Marriage Interview~異種お見合い婚~

土筆祐依

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指名編

指名編⑪

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 でももう、昔の無関心な『久是空』ではない。
 応援してくれた祖父、共に戦う友人達、お見合いを通して交流を深めた姫君達。皆の顔が浮かんだ。

 ・・・まだ終わりたくない。

 若紫の笑顔が浮かんだ。

 若紫。君は俺が出て行っても無理矢理連れ戻すと笑ってくれたね。大丈夫だよ。俺は絶対自分から逃げ出したりしない。あの日君が気付かせてくれたから、俺は葵さんと向き合えている。

 今度会えたらちゃんとお礼を言いたい。ありがとう、若紫。

「・・・とても傲慢な話で消えたくなるんですが」

 ミハエルの名は伏せて、葵に全て正直に話した。

 葵は当然悪くなく、ミハエルも悪くない。全ては自分の傲慢さがもたらした結果だ。葵に恥をかかせた罪悪感は今でも残っている。
 全て話し終えた空は俯いて下を見た。これで葵が納得するとは思わない。彼女の気が済むまで、如何様な罰も受けるつもりだ。

「・・・つまり、気まずかった訳ね?お友達の顔が過ったから」

「はい。例え彼と争うことになっても、俺は葵さんを優先するべきでした。友人はとてもイイ男なんです。最終候補の三人として顔を合わせたとしても、嫌な顔一つせず正々堂々と戦うでしょう。その時は俺も、本気で戦います」

 空は真剣な眼差しは葵の心を撃ち抜いた。ドキューンと銃音が響く。葵の目にはすっかりハートマークが浮かび、空だけを見詰めていた。

「え、そ、そうなの?やだ~~!私を巡って争うなんて、ま、まぁ当然よね!!」

 葵の尻尾はブンブン揺れ、明らかに挙動不審になった。
 キャ~~!っと悲鳴を上げたかと思うと机に突っ伏し、バンバンバンっと掌で机を叩くとピタッと急停止した。
「・・・葵さん?」

 空が恐る恐る声を掛けると、葵はガバッと顔を上げた。

「理由はよ~~く分かったわ!イケメンに免じて今日はこの辺で勘弁してあげる!ネックレスありがとう!」

 早口で一気に言い終えると、葵は顔を覆いながら足早に去って行った。
 遠くから「いやだ~~~!!嬉し~~~い!」と叫ぶ葵の声が聞こえた。

 ・・・納得して貰えたようで何よりだ。

「良かったですね」

 話し掛けてきたのは黄玉だ。ドーベルマンの側仕え兼護衛は穏やかな笑みを浮かべていた。

「あれ以来、葵様も落ち込んでいらっしゃいました。空様はまだお若いのですから、女性の扱いに慣れていないだけだと慰めていたんです。ですがそれは間違いのようでしたね」

「え?」

「葵様を巡る恋の戦。この黄玉がしっかりと見届けたいと思います。最終候補の三人はもう決まったも同然ですから」

 黄玉は右手を胸に添え、空に一礼した。
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