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第2章『願望』

第1話 急襲

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 日が伸びたとは言え、そろそろ薄暗くなってきた。

 この辺りは、夜も人通りがあり、治安は良いほうだ。

 ……だからと言って、この少女をこのままにしてはいけない。 しかし、俺のアパートに連れて帰るわけにもいかない。

「俺、そろそろ帰るけど、君はどうする?」

 少女は「案ずるな。 ここで夜営する」…と言って、ベンチに座った。

「君の世界では安心かも知れないけど、この世界では、君くらいの年齢のは危険だよ。 誘拐でもされたら大変だ……」 ……と言った所で、まだ少し痛む自分の腕を見た。

 ……こいつをこのままにしたら、人類の存亡にかかわる! 熟慮の末、俺のアパートに連れて帰る事にした。



 数分歩くと、アパートが見えて来た。 俺は、誰か知り合いに会わない事を祈りつつ、早足で進んだ。

たいらさん」 ……うしろから声を掛けられた。 よりによって、大家さんだ!

「こ、こんばんは」 ……キョドらないように気を遣いつつ挨拶する。

「はい、こんばんは」……と言いながらも、大家さんは、少女に懐疑的な目を向けていた。

「あ、こいつですか? こいつは……」

「あたしは、衛鬼兵団えいきへいだん 司令官 『たいら ユイ』大将だ。 貴様こそ、所属と階級を申せ!」

 あっちゃ~!!
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