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第1章
Ⅰ―ⅩⅥ
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待合室に戻ったら、もしかしたら魔王がいたりしないかなと地味な期待をしていたんだけど。
「やっぱり、いないかぁ…」
女の子によると、城のトイレはさっきの所にしか無いらしいし。まさかあのヒト、城の外に出てたりしてないよね?
「……早く魔王に会いたいのだがなぁ」
待合室に入るやいなや、あの地味な硬さのソファに座る女の子。
あぁ、魔王が来なければ僕はこの子と一緒にいるしかないのか。
正直、さっき傷付けられた事もあって少し接するのが怖かったりする。
「暇じゃのう…何か面白い事は無いかのう…」
退屈そうに呟き、いつの間にかソファに横になっている。
面白いこと…。
この子にとって、魔王と会うのは面白いことなのかな。
あれかな。この世界の人達にとって魔王はアイドル的なモノなのかな。
会いに行ける魔王…。
僕としては全く嬉しくない。
「なぁ、貧相な人間」
暇過ぎたのか、女の子は僕に話しかけてきた。でも、呼び方に少し悪意があると思う。
「お主、この国をどう思う?」
どんな事を言われるのかと身構えてたら意外な質問だった。
この国をどう思うか…。
まさかの幼い子供に国の感想を聞かれるとは。
「活気があってとても繁栄しているし、何より笑顔が多い。良い国だと思いますよ」
お世辞とかでは無い、本当にそう思ったんだ。怖い顔の人もいたけど、悪そうな人では無かったし…。
「ほう…良い国とな?」
「はい。こんな素晴らしい国を統治されている王様はきっと凄いお方だと思います」
だからこそ尚更、緊張するんだけども。僕、王様と会う時の作法とか知らないけど本当に大丈夫なんだろうか。
「お主、王がどんな人か知らないのか?」
「はい…今回、初めて謁見します」
前も思ったけど、国王はどんな人なんだろう。
凄い人であるのは間違い無いだろうけど、もし気にいられなかったら…しょ、処刑とか…されたりしないよね?よね?
「緊張するか?」
ニヤニヤと女の子は僕に聞いてくる。それに対して頷くしかない。
そりゃ緊張しますよ…。
手の汗なんか何度も何度も生まれ出てくる程です。
「王は確かに凄い人かもしれないが、そんなお主みたいな奴をひねり潰したりしないから安心しろ」
僕みたいな人じゃなかったら、ひねり潰す可能性があるんですか!?王様、怖いよ!?それでも怖いよ!?
思わず中途半端な笑顔で頷いちゃったじゃん。
「あ、そういえば用事があったのじゃった。帰る」
唐突にそう言って扉へ向かう女の子。めっちゃ急だな。暇だったんじゃ無かったのか。
「ではまたな、貧相な人間」
ニッと笑ってドアノブに手をかける女の子。
扉を開けると、そこから入って来た風に女の子の金色に光る髪がなびく。
幼女趣味とかいうのは僕には無いけど、不覚にも可愛いと思ってしまった。
「やっぱり、いないかぁ…」
女の子によると、城のトイレはさっきの所にしか無いらしいし。まさかあのヒト、城の外に出てたりしてないよね?
「……早く魔王に会いたいのだがなぁ」
待合室に入るやいなや、あの地味な硬さのソファに座る女の子。
あぁ、魔王が来なければ僕はこの子と一緒にいるしかないのか。
正直、さっき傷付けられた事もあって少し接するのが怖かったりする。
「暇じゃのう…何か面白い事は無いかのう…」
退屈そうに呟き、いつの間にかソファに横になっている。
面白いこと…。
この子にとって、魔王と会うのは面白いことなのかな。
あれかな。この世界の人達にとって魔王はアイドル的なモノなのかな。
会いに行ける魔王…。
僕としては全く嬉しくない。
「なぁ、貧相な人間」
暇過ぎたのか、女の子は僕に話しかけてきた。でも、呼び方に少し悪意があると思う。
「お主、この国をどう思う?」
どんな事を言われるのかと身構えてたら意外な質問だった。
この国をどう思うか…。
まさかの幼い子供に国の感想を聞かれるとは。
「活気があってとても繁栄しているし、何より笑顔が多い。良い国だと思いますよ」
お世辞とかでは無い、本当にそう思ったんだ。怖い顔の人もいたけど、悪そうな人では無かったし…。
「ほう…良い国とな?」
「はい。こんな素晴らしい国を統治されている王様はきっと凄いお方だと思います」
だからこそ尚更、緊張するんだけども。僕、王様と会う時の作法とか知らないけど本当に大丈夫なんだろうか。
「お主、王がどんな人か知らないのか?」
「はい…今回、初めて謁見します」
前も思ったけど、国王はどんな人なんだろう。
凄い人であるのは間違い無いだろうけど、もし気にいられなかったら…しょ、処刑とか…されたりしないよね?よね?
「緊張するか?」
ニヤニヤと女の子は僕に聞いてくる。それに対して頷くしかない。
そりゃ緊張しますよ…。
手の汗なんか何度も何度も生まれ出てくる程です。
「王は確かに凄い人かもしれないが、そんなお主みたいな奴をひねり潰したりしないから安心しろ」
僕みたいな人じゃなかったら、ひねり潰す可能性があるんですか!?王様、怖いよ!?それでも怖いよ!?
思わず中途半端な笑顔で頷いちゃったじゃん。
「あ、そういえば用事があったのじゃった。帰る」
唐突にそう言って扉へ向かう女の子。めっちゃ急だな。暇だったんじゃ無かったのか。
「ではまたな、貧相な人間」
ニッと笑ってドアノブに手をかける女の子。
扉を開けると、そこから入って来た風に女の子の金色に光る髪がなびく。
幼女趣味とかいうのは僕には無いけど、不覚にも可愛いと思ってしまった。
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