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115,スキル実〈岩蛇即死の林檎〉。
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ロクウさんが抜刀すると、ミィちゃんは『両側に取っ手のついた刃』で応戦する。
この『両側に取っ手のついた刃』とは、逆さづりにした拷問対象を股から切断するための拷問器具。正式名称はよくわからないけど、ミィちゃんは〈アリゾナ〉と名付けていた。
拷問器具〈アリゾナ〉は、武装Lv.52の〈魔統武器〉でもある。ミィちゃんもまた強化武器タイプと知ったことも、弟子入りを認めた要因ではあったのだけども。
いずれにせよ、ロクウさんの武装Lv.752〈時雨晩〉相手では荷が重いので、軽く助太刀する。ミィちゃんに《視界滅界》をかけてあげた。これで33秒の間、ロクウさんはミィちゃんを視認することはできなくなる。
「ぐぬっ! 姿を消すスキルを持っているのか!」
と誤解しつつ、ロクウさんが《刀乱舞》を発動しようとする。なので、私は止めた。
「こらこら、人死にを出すつもりですかロクウさん。弟子同士、仲良くしてくださいよ」
「も、申し訳ございませんぬ先生。つい頭に血がのぼ──」
ガツンと、ロクウさんの後頭部へミィちゃんが〈アリゾナ〉の一撃。
「貴様ぁぁ! やはり殺す!!」
私は、つい溜息をついてしまった。重く重い溜息を。
「はい、二人ともやめなさい。そのパワーは、魔物さん相手に使うことですよ」
私の言葉が伝わったのか、または溜息効果か。とにかくロクウさんとミィちゃんが、戦闘状態を解除した。そして自主的に、握手するのだった。
「申し訳ない、ミィ殿。突然のことなので、攻撃的になってしまった。先生の二・番・弟・子・は、拙者も歓迎だ」
「それはどうも。素質でいえばミィが上回っているとはいえ、先輩弟子がいるのは有難い、です」
握手の握力の入れ方がどうかと思うけども、とりあえず良しとしましょう。
「さてと、一緒に〈死の楽園〉へ行くのならば、目標を決めましょう。ロクウさんはLv.4桁台に入るまで、強化素材を集めるのです。ミィちゃんも、魔物相手に拷問の練習をするとことです。練習台はごまんといますよ。ただし、はじめのうちは私のそばから離れないように」
〈死の楽園〉の五段階分類を思い出そう。『鬼強』、『ヤバ強』、『歯ごたえあり』、『フツー』、『雑魚さん』。私は今回、『鬼強』狙いで攻める。
というより、ここから効果的にLv.上げしていくためには、『鬼強』と命のやり取りをするしかないのだ。
一方、〈死の楽園〉初心者のミィちゃん(それでもサンディさんが初参加したときよりは、だいぶマシなレベル数値だけど)には、『雑魚さん』をこちらが選んで、戦わせよう。〈髑髏兵スケルトン〉あたりは、やりやすくていいよね。
〈鍵〉を使い、地下迷宮〈死の楽園〉への扉を開く。階段を降り、『異空間』の中の『異空間』へ。
『異空間』入子構造の〈死の楽園〉に降りていく。このとき、私は何かを忘れているような気がした。どうやら、ロクウさんも同意見らしく、
「先生、何か──〈死の楽園〉に降りた瞬間、何かイベントが起きたと記憶しているのですが──」
「ほう、ロクウさん。あなたも感じていましたか。そうなのです。私も、何かが起きたような、と記憶しているのですが──」
〈死の楽園〉は雰囲気が変わっていた。常に白夜の状態だったのが、いまや暗雲渦巻く景色。どこまでもどんよりとしており、何やら終末世界の雰囲気さえも漂わせている。
【覇王魔窟】の方針転換にあわせて、〈死の楽園〉もイメチェンしたのだろうか。ラスボスダンジョンの装いにすら感じられるのだ。
ところで──ロクウさんとミィちゃんの姿がない。
そうだった。〈死の楽園〉は降りた瞬間、パーティが強制的に離散されるシステムなのだった。前回もそれでパーティ再結成に苦労したものだけど、そのあとの『脳内麻薬ドバドバ』期間で、すっかり失念していた。
ロクウさんは、自力でサバイバルできるだろう。問題は、ミィちゃんだ。ミィちゃんの武装Lv.では、撃退できる敵のほうが限られているのだ。早く探し出そう。
魔改造鍬〈スーパーコンボ〉にまたがり、飛翔。
とたん、大地が割れて、巨大なる岩蛇が現れた。都市を軽々と破壊できるほどの大きさだ。その名は、〈岩大蛇魔ロック・リバイアサン〉。
以前、私はこの魔物と戦っている。紛れもない『鬼強』枠。その中でも上位に位置する。前回の私は、退散せざるをえなかったが──
私も、〈攻略不可能体〉の一体を撃破するなどして、より強くなっているのだ。
さぁ、やってみよう。
まず《耕作:熟練者》を発動。スキル実が収穫されるまでは、凌ぐのだ。《鎧装甲:地獄》+《視界滅界》+《怠惰心地》を同時発動。《遅ノ打》を連続して当てて、デバフ効果で〈岩大蛇魔ロック・リバイアサン〉の動きを遅くする。
そして大地全体攻撃の《大地愛暴》と、一撃が重い《地滅嵐打》で、〈岩大蛇魔ロック・リバイアサン〉を少しは削る。
こうして収穫まで時間を稼ぎ、スキル実〈岩蛇即死の林檎〉を収穫(林檎なのに地面から収穫できた、というツッコミを入れてはいけない)。
さっそく食して、《岩蛇即死の右手》スキルを得る。これは『右手で触れた敵を即死させる。ただし、それは岩石系の巨大蛇型魔物のみに有効とする』。
まさしく、〈岩大蛇魔ロック・リバイアサン〉さん!
〈スーパーコンボ〉で飛翔しながら、《電光石火》で超加速して突進。私の右手で触れたとたん、〈岩大蛇魔ロック・リバイアサン〉が枯れ枝みたいに砕けていった。
〈岩大蛇魔ロック・リバイアサン〉を撃破したよっっ!!
よーし、強化素材を採取して、ミィちゃんを捜しにいこう。
この『両側に取っ手のついた刃』とは、逆さづりにした拷問対象を股から切断するための拷問器具。正式名称はよくわからないけど、ミィちゃんは〈アリゾナ〉と名付けていた。
拷問器具〈アリゾナ〉は、武装Lv.52の〈魔統武器〉でもある。ミィちゃんもまた強化武器タイプと知ったことも、弟子入りを認めた要因ではあったのだけども。
いずれにせよ、ロクウさんの武装Lv.752〈時雨晩〉相手では荷が重いので、軽く助太刀する。ミィちゃんに《視界滅界》をかけてあげた。これで33秒の間、ロクウさんはミィちゃんを視認することはできなくなる。
「ぐぬっ! 姿を消すスキルを持っているのか!」
と誤解しつつ、ロクウさんが《刀乱舞》を発動しようとする。なので、私は止めた。
「こらこら、人死にを出すつもりですかロクウさん。弟子同士、仲良くしてくださいよ」
「も、申し訳ございませんぬ先生。つい頭に血がのぼ──」
ガツンと、ロクウさんの後頭部へミィちゃんが〈アリゾナ〉の一撃。
「貴様ぁぁ! やはり殺す!!」
私は、つい溜息をついてしまった。重く重い溜息を。
「はい、二人ともやめなさい。そのパワーは、魔物さん相手に使うことですよ」
私の言葉が伝わったのか、または溜息効果か。とにかくロクウさんとミィちゃんが、戦闘状態を解除した。そして自主的に、握手するのだった。
「申し訳ない、ミィ殿。突然のことなので、攻撃的になってしまった。先生の二・番・弟・子・は、拙者も歓迎だ」
「それはどうも。素質でいえばミィが上回っているとはいえ、先輩弟子がいるのは有難い、です」
握手の握力の入れ方がどうかと思うけども、とりあえず良しとしましょう。
「さてと、一緒に〈死の楽園〉へ行くのならば、目標を決めましょう。ロクウさんはLv.4桁台に入るまで、強化素材を集めるのです。ミィちゃんも、魔物相手に拷問の練習をするとことです。練習台はごまんといますよ。ただし、はじめのうちは私のそばから離れないように」
〈死の楽園〉の五段階分類を思い出そう。『鬼強』、『ヤバ強』、『歯ごたえあり』、『フツー』、『雑魚さん』。私は今回、『鬼強』狙いで攻める。
というより、ここから効果的にLv.上げしていくためには、『鬼強』と命のやり取りをするしかないのだ。
一方、〈死の楽園〉初心者のミィちゃん(それでもサンディさんが初参加したときよりは、だいぶマシなレベル数値だけど)には、『雑魚さん』をこちらが選んで、戦わせよう。〈髑髏兵スケルトン〉あたりは、やりやすくていいよね。
〈鍵〉を使い、地下迷宮〈死の楽園〉への扉を開く。階段を降り、『異空間』の中の『異空間』へ。
『異空間』入子構造の〈死の楽園〉に降りていく。このとき、私は何かを忘れているような気がした。どうやら、ロクウさんも同意見らしく、
「先生、何か──〈死の楽園〉に降りた瞬間、何かイベントが起きたと記憶しているのですが──」
「ほう、ロクウさん。あなたも感じていましたか。そうなのです。私も、何かが起きたような、と記憶しているのですが──」
〈死の楽園〉は雰囲気が変わっていた。常に白夜の状態だったのが、いまや暗雲渦巻く景色。どこまでもどんよりとしており、何やら終末世界の雰囲気さえも漂わせている。
【覇王魔窟】の方針転換にあわせて、〈死の楽園〉もイメチェンしたのだろうか。ラスボスダンジョンの装いにすら感じられるのだ。
ところで──ロクウさんとミィちゃんの姿がない。
そうだった。〈死の楽園〉は降りた瞬間、パーティが強制的に離散されるシステムなのだった。前回もそれでパーティ再結成に苦労したものだけど、そのあとの『脳内麻薬ドバドバ』期間で、すっかり失念していた。
ロクウさんは、自力でサバイバルできるだろう。問題は、ミィちゃんだ。ミィちゃんの武装Lv.では、撃退できる敵のほうが限られているのだ。早く探し出そう。
魔改造鍬〈スーパーコンボ〉にまたがり、飛翔。
とたん、大地が割れて、巨大なる岩蛇が現れた。都市を軽々と破壊できるほどの大きさだ。その名は、〈岩大蛇魔ロック・リバイアサン〉。
以前、私はこの魔物と戦っている。紛れもない『鬼強』枠。その中でも上位に位置する。前回の私は、退散せざるをえなかったが──
私も、〈攻略不可能体〉の一体を撃破するなどして、より強くなっているのだ。
さぁ、やってみよう。
まず《耕作:熟練者》を発動。スキル実が収穫されるまでは、凌ぐのだ。《鎧装甲:地獄》+《視界滅界》+《怠惰心地》を同時発動。《遅ノ打》を連続して当てて、デバフ効果で〈岩大蛇魔ロック・リバイアサン〉の動きを遅くする。
そして大地全体攻撃の《大地愛暴》と、一撃が重い《地滅嵐打》で、〈岩大蛇魔ロック・リバイアサン〉を少しは削る。
こうして収穫まで時間を稼ぎ、スキル実〈岩蛇即死の林檎〉を収穫(林檎なのに地面から収穫できた、というツッコミを入れてはいけない)。
さっそく食して、《岩蛇即死の右手》スキルを得る。これは『右手で触れた敵を即死させる。ただし、それは岩石系の巨大蛇型魔物のみに有効とする』。
まさしく、〈岩大蛇魔ロック・リバイアサン〉さん!
〈スーパーコンボ〉で飛翔しながら、《電光石火》で超加速して突進。私の右手で触れたとたん、〈岩大蛇魔ロック・リバイアサン〉が枯れ枝みたいに砕けていった。
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