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83,引率は疲れる。
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〈髑髏将軍スケルトンジェネラル〉の強化素材で、さらに聖杖〈愛と抱擁〉の武装Lv.を爆上げするサンディさん。
なんだか、にやけ顔が恐ろしい。どうやら中毒状態になりつつあるようだ。こうもテンポよく武装Lv.が上がると病みつきになるのも仕方ないけども。
私は渓谷を見下ろし、〈髑髏兵スケルトン〉を全撃破したライオネルさんが勝利のポーズをとっているのを確認。息も絶え絶えとなっているが。
さて、これで二人見つけた。あとはベロニカさんとロクウさんか。
「サンディさん、ライオネルさんと合流して、この近辺にいてください」
「ええっ! ちょっとまって──」
サンディさんの制止は無視して《操縦》で上空へと飛ぶ。〈スーパーコンボ〉のスペースからして、サンディさんとライオネルさん、二人を同時に乗せることはできないので、致し方ない。
手早く残り二人を見つけて、ここに戻るとしよう。
しばし飛行していると、戦闘中のベロニカさんを発見。敵魔物は、4本の腕を持つ巨人兵。はじめて見る魔物だ。
〈魔物図鑑:視覚版〉によると、〈巨鋼兵ギガンテスト〉。
ベロニカさんはデスサイズ〈死神のそよ風〉に火炎をまとわせ、多数を発動。複数の炎回転刃が乱舞し、〈巨鋼兵ギガンテスト〉を襲うもとくに有効なダメージは与えていない模様。
そして〈巨鋼兵ギガンテスト〉が両の拳を振り上げる。なんか、ベロニカさんが死ぬイメージしか湧かない。
【防御領域】より《結界β》を発動。
これは『自分とパーティ仲間の位置を入れ替える』スキル。ただしパーティ仲間がピンチにならないと発動できない。
発動してから思ったが、私はいまさっきまで高度80メートルほどの地点にいたのだった。まぁベロニカさんならば、自力着地できるでしょう。
入れ替え後、私の目の前で〈巨鋼兵ギガンテスト〉が大地を叩き、岩石系《地ならし》発動。周囲の地面がせり上がり、一気に押しつぶされる。
《鎧装甲:地獄》発動で安心安全だけども。
〈スーパーコンボ〉を振り回して、岩石を砕いて脱出。この時点でチャージ中だった〈スーパーコンボ〉で、《地破嵐打》発動。
〈巨鋼兵ギガンテスト〉の拳系スキル《剛腕》パンチと激突。
空間が砕け散ったが、壊れたのは〈巨鋼兵ギガンテスト〉の右腕。
それにしても、この手のごり押し系の魔物は、こっちも頭を使わなくていい分、攻略法が限られるから困る。
とにかく頭でも、かち割らさせていただこう。
《操縦》で飛び、〈巨鋼兵ギガンテスト〉の脳天に《桜吹雪打》連打も、石頭なのか防御力が高いのか(それって同じこと?)砕けない。
怒り心頭に発した〈巨鋼兵ギガンテスト〉が衝撃波を飛ばしてくると、私は「わぁぁ」と吹っ飛ばされていった。
とある大樹に激突して、そこで止まる。《操縦》+《電光石火》で、一気に〈巨鋼兵ギガンテスト〉の元へ戻る。
さらに《電光石火》状態の我が〈スーパーコンボ〉に《阿吽竜巻》をまとわせ、威力倍増で──〈巨鋼兵ギガンテスト〉を貫く。
撃破ですっ。
落ちてきた強化素材である『両の拳』で、〈スーパーコンボ〉を強化。武装Lv.が1102から1205へと上昇。このレベルの上がり方からして、〈巨鋼兵ギガンテスト〉はかなりの強敵だったと思われる。
うーむ。とにかくベロニカさんを逃がせて良かった。
ところで──ベロニカさんは、いずこに消えた? 《操縦》で飛んで、周囲を探索。うーむ。どこにもいない。ロクウさんが食肉植物型の魔物〈人肉喰花ヒューマンエラー〉に食べられそうになっているだけだ。
ふむ? ロクウさんがピンチか。なぜ、こうもみんな手がかかるのだろう。急降下し、〈人肉喰花ヒューマンエラー〉を《阿吽竜巻》で撃破。
「ロクウさん、ご無事ですかー」
「先生、かたじけない」
『かたじけない』と言う人を、初めて見た。
「〈スーパーコンボ〉に捕まってください。ライオネルさんたちのいる場所まで運びますから」
ロクウさんを《操縦》飛行で、先ほどの渓谷まで運ぶ。ところがライオネルさんとサンディさんの姿がない。勝手に移動したらしい。どうして、引率の言うことが聞けないのだろう。
「あの二人、やる気あるんですかねっっ!」
「先生、あの二人はあまり期待はできないかと。片方は金で雇っただけですし、もう片方にいたっては拉致してきたようなものですからな」
今度は、ちゃんとパーティメンバーを連れて移動しよう。ロクウさんを運びつつ、ベロニカさんを探索する。ふと気配を感じたと思ったら、ベロニカさんに抱きつかれていた。この速度は、凄まじいものがある。
「アリアぁぁぁぁ、会いたかったわぁ! アリア成分をあたしに頂戴! すなわち、アリア汁を! どこから出るの、アリア汁は?」
「知りませんよ」
茂みがガサゴソいったと思ったら、サンディさんとライオネルさんが歩いてきた。サンディさんは、わんわん泣きながら、なぜかみんなにハグしだした。
「なんでー、勝手に行っちゃうのー! おかしいでょー! 絶対におかしいでしょー!」
「だからライオネルさんと待っていてくださいと」
「やだよー! 知らないおじさんだもん!」
正論といえば、正論。『知らないおじさん』扱いされたライオネルさんは、くたびれた笑みを浮かべていた。
さてと、これでようやく〈王殺しパーティ〉がそろったわけか。
………………………
なんだか、すごく疲れた。パーティ率いるの、ものすごく疲れる。
なんだか、にやけ顔が恐ろしい。どうやら中毒状態になりつつあるようだ。こうもテンポよく武装Lv.が上がると病みつきになるのも仕方ないけども。
私は渓谷を見下ろし、〈髑髏兵スケルトン〉を全撃破したライオネルさんが勝利のポーズをとっているのを確認。息も絶え絶えとなっているが。
さて、これで二人見つけた。あとはベロニカさんとロクウさんか。
「サンディさん、ライオネルさんと合流して、この近辺にいてください」
「ええっ! ちょっとまって──」
サンディさんの制止は無視して《操縦》で上空へと飛ぶ。〈スーパーコンボ〉のスペースからして、サンディさんとライオネルさん、二人を同時に乗せることはできないので、致し方ない。
手早く残り二人を見つけて、ここに戻るとしよう。
しばし飛行していると、戦闘中のベロニカさんを発見。敵魔物は、4本の腕を持つ巨人兵。はじめて見る魔物だ。
〈魔物図鑑:視覚版〉によると、〈巨鋼兵ギガンテスト〉。
ベロニカさんはデスサイズ〈死神のそよ風〉に火炎をまとわせ、多数を発動。複数の炎回転刃が乱舞し、〈巨鋼兵ギガンテスト〉を襲うもとくに有効なダメージは与えていない模様。
そして〈巨鋼兵ギガンテスト〉が両の拳を振り上げる。なんか、ベロニカさんが死ぬイメージしか湧かない。
【防御領域】より《結界β》を発動。
これは『自分とパーティ仲間の位置を入れ替える』スキル。ただしパーティ仲間がピンチにならないと発動できない。
発動してから思ったが、私はいまさっきまで高度80メートルほどの地点にいたのだった。まぁベロニカさんならば、自力着地できるでしょう。
入れ替え後、私の目の前で〈巨鋼兵ギガンテスト〉が大地を叩き、岩石系《地ならし》発動。周囲の地面がせり上がり、一気に押しつぶされる。
《鎧装甲:地獄》発動で安心安全だけども。
〈スーパーコンボ〉を振り回して、岩石を砕いて脱出。この時点でチャージ中だった〈スーパーコンボ〉で、《地破嵐打》発動。
〈巨鋼兵ギガンテスト〉の拳系スキル《剛腕》パンチと激突。
空間が砕け散ったが、壊れたのは〈巨鋼兵ギガンテスト〉の右腕。
それにしても、この手のごり押し系の魔物は、こっちも頭を使わなくていい分、攻略法が限られるから困る。
とにかく頭でも、かち割らさせていただこう。
《操縦》で飛び、〈巨鋼兵ギガンテスト〉の脳天に《桜吹雪打》連打も、石頭なのか防御力が高いのか(それって同じこと?)砕けない。
怒り心頭に発した〈巨鋼兵ギガンテスト〉が衝撃波を飛ばしてくると、私は「わぁぁ」と吹っ飛ばされていった。
とある大樹に激突して、そこで止まる。《操縦》+《電光石火》で、一気に〈巨鋼兵ギガンテスト〉の元へ戻る。
さらに《電光石火》状態の我が〈スーパーコンボ〉に《阿吽竜巻》をまとわせ、威力倍増で──〈巨鋼兵ギガンテスト〉を貫く。
撃破ですっ。
落ちてきた強化素材である『両の拳』で、〈スーパーコンボ〉を強化。武装Lv.が1102から1205へと上昇。このレベルの上がり方からして、〈巨鋼兵ギガンテスト〉はかなりの強敵だったと思われる。
うーむ。とにかくベロニカさんを逃がせて良かった。
ところで──ベロニカさんは、いずこに消えた? 《操縦》で飛んで、周囲を探索。うーむ。どこにもいない。ロクウさんが食肉植物型の魔物〈人肉喰花ヒューマンエラー〉に食べられそうになっているだけだ。
ふむ? ロクウさんがピンチか。なぜ、こうもみんな手がかかるのだろう。急降下し、〈人肉喰花ヒューマンエラー〉を《阿吽竜巻》で撃破。
「ロクウさん、ご無事ですかー」
「先生、かたじけない」
『かたじけない』と言う人を、初めて見た。
「〈スーパーコンボ〉に捕まってください。ライオネルさんたちのいる場所まで運びますから」
ロクウさんを《操縦》飛行で、先ほどの渓谷まで運ぶ。ところがライオネルさんとサンディさんの姿がない。勝手に移動したらしい。どうして、引率の言うことが聞けないのだろう。
「あの二人、やる気あるんですかねっっ!」
「先生、あの二人はあまり期待はできないかと。片方は金で雇っただけですし、もう片方にいたっては拉致してきたようなものですからな」
今度は、ちゃんとパーティメンバーを連れて移動しよう。ロクウさんを運びつつ、ベロニカさんを探索する。ふと気配を感じたと思ったら、ベロニカさんに抱きつかれていた。この速度は、凄まじいものがある。
「アリアぁぁぁぁ、会いたかったわぁ! アリア成分をあたしに頂戴! すなわち、アリア汁を! どこから出るの、アリア汁は?」
「知りませんよ」
茂みがガサゴソいったと思ったら、サンディさんとライオネルさんが歩いてきた。サンディさんは、わんわん泣きながら、なぜかみんなにハグしだした。
「なんでー、勝手に行っちゃうのー! おかしいでょー! 絶対におかしいでしょー!」
「だからライオネルさんと待っていてくださいと」
「やだよー! 知らないおじさんだもん!」
正論といえば、正論。『知らないおじさん』扱いされたライオネルさんは、くたびれた笑みを浮かべていた。
さてと、これでようやく〈王殺しパーティ〉がそろったわけか。
………………………
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