上 下
57 / 86
第7章『本土決戦』

第8話 齟齬

しおりを挟む
 …先日の、落合さんのWeb小説について情報参謀や通信参謀に確認したが、案の定そんな事実は無いそうだ。

 ついでに、俺の悪夢についても聴いたら、調査してくれる事になった。



 …ユイは、この前の夜から、何か様子がおかしい。 何故か俺を避けてる? 感じだ。

 まあ、俺は鷹音ようおんさんと連絡を取り合うのが日課になっていて、ユイに気を遣う余裕は無いのだが。



 「たいらさんにも、やっと春が来たって感じですね!」

 長瀬が、笑顔で言った。  …横では、青木さんがハンカチを目に当て、嬉し泣きの真似で、俺を祝福してくれている。

 今日は、久しぶりに俺の部屋で、長瀬の昇進祝いと、俺の鷹音ようおんさん攻略作戦の進展を祝して『祝賀会』を催した。

 喜びに湧く我々人類の横で、衛鬼兵えいきへい総帥・ユイは仏頂面をしている。


 長瀬が「ユイ閣下はどうしたんです?」と聴いてきた。

 …俺も判らないんだよ…。

 青木さんは暫く考えて、長瀬に何か耳打ちした。 …そして「じゃあ、お願いしま~す」…と、俺と長瀬に声をかけた。

 長瀬は、俺に目配せして「了解! 平さん、行きましょ!」と、俺を引っ張って外に出た。

 青木さんが、ユイと話をしてくれるらしい。
しおりを挟む

処理中です...