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第2章『黙した傷の在処、語らぬ想い』
16.司令官達の迷い-2
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(何かしら……?)
ヴェルシエラとエスメライの動きを見て、ルーシオは冷静に説明を開始した。
「追跡班から情報が入った。まだ初動の報告でしかないが、今、来てる情報だけだと……困ったことに、またクロウとレヴィを別で動かす必要がありそうなんだよな」
「んー、また同時案件かぁ……」
同時案件。
これは戦闘員が3人しかいない現ステフィリオンではよく発生する事例だ。
ドラグゼン側も完全にこちらの状況が分かってやってきていると理解しているだけに……非常に頭が痛い問題だった。
頭を抱えるエスメライを一瞥し、ルーシオは言葉を続ける。
「ただし追跡班からは『もう少し詳細な情報抜くから待ってくれ』って話も来てる。
情報にはかなり抜けがあるし、この段階でいきなり突っ込むのは自殺行為だ。だから1週間は様子見だな。
ただ、その段階まで待っても報告内容が変わらなければ同時案件確定……ってところか?」
だが、頭を痛がっていてもこればかりは仕方がない。どうにか対処するしかないのだ。
ルーシオは地図を広げ、遠く離れた2か所を指さす。
「今回は“サイプレス”と、まさかの“エルダー”だ。フェンネル州はともかくロウリエ州を同時に動かしてくるのは、もはや嫌がらせとしか思えん……」
「ロウリエ州は初だな!? 拠点、増やそうとしてるのかな……?」
「だろうなぁ。追跡班は『本格的に動き出す前に潰した方が良い』って判断したみたいだ。
まあ、妥当な判断だな。ついでに徹底的に情報抜いてくるべき案件だろうから、こっちは俺が同行しようかと思う」
クロウもレヴィも、育った環境のせいで機械系があまり得意ではない。教え込みはしたが、こういった重要案件の場合はルーシオの同行が無難だ。
これに関しては、ヴェルシエラも同意見である。否を唱える必要はない。
ただしルーシオは元一般人な上に非魔術師だ。最低限の自己防衛こそできても、単独で戦えるほどではなく、クロウかレヴィがいなければあっけなく殺されてしまうだろう。
ゆえに、どちらかの同行は必須となる。
エスメライはもう1か所、ルーシオが指さしている場所に視線を向けた。
「……で、サイプレスの方は?」
「前々から泳がせてた施設が動いたらしい。どうも昨日、大規模な搬入があったぽいんだ。
繁殖場出身の亜人も混ざってるかもしれんが、十中八九、オブシディアンで狩られてきた亜人がほとんどだろうな」
「ああぁ……黄金眼の前例考えたら、もうそっちがクロウで確定じゃねぇか……」
最近荒れに荒れている“商品”枠として何が出てくるか分からないうえに、隣国のオブシディアン共和国が関わっている。その時点で、取引に莫大な金額が動いていそうだ。
ドラグゼン側は10年前のステフィリオン再結成時ならともかく、今のステフィリオンがこの件に気づいて動くことは想定しているはずだ。
つまり、相当な戦力を投入してくるだろう——これに対処できるのは、クロウだけだ。
ルーシオはゆるゆると首を横に振るう。
「そこまでは俺も同意見。問題はあまりにもクロウとレヴィの別行動が分かりやすいことだ。だからこそ、サイプレス側にとんでもない戦力を投入してくる可能性が高い。
エルダー側の同時襲撃を読めていない可能性、あっちがまだ分かりやすく動かない可能性を考えても良いが……」
エスメライは、書類を手に唸り始める。
「ドラグゼン側がラザラスの負傷に気づいていなくて、エルダーに1人、サイプレスに2人送り込んでくるって考えていたとしても、
どう考えても、クロウはサイプレス側に行くことになるんだよな……ダメだ、絶対に対策練られてる……」
相手が強大である以上、甘い判断をすべきではない。
黙って話を聞いていたヴェルシエラだけでなく、そこに関してはエスメライもルーシオも同意見だった。
(……。アタシが憎まれ役を買うべき場面ね)
彼らがクロウに甘いという前提があるからこそ、ここは自分が言うしかない。ヴェルシエラは、静かに重い口を開いた。
「2人とも。ここはクロウちゃんに大怪我を負わせる覚悟しなさい。
あの子がここで、ラズちゃんみたいな戦線離脱レベルの怪我をしないことに、賭けるしかないわ」
「……ッ」
過去に“それ”が無かったわけではない。
そもそもクロウ本人は、常にその覚悟を背負って戦っている。
たとえとんでもない傷を負う可能性があるとしても。それを前提とした作戦だと分かっていたとしても……彼が絶対に拒否しないことを、ヴェルシエラは分かっている。
ゆえに、この作戦に否を唱えるとすれば、目の前の2人だ。
事実、どちらも苦虫を嚙み潰したような顔をしている。
「でも……っ」
「こればかりはどうにもならないでしょう? タイミング的に、ドラグゼンがラズちゃんの負傷を把握しているとは思えない、というか思いたくないけれど、
仮にラズちゃんが動けたとしても、あの子がひとりで突破できるとは思えないわ」
それならレヴィをサイプレスに行かせればいい、という意見が出る可能性も考えていたが——流石に、この2人もそこまで馬鹿ではなかったか、とヴェルシエラは安堵する。
(勧誘時の出来事のせいでクロウちゃんへの罪悪感その他が強すぎるだけで、
別にレヴィちゃんを大事にしてないわけじゃないからね。何なら、幼いだけあってレヴィちゃんのことも相当に可愛がってるし)
動揺するエスメライとルーシオの気を引くために、ヴェルシエラは目の前の机を叩く。
「だったら、もう1つ案があるわ。というより……アタシの中じゃ、こっちが本命よ。
ギリギリまで待って、それでもクロウちゃんとレヴィちゃんを同時に動かすしか無いっていうなら……もう、これしかない」
そして彼は、困惑交じりの瞳を向けてくる2人が想定していないであろう案を口にした。
「——ロゼッタちゃんを、サイプレス拠点潜入作戦に投入しなさい」
その言葉に対し、真っ先に反応したのはルーシオだ。
「ろ、ロゼッタ、を……!?」
「えぇ。彼女は相当に魔力量が多いって話だし、ブライアの件を考えれば、咄嗟の判断力もあると認識しているわ。
少なくとも彼女なら、クロウちゃんが抱える問題のフォローができるはずよ。どこかに隠れといてもらえば……戦う必要も、ない」
竜人種の突然変異体であるロゼッタは、ラザラスとレヴィが太刀打ちできなかった黄金眼の魔力量すら、圧倒的に凌駕している。
彼女がいれば、クロウは万全の体勢で戦うことができる。
……最も、彼が『自身が抱える問題』のすべてをロゼッタに打ち明けるとは思えないが。
これが最適解だろうとヴェルシエラは判断していたが、エスメライもルーシオも逡巡している様子だ。その理由も、ヴェルシエラは分かっている。
「正気とは思えないことしてるとはいえ、ロゼッタちゃんはまだ17歳の女の子だものね。悩むのは分かるわ。
別に戦場慣れしてるわけじゃないし、今回の相方はクロウちゃんになるわけだし」
血に塗れた白鴉の姿が、彼が手にする鈍く光る刃が、脳裏を過る。
あの姿には、彼の戦う姿を見続けるには、ある種の慣れが必要だ。
ラザラスが戦うことを決意した際、現実を知って引き返す可能性を信じて、戦うクロウの姿をあえて見せ続けたことがある。
(その程度じゃ折れてくれなかったから、今のラズちゃんがいるわけだけれど)
たった17年しか生きていない、しかもドラグゼンの被害者で、救い出したばかりの少女を戦場に送り出す。
たとえ非情だと思われようが、最低だと思われようが構わないと、ヴェルシエラは意見を曲げなかった。
「……。目、閉じとくようにって指示でも出せばいいわ。戦場を見せなければ、ブライア拠点潜入作戦が大丈夫だったなら、耐えられるはず……耐えてくれるわ。きっとね」
かつて現場にいた人間としては、あまり希望的観測はしたくない。
だが、クロウを守るためには、これ以上ステフィリオンの戦力を削らないようにするには……これしか、方法が無い。
エスメライはぐっと拳を握り、覚悟を決めた瞳をヴェルシエラに向ける。
「分かりました。ロゼッタへの打診は、あたしがやります」
「……良いの? アタシが憎まれ役を買っても良いんだけど」
「これ以上は……やめて欲しいです。この会議の中だけでも、散々やってくれたんですから」
(あら、気づいていたのね)
そう思い、ヴェルシエラは肩を竦める。
「なら、後はルーシオちゃんの仕事ね。あと、サイプレス拠点潜入作戦の指揮はアタシがやるわ」
そう言ってルーシオを見れば、彼は申し訳なさそうな表情をして頷いてみせた。
「助かります。俺は多分、目の前の現場を見るのに必死なので」
「それで良いのよ。むしろ、そうしてくれないと困るわ」
ルーシオは、かつては裏の世界を知らない人間だったというのに。
それでも、残酷な世界を直視し続けている。今となってはこの組織において欠けてはならない、重要な人材となった。そこまで、成長してみせた。
「……」
もう誰のことも守れない、非力な自分のこぶしを握り締め、ヴェルシエラは息を吐き出す。
「さて、アタシは訓練場にでも行ってくるわ。何かあったら、呼び出してちょうだい」
「……分かりました。ありがとうございます」
嗚呼、せめて。
せめて、いざという時に、“時間稼ぎ”くらいはできるように。
元戦闘員としての実力と矜持をこれ以上損なわないようにと、ヴェルシエラは訓練場へと向かった。
ヴェルシエラとエスメライの動きを見て、ルーシオは冷静に説明を開始した。
「追跡班から情報が入った。まだ初動の報告でしかないが、今、来てる情報だけだと……困ったことに、またクロウとレヴィを別で動かす必要がありそうなんだよな」
「んー、また同時案件かぁ……」
同時案件。
これは戦闘員が3人しかいない現ステフィリオンではよく発生する事例だ。
ドラグゼン側も完全にこちらの状況が分かってやってきていると理解しているだけに……非常に頭が痛い問題だった。
頭を抱えるエスメライを一瞥し、ルーシオは言葉を続ける。
「ただし追跡班からは『もう少し詳細な情報抜くから待ってくれ』って話も来てる。
情報にはかなり抜けがあるし、この段階でいきなり突っ込むのは自殺行為だ。だから1週間は様子見だな。
ただ、その段階まで待っても報告内容が変わらなければ同時案件確定……ってところか?」
だが、頭を痛がっていてもこればかりは仕方がない。どうにか対処するしかないのだ。
ルーシオは地図を広げ、遠く離れた2か所を指さす。
「今回は“サイプレス”と、まさかの“エルダー”だ。フェンネル州はともかくロウリエ州を同時に動かしてくるのは、もはや嫌がらせとしか思えん……」
「ロウリエ州は初だな!? 拠点、増やそうとしてるのかな……?」
「だろうなぁ。追跡班は『本格的に動き出す前に潰した方が良い』って判断したみたいだ。
まあ、妥当な判断だな。ついでに徹底的に情報抜いてくるべき案件だろうから、こっちは俺が同行しようかと思う」
クロウもレヴィも、育った環境のせいで機械系があまり得意ではない。教え込みはしたが、こういった重要案件の場合はルーシオの同行が無難だ。
これに関しては、ヴェルシエラも同意見である。否を唱える必要はない。
ただしルーシオは元一般人な上に非魔術師だ。最低限の自己防衛こそできても、単独で戦えるほどではなく、クロウかレヴィがいなければあっけなく殺されてしまうだろう。
ゆえに、どちらかの同行は必須となる。
エスメライはもう1か所、ルーシオが指さしている場所に視線を向けた。
「……で、サイプレスの方は?」
「前々から泳がせてた施設が動いたらしい。どうも昨日、大規模な搬入があったぽいんだ。
繁殖場出身の亜人も混ざってるかもしれんが、十中八九、オブシディアンで狩られてきた亜人がほとんどだろうな」
「ああぁ……黄金眼の前例考えたら、もうそっちがクロウで確定じゃねぇか……」
最近荒れに荒れている“商品”枠として何が出てくるか分からないうえに、隣国のオブシディアン共和国が関わっている。その時点で、取引に莫大な金額が動いていそうだ。
ドラグゼン側は10年前のステフィリオン再結成時ならともかく、今のステフィリオンがこの件に気づいて動くことは想定しているはずだ。
つまり、相当な戦力を投入してくるだろう——これに対処できるのは、クロウだけだ。
ルーシオはゆるゆると首を横に振るう。
「そこまでは俺も同意見。問題はあまりにもクロウとレヴィの別行動が分かりやすいことだ。だからこそ、サイプレス側にとんでもない戦力を投入してくる可能性が高い。
エルダー側の同時襲撃を読めていない可能性、あっちがまだ分かりやすく動かない可能性を考えても良いが……」
エスメライは、書類を手に唸り始める。
「ドラグゼン側がラザラスの負傷に気づいていなくて、エルダーに1人、サイプレスに2人送り込んでくるって考えていたとしても、
どう考えても、クロウはサイプレス側に行くことになるんだよな……ダメだ、絶対に対策練られてる……」
相手が強大である以上、甘い判断をすべきではない。
黙って話を聞いていたヴェルシエラだけでなく、そこに関してはエスメライもルーシオも同意見だった。
(……。アタシが憎まれ役を買うべき場面ね)
彼らがクロウに甘いという前提があるからこそ、ここは自分が言うしかない。ヴェルシエラは、静かに重い口を開いた。
「2人とも。ここはクロウちゃんに大怪我を負わせる覚悟しなさい。
あの子がここで、ラズちゃんみたいな戦線離脱レベルの怪我をしないことに、賭けるしかないわ」
「……ッ」
過去に“それ”が無かったわけではない。
そもそもクロウ本人は、常にその覚悟を背負って戦っている。
たとえとんでもない傷を負う可能性があるとしても。それを前提とした作戦だと分かっていたとしても……彼が絶対に拒否しないことを、ヴェルシエラは分かっている。
ゆえに、この作戦に否を唱えるとすれば、目の前の2人だ。
事実、どちらも苦虫を嚙み潰したような顔をしている。
「でも……っ」
「こればかりはどうにもならないでしょう? タイミング的に、ドラグゼンがラズちゃんの負傷を把握しているとは思えない、というか思いたくないけれど、
仮にラズちゃんが動けたとしても、あの子がひとりで突破できるとは思えないわ」
それならレヴィをサイプレスに行かせればいい、という意見が出る可能性も考えていたが——流石に、この2人もそこまで馬鹿ではなかったか、とヴェルシエラは安堵する。
(勧誘時の出来事のせいでクロウちゃんへの罪悪感その他が強すぎるだけで、
別にレヴィちゃんを大事にしてないわけじゃないからね。何なら、幼いだけあってレヴィちゃんのことも相当に可愛がってるし)
動揺するエスメライとルーシオの気を引くために、ヴェルシエラは目の前の机を叩く。
「だったら、もう1つ案があるわ。というより……アタシの中じゃ、こっちが本命よ。
ギリギリまで待って、それでもクロウちゃんとレヴィちゃんを同時に動かすしか無いっていうなら……もう、これしかない」
そして彼は、困惑交じりの瞳を向けてくる2人が想定していないであろう案を口にした。
「——ロゼッタちゃんを、サイプレス拠点潜入作戦に投入しなさい」
その言葉に対し、真っ先に反応したのはルーシオだ。
「ろ、ロゼッタ、を……!?」
「えぇ。彼女は相当に魔力量が多いって話だし、ブライアの件を考えれば、咄嗟の判断力もあると認識しているわ。
少なくとも彼女なら、クロウちゃんが抱える問題のフォローができるはずよ。どこかに隠れといてもらえば……戦う必要も、ない」
竜人種の突然変異体であるロゼッタは、ラザラスとレヴィが太刀打ちできなかった黄金眼の魔力量すら、圧倒的に凌駕している。
彼女がいれば、クロウは万全の体勢で戦うことができる。
……最も、彼が『自身が抱える問題』のすべてをロゼッタに打ち明けるとは思えないが。
これが最適解だろうとヴェルシエラは判断していたが、エスメライもルーシオも逡巡している様子だ。その理由も、ヴェルシエラは分かっている。
「正気とは思えないことしてるとはいえ、ロゼッタちゃんはまだ17歳の女の子だものね。悩むのは分かるわ。
別に戦場慣れしてるわけじゃないし、今回の相方はクロウちゃんになるわけだし」
血に塗れた白鴉の姿が、彼が手にする鈍く光る刃が、脳裏を過る。
あの姿には、彼の戦う姿を見続けるには、ある種の慣れが必要だ。
ラザラスが戦うことを決意した際、現実を知って引き返す可能性を信じて、戦うクロウの姿をあえて見せ続けたことがある。
(その程度じゃ折れてくれなかったから、今のラズちゃんがいるわけだけれど)
たった17年しか生きていない、しかもドラグゼンの被害者で、救い出したばかりの少女を戦場に送り出す。
たとえ非情だと思われようが、最低だと思われようが構わないと、ヴェルシエラは意見を曲げなかった。
「……。目、閉じとくようにって指示でも出せばいいわ。戦場を見せなければ、ブライア拠点潜入作戦が大丈夫だったなら、耐えられるはず……耐えてくれるわ。きっとね」
かつて現場にいた人間としては、あまり希望的観測はしたくない。
だが、クロウを守るためには、これ以上ステフィリオンの戦力を削らないようにするには……これしか、方法が無い。
エスメライはぐっと拳を握り、覚悟を決めた瞳をヴェルシエラに向ける。
「分かりました。ロゼッタへの打診は、あたしがやります」
「……良いの? アタシが憎まれ役を買っても良いんだけど」
「これ以上は……やめて欲しいです。この会議の中だけでも、散々やってくれたんですから」
(あら、気づいていたのね)
そう思い、ヴェルシエラは肩を竦める。
「なら、後はルーシオちゃんの仕事ね。あと、サイプレス拠点潜入作戦の指揮はアタシがやるわ」
そう言ってルーシオを見れば、彼は申し訳なさそうな表情をして頷いてみせた。
「助かります。俺は多分、目の前の現場を見るのに必死なので」
「それで良いのよ。むしろ、そうしてくれないと困るわ」
ルーシオは、かつては裏の世界を知らない人間だったというのに。
それでも、残酷な世界を直視し続けている。今となってはこの組織において欠けてはならない、重要な人材となった。そこまで、成長してみせた。
「……」
もう誰のことも守れない、非力な自分のこぶしを握り締め、ヴェルシエラは息を吐き出す。
「さて、アタシは訓練場にでも行ってくるわ。何かあったら、呼び出してちょうだい」
「……分かりました。ありがとうございます」
嗚呼、せめて。
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