世界大戦勃発! 司令官はなんと…美少女! 原因は俺の片思い…。

コンロード

文字の大きさ
31 / 86
第4章『駐留』

第5話 潜入

しおりを挟む
 『株式会社アティロム』は大手総合企業で、子供達の情操教育にも力を注いでいる。 その為、恒例の七夕まつりは地域の幼稚園や保育園、小学校の生徒に短冊を配り、願い事を書かせているのだ。
 
 ご用聞きの振りをしてアティロムに顔を出すと、職員が総出で短冊を笹の葉に結びつけていた。

 残念な事に、鷹音ようおんさんはお休みだった。

 別の受付のかたにお手伝いを申し出ると、即OKをくれた。

 …差し入れてくれた冷たい麦茶に目もくれず、人一倍、高速で短冊を結んでいく俺を見て、顔見知りの広報部長が「さすが、ヘイボンさんは非凡ひぼんだね~」と、褒めてくれてるのか何なのか良く判らない声を掛けてきた。 …俺は苦笑いを返す。

 …バレないよう作業の手を止めずに、この膨大な枚数の中から鷹音ようおんさんの短冊を見付けようと必死になっている…とは口が裂けても言えない。

 数時間後、作業は終了したが、鷹音ようおんさんの短冊の発見には至らなかった。…この枚数の中から、たった一枚を探し出すなんて土台どだい無理な話だったんだ…


 疲労と失意から「ただいま」も言わず、部屋の隅でうなだれた俺を見て、ユイが「また懸案事項か?」と聴いてきた。

 今日の事をひと通り説明すると「…そうか。その『タンザク』とやらを見せてくれんか?」

 帰りがけにアティロムのスタッフさんから『お願いを書いて持ってきて下さいね』と渡された短冊を背広の内ポケットから取り出して、ユイに見せた。

 それを持ったままユイが押入れを開ける。そこは『衛鬼兵団えいきへいだん前哨基地ぜんしょうきち』に繋がる秘密の入口だ。

 …以前のように、部屋が基地化していると、誰かに見つかる危険があるので、押し入れに隠しておく事にしたんだ

 ユイが『通信参謀』を呼び出した。

 通信参謀は、画像を走査そうさしたり傍受したりするのが仕事だからか、望遠鏡やらレーダーやら、それらしい装置をあちこちに身に着けている。

 ユイが短冊を通信参謀に渡し、「これだが…如何いかがか?」と聴いた。

 通信参謀は短冊にライトを当てたり、液を垂らしたりしていたが、ユイに一礼し「可能に御座います」と言った。

 通信参謀に、アティロムの住所を聴かれたので教えると、通信参謀は、下士官を呼び出し、住所を伝えたのち、「出撃!」と命令した。
 
 『出撃』ってまさか…と妙な胸騒ぎを覚えたが、通信参謀も作戦参謀同様、一瞬で戻って来て「お待たせしました」と言って、一礼した。

 …うん、待って無いぞ。

 通信参謀のうしろには、数人の兵士が、大きな段ボール箱を抱えている。

 …中には、願い事が書かれた短冊がぎっしり詰まっていた!

 お、お前ら、まさかやっちゃったのかあ!?
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

【完結】悪の尋問令嬢、″捨てられ王子″の妻になる。

Y(ワイ)
ファンタジー
尋問を生業にする侯爵家に婿入りしたのは、恋愛戦略に敗れた腹黒王子。 白い結婚から始まる、腹黒VS腹黒の執着恋愛コメディ(シリアス有り)です。

処理中です...