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98,討伐依頼。
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帰る場所もないので、しばらくの間、サンディさんのご自宅で世話になることになった。
サンディさん宅は、王都の中間層にある集合住宅で、お酒の空瓶がゴロゴロしている。
サンディさんはまだ未開封だった酒瓶を取って、栓を開け、グラスにどくどくと入れてから、ごくごくと飲みだす。
私が呆然と見ていると、何を勘違いしたのか酒瓶を差し出してきた。
「飲む? ハイロー産の蒸留酒だけど」
「いえ、遠慮しておきます。あのサンディさん、〈倦怠艶女ミスティナ〉さんもいなくなったのだし、もうお酒を飲む必要もないのでは?」
「う~ん、そうだけどさぁ。お酒って美味しいし、あと一定時間アルコールを摂取しないと、手が震えてくるんだよねぇ。なんでかなっ?」
「…………………え、それ依存症」
「依存症? またまたまたまたまたまた~もう、からかいっこなしだよ、アリアちゃん♪ わたしがお酒の依存症なわけないじゃん♪ あはははっ」
まずもって依存症を認めないとは、『依存症あるある』だなぁ。こんど地下室あたりに監禁して、お酒を強制的に絶たせよう。うん、そうしよう。
「どうしたのアリアちゃん? 瞳が決意に燃えているけど?」
しばらくの間、私は【覇王魔窟】に戻らず、王都にいることにした。
いくつか考えがあってのことだ──
おそらく、私の【覇王魔窟】攻略も佳境に入ろうとしている。そして、人類世界も危急存亡のときに立っている気がする。ここからはより深く考えて行動したほうが良い。
とにかく数日間、居候の身なので、私は家事洗濯などを一手に引き受けていた。
ちなみにサンディさんは、いまもカブ冒険者ギルドの一員であり、最近では魔物討伐の依頼などを受注しているという。
サンディさんいわく、「わたし、これでもカブ冒険者ギルドでは、みんなの憧れのSランク冒険者だからね」とのこと。地下迷宮〈死の楽園〉で鍛えたのも、無駄ではなかったようだ。
そんなサンディさんが帰宅。
「お帰りなさい、サンディさん。お風呂にしますか、ご飯にしますか、それとも私にしますか?」
と冗談を言ってみたところ、つくづくという顔で、サンディさんが言う。
「ベロニカさんあたりが聞いたら、歓びすぎて死ぬよ。あとお風呂ないよね、この家」
「公衆浴場に行きましょう」
その帰り道、ぽかぽかした身体で歩いていると、サンディさんが言った。
「そうそう。怪鳥が出るそうなんだよ、アリアちゃん」
「怪鳥ですか。そういえば私が幼いころ、子犬のように大きなカラスが、カブ畑を荒らすことがありましてね──うっ」
「ど、どうしたのアリアちゃん!!」
「すいません。カブ畑を守れなかったことを思い出し、己を罰するためにも舌を噛みました」
「もう~自分は大事にしないとダメだよ~。とにかくこの怪鳥は、カラスなんていう可愛いものじゃないよ。魔物だよ、魔物」
「飛行型の魔物ですか。確かに何度か【覇王魔窟】内で遭遇しましたね。遠距離攻撃可能スキルを持っていないと、撃退には苦労するでしょう。まぁ弓矢という原始的な手もありますが。通常の矢で効果的なダメージを与えられる魔物は、低級の一部と限られていますからね」
「まさしくその通り。かなり苦労しているみたい。ただ怪鳥出現地帯が微妙でね。オルト侯爵の領地なんだけど、オルト侯爵は現政権に批判的でね。つまり、アンチ・ミリカ女王。カブ冒険者ギルドは、女王陛下と蜜月だからさ」
「カブ冒険者ギルドに討伐依頼を出してこないわけですね──ところで、カブ冒険者ギルドという名前、いつになったら改名するんですか?」
「だから改名はしないって。それでさアリアちゃん。こっそりオルト侯爵の領土に行って、怪鳥退治してきてくれないかな? いまアリアちゃんは、身分を隠している以上、カブ冒険者ギルドとは無関係だからさ。あ、討伐完了後は、ちゃんと報酬も出すよ。私、いまはサブマスの一人だから、カブ冒険者ギルドの運用資金も少しは動かせるし」
「いえ、報酬はいりませんよ。居候でお世話になってますし。それに、身体も動かさないと、鈍りますからね」
白状するならば、魔物とのバトルに飢えているのだった。その怪鳥は低級魔物と思われるが、本格的な【覇王魔窟】攻略にまでのつなぎにはなるだろう。それに人助けにもなるようなので、一石二鳥。
「じゃ、さっそく明日、オルト侯爵領土の近くまで案内するね」
翌朝。
サンディさんが用意した馬車に乗って、王都を出発。《操縦》を使えばひとっ飛びだけど、あまり目立たないほうが良い。そうして都市や町同士をつなぐ街道を行くと、別の馬車が待っていた。
「ここから先には、あんまりカブ冒険者ギルドの幹部がいるところを見られちゃ、面倒ごとを増やす地域なんだ。でも大丈夫。ここから先は、友人の貴族さんが案内してくれるからね」
「友人の貴族さんですか。とすると、一人しかいませんよね」
もちろん、ライオネルさんだ。男爵どころか、その上の子爵の位を授かったのこと。ただし貴族になっても、自分で御者台に腰かけて、宴会向きというよりは戦闘向きの衣服を着ている。愛用のカトラス型〈魔統武器〉も装備中。
「お久しぶりですね、ライオネルさん」
「嬢ちゃん、やっぱり生きていたか。まぁ、あんなので死ぬとは思ってなかったけどな」
「うーん。それは過大評価ですよ」
実際のところ、私はそのとき死んでいるわけだし。
いや、それを言うならば、もう3回は死んだも同然なのかな。初めて【覇王魔窟】に挑んだとき、初めて地下迷宮〈死の楽園〉へ挑んだ時、そして初めて〈攻略不可能体〉に挑んだとき。
では、次に死ぬのは、次の『初めて』のときだろう。
サンディさん宅は、王都の中間層にある集合住宅で、お酒の空瓶がゴロゴロしている。
サンディさんはまだ未開封だった酒瓶を取って、栓を開け、グラスにどくどくと入れてから、ごくごくと飲みだす。
私が呆然と見ていると、何を勘違いしたのか酒瓶を差し出してきた。
「飲む? ハイロー産の蒸留酒だけど」
「いえ、遠慮しておきます。あのサンディさん、〈倦怠艶女ミスティナ〉さんもいなくなったのだし、もうお酒を飲む必要もないのでは?」
「う~ん、そうだけどさぁ。お酒って美味しいし、あと一定時間アルコールを摂取しないと、手が震えてくるんだよねぇ。なんでかなっ?」
「…………………え、それ依存症」
「依存症? またまたまたまたまたまた~もう、からかいっこなしだよ、アリアちゃん♪ わたしがお酒の依存症なわけないじゃん♪ あはははっ」
まずもって依存症を認めないとは、『依存症あるある』だなぁ。こんど地下室あたりに監禁して、お酒を強制的に絶たせよう。うん、そうしよう。
「どうしたのアリアちゃん? 瞳が決意に燃えているけど?」
しばらくの間、私は【覇王魔窟】に戻らず、王都にいることにした。
いくつか考えがあってのことだ──
おそらく、私の【覇王魔窟】攻略も佳境に入ろうとしている。そして、人類世界も危急存亡のときに立っている気がする。ここからはより深く考えて行動したほうが良い。
とにかく数日間、居候の身なので、私は家事洗濯などを一手に引き受けていた。
ちなみにサンディさんは、いまもカブ冒険者ギルドの一員であり、最近では魔物討伐の依頼などを受注しているという。
サンディさんいわく、「わたし、これでもカブ冒険者ギルドでは、みんなの憧れのSランク冒険者だからね」とのこと。地下迷宮〈死の楽園〉で鍛えたのも、無駄ではなかったようだ。
そんなサンディさんが帰宅。
「お帰りなさい、サンディさん。お風呂にしますか、ご飯にしますか、それとも私にしますか?」
と冗談を言ってみたところ、つくづくという顔で、サンディさんが言う。
「ベロニカさんあたりが聞いたら、歓びすぎて死ぬよ。あとお風呂ないよね、この家」
「公衆浴場に行きましょう」
その帰り道、ぽかぽかした身体で歩いていると、サンディさんが言った。
「そうそう。怪鳥が出るそうなんだよ、アリアちゃん」
「怪鳥ですか。そういえば私が幼いころ、子犬のように大きなカラスが、カブ畑を荒らすことがありましてね──うっ」
「ど、どうしたのアリアちゃん!!」
「すいません。カブ畑を守れなかったことを思い出し、己を罰するためにも舌を噛みました」
「もう~自分は大事にしないとダメだよ~。とにかくこの怪鳥は、カラスなんていう可愛いものじゃないよ。魔物だよ、魔物」
「飛行型の魔物ですか。確かに何度か【覇王魔窟】内で遭遇しましたね。遠距離攻撃可能スキルを持っていないと、撃退には苦労するでしょう。まぁ弓矢という原始的な手もありますが。通常の矢で効果的なダメージを与えられる魔物は、低級の一部と限られていますからね」
「まさしくその通り。かなり苦労しているみたい。ただ怪鳥出現地帯が微妙でね。オルト侯爵の領地なんだけど、オルト侯爵は現政権に批判的でね。つまり、アンチ・ミリカ女王。カブ冒険者ギルドは、女王陛下と蜜月だからさ」
「カブ冒険者ギルドに討伐依頼を出してこないわけですね──ところで、カブ冒険者ギルドという名前、いつになったら改名するんですか?」
「だから改名はしないって。それでさアリアちゃん。こっそりオルト侯爵の領土に行って、怪鳥退治してきてくれないかな? いまアリアちゃんは、身分を隠している以上、カブ冒険者ギルドとは無関係だからさ。あ、討伐完了後は、ちゃんと報酬も出すよ。私、いまはサブマスの一人だから、カブ冒険者ギルドの運用資金も少しは動かせるし」
「いえ、報酬はいりませんよ。居候でお世話になってますし。それに、身体も動かさないと、鈍りますからね」
白状するならば、魔物とのバトルに飢えているのだった。その怪鳥は低級魔物と思われるが、本格的な【覇王魔窟】攻略にまでのつなぎにはなるだろう。それに人助けにもなるようなので、一石二鳥。
「じゃ、さっそく明日、オルト侯爵領土の近くまで案内するね」
翌朝。
サンディさんが用意した馬車に乗って、王都を出発。《操縦》を使えばひとっ飛びだけど、あまり目立たないほうが良い。そうして都市や町同士をつなぐ街道を行くと、別の馬車が待っていた。
「ここから先には、あんまりカブ冒険者ギルドの幹部がいるところを見られちゃ、面倒ごとを増やす地域なんだ。でも大丈夫。ここから先は、友人の貴族さんが案内してくれるからね」
「友人の貴族さんですか。とすると、一人しかいませんよね」
もちろん、ライオネルさんだ。男爵どころか、その上の子爵の位を授かったのこと。ただし貴族になっても、自分で御者台に腰かけて、宴会向きというよりは戦闘向きの衣服を着ている。愛用のカトラス型〈魔統武器〉も装備中。
「お久しぶりですね、ライオネルさん」
「嬢ちゃん、やっぱり生きていたか。まぁ、あんなので死ぬとは思ってなかったけどな」
「うーん。それは過大評価ですよ」
実際のところ、私はそのとき死んでいるわけだし。
いや、それを言うならば、もう3回は死んだも同然なのかな。初めて【覇王魔窟】に挑んだとき、初めて地下迷宮〈死の楽園〉へ挑んだ時、そして初めて〈攻略不可能体〉に挑んだとき。
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