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19,14階。
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【覇王魔窟】14階に上がる。
変哲のないフロア、その中央にスライム状の物体がいる。あれが14階の魔物さんかぁ。〈魔物図鑑:視覚版〉によると、その名は〈スライム〉。
ふーん。見た目のままですね。
私は〈スライム〉さんの前に座り込んだ。とくに攻撃してくるわけでも、逃げるわけでもない。スライム状の中心には、心臓らしきものがあって、脈打っている。ほかに内臓器官らしきものはない。
私は腕組みした。確かに、これは初見殺しかもしれない。何も知らなかったら、何も考えずにこの〈スライム〉を攻撃していただろうし。
つまるところ、この〈スライム〉をバカ正直に攻撃してはいけないのだろう。だから生贄が必要なのだ。
おそらく、〈スライム〉を殺した者は死ぬ。
一方、〈スライム〉自体は抵抗することがない。だからルドル卿は、生贄要員のエミリーちゃんに殺させるつもりだった。エミリーちゃんが途中階で死んでしまった場合に備えて、私も連れていくことにしたと。
ふむ。では、私はどうするのか。
もちろん、誰かを生贄に捧げるつもりはありません。そもそも、ここには私しかいないしね。
ためしに、15階へと続く階段前まで移動した。そこに張られている結界。その階層の全ての魔物を倒したときのみ解かれる結界。破壊することは不可能だと思うけど、試しに〈スーパーコンボ〉を当ててみようか。だけど壊れないことを確認しただけでなく、何らかのペナルティが発生するかもしれない。やめておこう。
改めて、〈スライム〉の前に戻る。
殺しちゃ、ダメなんだよ。だけど、この〈スライム〉さんがここにいる限り、結界は解かれないので、私は永久に15階へ行けないんだよ。
〈スライム〉さんがいる限り……殺しちゃダメ……殺す……殺すとは無益な行為だ……有益な行為とはなんだろう……ただ殺すんじゃなくて……つまりただ殺すということは、魔物さんを魔素に戻してしまう。
おそらく『魔素に戻した』者が死ぬのだろう。つまり、魔素に戻さず、〈スライム〉さんにこの階から消えてもらう。では、どこに? そう、たとえば──胃袋。
「あ、分かりました! 食べればいいんですよっっ!!!」
食べてしまえば魔素には戻るまい。そして、食べることは殺すことではない。食べることは、生命が続くことに他ならない。あなたの肉は、私の中で生き続ける。栄養として。
私の言葉が理解できたとは思えないが、いきなり〈スライム〉が動き出した。私から離れるように、まるで逃げるように。
「はい、逃がしませんよ~」
〈スライム〉さんをつかみあげて、
「いただきます」
がぶりと食べる。スライムは口の中に張り付くので、ちゃんと噛んでからごくりと飲み込んだ。つづいて〈スライム〉さんの心臓部分を噛み千切って、ムシャムシャ食べる。そうしていたら、15階への結界が解かれた。
これが正解だったのかな。たぶん、正解のひとつではあったのだろうけど。
せっかくだから、残りのスライムも食べておこう。とくに美味しくはないけど、せっかく食べ物認定したのだから、残さず食べる。これが農家の娘の約束ですともさ。
「ごちそうさまです」
こんなことなら、さっきお昼を食べなきゃよかったなぁ。でもまぁ、後味は悪くないお味でした。これからは毎回、この階にくるたびに〈スライム〉を食べるわけか。よし、次は調味料を持参しよう。
そこで気づいた。
そもそも【覇王魔窟】を高く、高くへのぼっていくのならば、食料はその場で調達するしかないんだよね。持っていける分には限界があるし。
つまり、魔物こそが食事となるのだ。
ただ魔素で構築されている魔物が、どこまで栄養として取り入れられるかは疑問だけど。ただ今の〈スライム〉は、ちゃんとお腹に溜まっているし。あと問題は、魔物を殺すと魔素になってしまうことかぁ。殺さず食べた場合、それが安全か分からないこともある。だいたい、この〈スライム〉だって毒性だったかもしれないし。
そこから、ちょっと考える。これから先のことを。
事前の知識がなければ、私は〈スライム〉を攻撃していただろう。そうしたら、もうGAMEOVERだったよねぇ。この手の初見殺しは困る。そこで死んだら、私の人生はもうお終いなんだから。
セシリアちゃんとのラブラブな結婚生活が無になってしまうのだから。
だから磨くべきは、直感。
この魔物は普通に殺してもいい、この魔物は何かウラがありそう。
そういうのを見抜ける直感、それを磨かねばならない。
そして、これはスキルとかそういうのではない。もっと本能的なものなのだ。
いまは亡きパパは、嵐が来る何日も前から『くるぞ』と分かった。理屈ではない、気象予報スキルがあったわけでも当然ない、あれは直感なのだ。
いまは亡きママは、見たことのないキノコでさえも、毒があるかないか食べる前から分かった。あれも直感なのだ。
だから直感を磨くのだ、私よ。そうしないと、上層階への攻略どころか中層階さえ夢のまた夢だよ。
さて、そんなことを考えながらも、15階へ。身の丈3メートルのカマキリのような魔物、その名も〈蟷螂王〉。
私の直感はなんと言っている? 通常の手順で撃破しても大丈夫? 私の直感は?
────あうっ! 殺してよーし、殺してよーし、殺してよーーーーーーーーーーーーーし!
「では殺させていただきます、《爆打》!!」
《爆打》を連続でぶちあて、〈蟷螂王〉を粉みじんに吹っ飛ばした。
さぁ、次に行こう!
変哲のないフロア、その中央にスライム状の物体がいる。あれが14階の魔物さんかぁ。〈魔物図鑑:視覚版〉によると、その名は〈スライム〉。
ふーん。見た目のままですね。
私は〈スライム〉さんの前に座り込んだ。とくに攻撃してくるわけでも、逃げるわけでもない。スライム状の中心には、心臓らしきものがあって、脈打っている。ほかに内臓器官らしきものはない。
私は腕組みした。確かに、これは初見殺しかもしれない。何も知らなかったら、何も考えずにこの〈スライム〉を攻撃していただろうし。
つまるところ、この〈スライム〉をバカ正直に攻撃してはいけないのだろう。だから生贄が必要なのだ。
おそらく、〈スライム〉を殺した者は死ぬ。
一方、〈スライム〉自体は抵抗することがない。だからルドル卿は、生贄要員のエミリーちゃんに殺させるつもりだった。エミリーちゃんが途中階で死んでしまった場合に備えて、私も連れていくことにしたと。
ふむ。では、私はどうするのか。
もちろん、誰かを生贄に捧げるつもりはありません。そもそも、ここには私しかいないしね。
ためしに、15階へと続く階段前まで移動した。そこに張られている結界。その階層の全ての魔物を倒したときのみ解かれる結界。破壊することは不可能だと思うけど、試しに〈スーパーコンボ〉を当ててみようか。だけど壊れないことを確認しただけでなく、何らかのペナルティが発生するかもしれない。やめておこう。
改めて、〈スライム〉の前に戻る。
殺しちゃ、ダメなんだよ。だけど、この〈スライム〉さんがここにいる限り、結界は解かれないので、私は永久に15階へ行けないんだよ。
〈スライム〉さんがいる限り……殺しちゃダメ……殺す……殺すとは無益な行為だ……有益な行為とはなんだろう……ただ殺すんじゃなくて……つまりただ殺すということは、魔物さんを魔素に戻してしまう。
おそらく『魔素に戻した』者が死ぬのだろう。つまり、魔素に戻さず、〈スライム〉さんにこの階から消えてもらう。では、どこに? そう、たとえば──胃袋。
「あ、分かりました! 食べればいいんですよっっ!!!」
食べてしまえば魔素には戻るまい。そして、食べることは殺すことではない。食べることは、生命が続くことに他ならない。あなたの肉は、私の中で生き続ける。栄養として。
私の言葉が理解できたとは思えないが、いきなり〈スライム〉が動き出した。私から離れるように、まるで逃げるように。
「はい、逃がしませんよ~」
〈スライム〉さんをつかみあげて、
「いただきます」
がぶりと食べる。スライムは口の中に張り付くので、ちゃんと噛んでからごくりと飲み込んだ。つづいて〈スライム〉さんの心臓部分を噛み千切って、ムシャムシャ食べる。そうしていたら、15階への結界が解かれた。
これが正解だったのかな。たぶん、正解のひとつではあったのだろうけど。
せっかくだから、残りのスライムも食べておこう。とくに美味しくはないけど、せっかく食べ物認定したのだから、残さず食べる。これが農家の娘の約束ですともさ。
「ごちそうさまです」
こんなことなら、さっきお昼を食べなきゃよかったなぁ。でもまぁ、後味は悪くないお味でした。これからは毎回、この階にくるたびに〈スライム〉を食べるわけか。よし、次は調味料を持参しよう。
そこで気づいた。
そもそも【覇王魔窟】を高く、高くへのぼっていくのならば、食料はその場で調達するしかないんだよね。持っていける分には限界があるし。
つまり、魔物こそが食事となるのだ。
ただ魔素で構築されている魔物が、どこまで栄養として取り入れられるかは疑問だけど。ただ今の〈スライム〉は、ちゃんとお腹に溜まっているし。あと問題は、魔物を殺すと魔素になってしまうことかぁ。殺さず食べた場合、それが安全か分からないこともある。だいたい、この〈スライム〉だって毒性だったかもしれないし。
そこから、ちょっと考える。これから先のことを。
事前の知識がなければ、私は〈スライム〉を攻撃していただろう。そうしたら、もうGAMEOVERだったよねぇ。この手の初見殺しは困る。そこで死んだら、私の人生はもうお終いなんだから。
セシリアちゃんとのラブラブな結婚生活が無になってしまうのだから。
だから磨くべきは、直感。
この魔物は普通に殺してもいい、この魔物は何かウラがありそう。
そういうのを見抜ける直感、それを磨かねばならない。
そして、これはスキルとかそういうのではない。もっと本能的なものなのだ。
いまは亡きパパは、嵐が来る何日も前から『くるぞ』と分かった。理屈ではない、気象予報スキルがあったわけでも当然ない、あれは直感なのだ。
いまは亡きママは、見たことのないキノコでさえも、毒があるかないか食べる前から分かった。あれも直感なのだ。
だから直感を磨くのだ、私よ。そうしないと、上層階への攻略どころか中層階さえ夢のまた夢だよ。
さて、そんなことを考えながらも、15階へ。身の丈3メートルのカマキリのような魔物、その名も〈蟷螂王〉。
私の直感はなんと言っている? 通常の手順で撃破しても大丈夫? 私の直感は?
────あうっ! 殺してよーし、殺してよーし、殺してよーーーーーーーーーーーーーし!
「では殺させていただきます、《爆打》!!」
《爆打》を連続でぶちあて、〈蟷螂王〉を粉みじんに吹っ飛ばした。
さぁ、次に行こう!
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