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第7章『本土決戦』

第7話 悪夢

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 最近、何故なぜか夢でうなされる事が多くなった。

 そのシチュエーションは、毎回同じだ…。


*********

 突如、轟音と共に、大地が割れる。

 アパートの天井が崩れ落ちたのか、背中に激痛が走り、押し潰されてしまう!

 いくら藻搔もがいても微動だに出来ない。

 追い打ちをかけるように、肌を焦がす熱風が俺の身体に容赦なく吹きつける。

 激痛と、猛烈な熱に耐えながら、俺はある事を思い出す。

 『火災旋風』

 …科学が発達した現在に於いても、未だに、そのメカニズムが解明されていない現象の一つだ。

 震災や空襲で、大火災が発生すると、この現象が起きると言う。

 この災厄により、おびただしい数の尊い命が奪われてしまった。

 火災旋風の恐怖から逃れ、奇跡的に一命を取り留めた、ある老人は、こう証言している。

 「巨大なほのおの龍が、人々をみ込んで、天に昇っていった」

…と。

 これは、迫りくる『死』の恐怖が見せたまぼろしではない。

 火災旋風の正体は『巨大な焔の竜巻』なのだ。



 俺には関係無い事だ…と、ずっと高をくくっていたのに…。

 まさか、こんな事が起きるなんて…。

 人生って、こんな唐突に終わりを迎えるものなんだな。



 …そんなことを考えていると、それは、出し抜けに起こった。

 圧迫されていた背中が軽くなったのだ。


 た、助かった!?

*********

 …と、必ずここで目が覚める。



 まさか、俺がこんなに幸せになれる訳が無いから、目に見えない何かが邪魔しているのか?

 …何か恐ろしい事の前触れで無ければ良い…と思いつつ、不安な日々を送っている今日このごろだ。
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