Dawn of the Lost Sea

ユウ6109

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第21章 審判の朝

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朝靄が晴れると、王都の広場は人々で満ちていた。Harunたちはそれぞれの役目を確認し合い、緊張の中で静かに列を作った。Rheaは証拠を巻物に整え、代理は外部の同盟者を見渡して最終の合図を送った。PhilとFerreは人垣の外で証言者を配置し、Bhelmは避難と補給の手順を最終確認した。Kadeは広場の端から警護線を張り、Mikは顔を変えて群衆に紛れ、噂と期待を巧みに拡散していた。
広場の中心に簡易の演壇が作られ、王都の事務官側の代表と修道院長が互いに体裁を整えて立っていた。事務官は冷静な口調で制度の正当性を繰り返し、修道院長は慎重に歴史的経緯を語った。だが人々の耳は既に別の音に傾いている。Harunは胸に巻物を抱え、仲間の視線を一つずつ受け取りながら演壇へと進んだ。
Harunはまず、灯台やGlass Atoll、Terrosでの出来事を淡々と語った。映像のように順を追って事実を示し、最後に修道院で確認した写しと遺構から得た断片を広場で開示した。Rheaが詠唱の断片を解説し、代理が保全契約の写しの要点を読み上げる。PhilとFerreが被害者の名簿と物流の連絡記録を提示すると、広場の空気は重く、確かな動きを見せた。
だが事務官側は容易に退かなかった。彼らは法律と秩序の盾を掲げ、Harunたちの証拠の完全性を攻め始めた。文書の真正性、証言の偏り、遺構の解釈の曖昧さ――事務官は形式的に突くことで民意の勢いをそごうとした。広場では賛成者と懐疑者の声がぶつかり合い、言葉が波のようにうねった。
その時、Philの合図で事態は決定的に転じる。隠していた追加の文書写しと、Terrosの倉庫群から回収された実物資料が公開され、事務官側が主張していた「正義のための運用」が、特定の家系と商会に利益を集中させるために使われてきた実態を露わにした。人々のざわめきは怒りへと変わり、広場の抗議は一斉に高まった。事務官の顔が青ざめるのが見えた。
抗議のうねりを受けて、王都の守備隊が動きを見せる。だがKadeとRheaが事前に調整していた街の民兵や連携する商人の隊列が守備隊との緊張を和らげ、対立は武力へとは直結しなかった。労働者や商人、修道士の末端に至るまで、広場には「説明を求める」声が統一された要求として高まっていった。
事務官は追い詰められ、ついに公式の調査委員会の設置を受け入れると表明した。委員会の構成には修道院代表、民間代表、そして外部の中立者が含まれることが決まり、即時的な監査と保全措置が約束された。Harunはこの結果を冷静に受け止めた。公開は勝利だが、問われるべき選択はまだ残る。
広場が収まりつつある午後、Harunは仲間と共に短い会議を行った。Rheaは写しと断片の管理方法を提案し、代理は同盟の強化を訴えた。Bhelmは民衆のケアと物資供給を継続する提案を出し、PhilとFerreは各地に分散させた断片の安全確認を急ぐべきだと主張した。Kadeは防衛線の長期維持の重要性を説き、Mikは情報網の再整備を約束した。
Harunはそれらを聞き、掌の中のコインをそっと確かめた。彼は決断の時が来るのを感じていた。制度の不正を暴くことは果たした。次に残るのは、断片をどう扱うか、誰に信を託すか、あるいは破壊するかという、もっと重い選択だ。だが今日の出来事が示したのは、市民の声が制度を揺るがし得るという事実だった。Harunは仲間の顔を見渡し、静かに言った。
「まずは公的な監査を待とう。そして、その間に我々ができる最大限の安全を確保する。暴力ではなく、合意で道を作るために」
仲間は頷いた。広場での勝利は始まりに過ぎない。Harunはコインを握りしめ、これから先に訪れるであろう選択と代償を胸に刻んだ。城壁の陰で、王都の夜は静かに、しかし確実に変わり始めていた。
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