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浮舟の章
浮舟の章⑪
しおりを挟むイフラースは部屋に戻ると、スマホを水平にして浮かび上がった絵を紙に描いていた。
残念ながら、イフラースは絵が下手くそだ。
カクカクに曲がった三角の山の絵が出来上がった。
「・・・・・」
自分の絵の出来栄えに絶望していると、空とユアンが差し入れを持って来てくれた。
詳細は控えた上で、出来上がった絵を見せると二人は絶句した。
「これなら手を貸したことにはなりませんよね?」
空は自分のスマホを差し出した。
「これで写真を撮って、加工して見れば良いんじゃないですか?俺のスマホのデータはすぐに消して下さい」
「それは良い考えですね!」
流石は現役男子高校生。思考は柔軟で現代の利器、スマホを上手く使いこなしている。
空の提案をユアンは絶賛した。
自分一人では絶対に真相に辿り着けなかった。
初めて出来た友人達が突破口を見つけてくれた。
何て有り難いんだろう。イフラースの大きな目に涙が溜った。
「空くん、ユアンさん、ありがとうございます」
「何言ってるんですか」
「そうですよ!早速やってみましょう」
「はい」
イフラースは涙を拭うと、時間は掛かったが何とか撮影に成功した。
本当は加工についても聞きたかったが、ここからは自分の力で調べるべきだ。
イフラースはアプリを入れ、コツコツと補正と修正を実践していった。
目は疲れるがやっとまともな形になってきた。
加工が面白くなってきたイフラースは消しゴム機能を使い、適当に消してみるとある事実に気付いてしまった。
どちらが本物かは分からない。
浮舟が何を以てして『本物』と判断するのか詳細は語られていない。
作者も教えられていないが、イフラースが思う『本物』は、こっちだ。
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