわよ。でもそれ以外は本当に縛りが無いの。それに単位制だから高校と比べてクラスって概念が薄いから……」
そこで愛翔はアメリカでの学校生活を思い出した。
「ああ、なるほどね。でも日本の大学だとスキップって概念はなかったよね」
「そうね、だから単位の取り方も人それぞれ。目いっぱい取って後を楽にしようって人もいるし、逆に平均してとってバイトとかサークル活動に最初から力を入れる人もいるわね。変わった人の中には入学してすぐに休学して世界旅行に行った人もいるわね。本当に色々よ。ただ全部自己責任だけどね」
「そんな色々なんですね。T大ってずっと勉強してるひとばかりかと思ってました」
横から新本が”すごいなぁ”と口を挟んできた。
「そうね、色々よ。もちろん徹底的に勉強している人も多いわよ。あと驚いたのはT大は割と留年に寛容なイメージがあるわね。全体の3割くらいの人が留年するらしいわ」
「へー、T大って生真面目な人が多くて留年なんてとんでもないって感じかと思ってたけど違うんですね」
「ま、あまそこまで言うと言い過ぎかもしれないけど他の大学に比べて留年する人が多いのは確かみたいね」
丘の話に桜は何かを考えているようで
「うん、色々教えてくれてありがとう。お義姉さん」
そこで新本が気付いた。
「あ、そういえば桜ちゃん丘先輩のことお義姉さんって呼んでる。さっき楓ちゃんもたしか……」
「え?そりゃ愛翔のお姉さんだもの、あたしや楓にとってはお義姉さんよ」
ケロリと言い切る桜に揶揄う気マンマンだった新本は毒気を抜かれてしまった。
「そうね。1年生の時の文化祭の打ち上げ以来かしら?」
「そう言えば、ここだったわね」
駅前のカラオケ、ビッグサウンドの前で愛翔たち3人は感慨にふけっていた。
「住吉君、華押さん、橘さん、おまたせ」
「おまたせー。遅れてないよね、大丈夫よね」
そう言いながらあらわれたのは加藤、新本のカップル。クリスマスカラーのさりげないペアルックで手をつないで来ていた。
「あはは、大丈夫。俺たちも今来たところだ」
そんな会話の中、加藤と新本をじっと見ていた楓が”へえ”とにんまりする。
その反応に新本がきづいた。
「な、なに?楓ちゃん」
「ふふ、夜が待ちきれなかった?」
楓がそっと囁くと新本が耳まで赤くなった。
「な、何?なんのことかしら」
あからさまに動揺する新本に桜もきづいたようだ。
「結婚式には呼んでね」
いたずらっ子の顔の桜の一言に新本はさらに顔を赤くし、加藤の背中に顔を埋め隠れてしまった。
そんな様子に愛翔が苦笑をこぼし
「女子3人でなにやってんだよ」
桜と楓の頬を指でツンツンとつつく。
「ふふふ、女の子どうしの秘密ー」
桜が一瞬加藤に視線を向けそのまま新本を微笑ましい目でみやる。新本は、さらに加藤の背中で小さくなってしまった。端から見えている耳や首筋が真っ赤で恥ずかしがっているのが分かる。
”まあ、じゃれてるだけみたいだからいいか”と愛翔もそれ以上は追及しない。
「あ、いた。やほー。遅れてないよね」
そんなところで丘が、声を掛けてきた。
「あ、丘先輩。帰省してたんですね。でも、どうして……。あ、そっか住吉君から」
加藤がわずかに戸惑いながらも笑顔になる。
「久しぶり。加藤君、新本さん。愛翔君たちに今日の事聞いてサプライズで参加させてもらうことにしたのだけど、迷惑だったかしら」
丘がしょんぼりとやや上目遣いで加藤と新本をみやる。
「え、そ、そんな迷惑だなんて」
「そうですよ。丘先輩の事を迷惑だなんて言うわけないじゃないですか。来てくれて嬉しいです」
加藤と新本が慌てて否定する。それを見て丘はクスクスと笑い始めた。
「冗談よ。あなた達がそんな風に思わない事は分かっているわ。ちょっと揶揄ってみたかっただけよ。うん、それでも恋人同士になれたあなた達にちょっとだけ羨ましいってのもあるかしらね」
丘はいたずらっ子の顔でなおも揶揄った。
「ここではわたしだけが独り身なんだもの」
「姉さんの場合は全部振ってきただけだろ」
「あら?愛翔君がそれを言うの?桜ちゃんと楓ちゃんとくっつくまでさんざん言い寄ってくる女の子を振ってきたあなたが?」
丘の反撃に愛翔もたじろぐけれど
「いや、俺の場合、桜と楓がいるのに言い寄ってくる時点で違うだろ。でも姉さんは相手が居たわけじゃないんだし」
「く、言うわね。どうせ私は彼氏が居たことなんかないわよ。愛翔君たちみたいな幼馴染もいないわよ」
「まあまあ、姉さんも魅力的なんだからそのうち素敵な彼氏ができるって。それより焦ってへんなの掴まないようにね」
もう丘と愛翔の間は遠慮の無い姉弟になっていて言い争いさえ微笑ましい。そして
「あ、そろそろ予約の時間じゃない?入ろ」
桜の声に揃ってカラオケ店に入っていった。
「へえ、じゃあ女子バスや軽音部の子たちもそんなに?」
「うん、加藤君や新本さんもだけど、ものすごく協力してくれてさ」
「そうそう、”なんで相談してくれないんだ”ってものすごい勢いで怒られちゃった」
歌う合間の雑談で愛翔も桜も楓もどれほど仲間が協力してくれたかを嬉しそうに話す。
「素敵な仲間ができたのね」
丘もそんな3人の話を嬉しそうに聞いている。
「それより、姉さん。大学はどんな感じ?」
「そうねえ。一言で言ってしまうと、自由かしらね」
「自由?」
「もちろん決められたカリキュラムはあるわよ。でもそれ以外は本当に縛りが無いの。それに単位制だから高校と比べてクラスって概念が薄いから……」
そこで愛翔はアメリカでの学校生活を思い出した。
「ああ、なるほどね。でも日本の大学だとスキップって概念はなかったよね」
「そうね、だから単位の取り方も人それぞれ。目いっぱい取って後を楽にしようって人もいるし、逆に平均してとってバイトとかサークル活動に最初から力を入れる人もいるわね。変わった人の中には入学してすぐに休学して世界旅行に行った人もいるわね。本当に色々よ。ただ全部自己責任だけどね」
「そんな色々なんですね。T大ってずっと勉強してるひとばかりかと思ってました」
横から新本が”すごいなぁ”と口を挟んできた。
「そうね、色々よ。もちろん徹底的に勉強している人も多いわよ。あと驚いたのはT大は割と留年に寛容なイメージがあるわね。全体の3割くらいの人が留年するらしいわ」
「へー、T大って生真面目な人が多くて留年なんてとんでもないって感じかと思ってたけど違うんですね」
「ま、あまそこまで言うと言い過ぎかもしれないけど他の大学に比べて留年する人が多いのは確かみたいね」
丘の話に桜は何かを考えているようで
「うん、色々教えてくれてありがとう。お義姉さん」
そこで新本が気付いた。
「あ、そういえば桜ちゃん丘先輩のことお義姉さんって呼んでる。さっき楓ちゃんもたしか……」
「え?そりゃ愛翔のお姉さんだもの、あたしや楓にとってはお義姉さんよ」
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