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第3章 初めての冬越え
第27話 新しい部下(前編)
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新章です
─────────────────────
盗賊団の捕縛とその中に王国側に通じていた者が居たという旨を帝都に連絡して2週間後、皇帝直下の騎士団がやって来た。彼らに盗賊団を引き渡し、帝都周辺から連れて来られた奴隷や人質たちの保護を引き継いで貰った。
「流石【炎滅騎士】素晴らしい戦果ですな、そしてこれが皇帝陛下からの手紙と報酬でございます。連中が持ってる情報次第では追加報酬もあるとのことです」
この人、この前の弾劾裁判で会った人だわ。結構気の良いオッサンだな................。
そして皇帝からはベタ褒めの言葉が添えられた手紙と報酬がかなりの額支払われた。やったぜ。
「はは、ではくれぐれもよろしくお願いします」
「分かりました!」
これでアレクサンドラの厄介事は終わった____とも思ったんだが
「お願いします!ここで働かせてください!!!」
「貴女様の為なら何でもやります!!!」
この2人が目下の厄介事だ。例の盗賊団に捕まっていた人たちの1人でエルフ種の女性クロエ、帝都からポーション研究のためにやって来た錬金術師だという。
もう一人は行商人のドーガ、コイツに至っては金になりそうな予感がするからという理由でやって来たらしい。ちょっと、いやだいぶ怪しい。
まぁ、錬金術師も商人も欲しい人材ではある。開発して欲しいものを開発してくれる腕の良い専属錬金術師が欲しかったのだ。
そして商品を売ってくれる商人もかなり欲しかった、実を言うと現在お荷物となっているウチの商会にはまともに商売出来る者が居ないのだ。全員見習いなので送り出すにしてもだいぶ躊躇ってしまう。
だから雇ってもいいんだけど、もしもの場合に備えて今ギルドの方へ身元の確認を取っている。
「君たちの熱意はここ2週間で分かったから、あとはギルドの方で君たちの身元を____」
「領主様、商人ギルドと錬金術師ギルドのマスターたちがお目見えです。こちらに通してもよろしいでしょうか?」
侍女のナーシャが助け船という名の連絡をしてくれた。ナイスタイミング。
「分かった、5分後こっちに案内しろ」
「畏まりました」
「とりあえずクロエにドーガ、だったか?2人は隣で待機だ」
「なんで?!」
「まだ話が」
「い い な ?」
「「は、はい.........」」
うん、部屋出て行ったな。何故だろうかなり精神的にくるものあるわ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「お久しぶりです、領主様。頼まれていた商人ドーガの件です。わたくしの意見としては専属商人として任命してもよろしいと思います」
「ありがとうございます」
渡された資料を読む。なるほど、実力も経歴も申し分ない。商人ギルドから始まり色々な商会に入ってるな、それに元男爵の息子か。理由は先代にあった貴族たちの大量爵位剥奪、ようはリストラか。歴史はそれなりにあったようだが目立った功績が無かったのが爵位剥奪の原因、ねぇ。まぁ、この時の皇帝は暗君だったからな。意外と生意気だからって理由かも知れない。
「なるほど、では家臣たちと相談して決めたいと思います」
「すぐに決定はなされないんですか?」
「相談しないと怒る家臣たちも居ますので、それに最近独断決定が目立って...............」
「それはそれは.........」
年寄りの家臣たちはやれ家柄だの、やれ経歴だのを気にする人たちが多いから大変だ。この前のカドフたち3兄妹の件もかなり反発された。この屋敷で働く平民は沢山居るのに平民を雇うなって言われてもねぇ、私の母だって平民商人出身だ。
まぁ、彼らの身元は偶然居合わせた漁業ギルドのギルドマスターであるジョナサンが保障してくれたことで何とか取りなせた。奥さんを診てたのが兄妹たちの父親だったらしい。
「ではこちらが錬金術師クロエの経歴です」
錬金術師ギルドマスターから渡された資料を読む、なるほど優秀だが金遣いの荒さかぁ.........。材料費でつぎ込みやすいって所かなぁ、雇用契約で縛ればいけるか?
「確かに金遣いの荒さが目立ちますが、彼女はエルフです。エルフは信仰深く、善人かつ恩人には尽くす事が美徳とされてきました。貴女様なら恐らく手綱を握ることは可能でしょう」
エルフたちは神話の中で神々に最初に作られた種族だと言われ神に1番近い種族とされている、それ故なのか魔術に長け寿命が長い。そして信仰深さも特徴だ。冒険者時代、何度かエルフ達が住んでいる村や街へ立ち寄ることがあったが老エルフ達に会うと凄い拝み倒された。彼らにとってギフト持ちはまさしく神の申し子なのだ。
「なるほど.........ではきちんと契約内容を確認してから契約しましょう」
「是非ともお願いします」
「わたくしからもお願いします」
さて、どう家臣たちに説得させたもんか。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「やはり、仕事振りを認めさせることですかね」
ジャックが私に大量の書類を渡しながら意見を出してきた。
「ギルドマスターたちも2人の実力は認めているから保障にはなるが、もう一手欲しいな..............よし、仕事を振らせて貰おう。それで認めさせる」
「なるほど、しかしどうやって」
「考えてたことがあるんだ、それを2人には担当して貰う」
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作者の優義です。
読者の方も増えてきてブックマークなどの通知で小躍りしています。これからも頑張っていきますのでよろしくお願いします
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盗賊団の捕縛とその中に王国側に通じていた者が居たという旨を帝都に連絡して2週間後、皇帝直下の騎士団がやって来た。彼らに盗賊団を引き渡し、帝都周辺から連れて来られた奴隷や人質たちの保護を引き継いで貰った。
「流石【炎滅騎士】素晴らしい戦果ですな、そしてこれが皇帝陛下からの手紙と報酬でございます。連中が持ってる情報次第では追加報酬もあるとのことです」
この人、この前の弾劾裁判で会った人だわ。結構気の良いオッサンだな................。
そして皇帝からはベタ褒めの言葉が添えられた手紙と報酬がかなりの額支払われた。やったぜ。
「はは、ではくれぐれもよろしくお願いします」
「分かりました!」
これでアレクサンドラの厄介事は終わった____とも思ったんだが
「お願いします!ここで働かせてください!!!」
「貴女様の為なら何でもやります!!!」
この2人が目下の厄介事だ。例の盗賊団に捕まっていた人たちの1人でエルフ種の女性クロエ、帝都からポーション研究のためにやって来た錬金術師だという。
もう一人は行商人のドーガ、コイツに至っては金になりそうな予感がするからという理由でやって来たらしい。ちょっと、いやだいぶ怪しい。
まぁ、錬金術師も商人も欲しい人材ではある。開発して欲しいものを開発してくれる腕の良い専属錬金術師が欲しかったのだ。
そして商品を売ってくれる商人もかなり欲しかった、実を言うと現在お荷物となっているウチの商会にはまともに商売出来る者が居ないのだ。全員見習いなので送り出すにしてもだいぶ躊躇ってしまう。
だから雇ってもいいんだけど、もしもの場合に備えて今ギルドの方へ身元の確認を取っている。
「君たちの熱意はここ2週間で分かったから、あとはギルドの方で君たちの身元を____」
「領主様、商人ギルドと錬金術師ギルドのマスターたちがお目見えです。こちらに通してもよろしいでしょうか?」
侍女のナーシャが助け船という名の連絡をしてくれた。ナイスタイミング。
「分かった、5分後こっちに案内しろ」
「畏まりました」
「とりあえずクロエにドーガ、だったか?2人は隣で待機だ」
「なんで?!」
「まだ話が」
「い い な ?」
「「は、はい.........」」
うん、部屋出て行ったな。何故だろうかなり精神的にくるものあるわ。
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「お久しぶりです、領主様。頼まれていた商人ドーガの件です。わたくしの意見としては専属商人として任命してもよろしいと思います」
「ありがとうございます」
渡された資料を読む。なるほど、実力も経歴も申し分ない。商人ギルドから始まり色々な商会に入ってるな、それに元男爵の息子か。理由は先代にあった貴族たちの大量爵位剥奪、ようはリストラか。歴史はそれなりにあったようだが目立った功績が無かったのが爵位剥奪の原因、ねぇ。まぁ、この時の皇帝は暗君だったからな。意外と生意気だからって理由かも知れない。
「なるほど、では家臣たちと相談して決めたいと思います」
「すぐに決定はなされないんですか?」
「相談しないと怒る家臣たちも居ますので、それに最近独断決定が目立って...............」
「それはそれは.........」
年寄りの家臣たちはやれ家柄だの、やれ経歴だのを気にする人たちが多いから大変だ。この前のカドフたち3兄妹の件もかなり反発された。この屋敷で働く平民は沢山居るのに平民を雇うなって言われてもねぇ、私の母だって平民商人出身だ。
まぁ、彼らの身元は偶然居合わせた漁業ギルドのギルドマスターであるジョナサンが保障してくれたことで何とか取りなせた。奥さんを診てたのが兄妹たちの父親だったらしい。
「ではこちらが錬金術師クロエの経歴です」
錬金術師ギルドマスターから渡された資料を読む、なるほど優秀だが金遣いの荒さかぁ.........。材料費でつぎ込みやすいって所かなぁ、雇用契約で縛ればいけるか?
「確かに金遣いの荒さが目立ちますが、彼女はエルフです。エルフは信仰深く、善人かつ恩人には尽くす事が美徳とされてきました。貴女様なら恐らく手綱を握ることは可能でしょう」
エルフたちは神話の中で神々に最初に作られた種族だと言われ神に1番近い種族とされている、それ故なのか魔術に長け寿命が長い。そして信仰深さも特徴だ。冒険者時代、何度かエルフ達が住んでいる村や街へ立ち寄ることがあったが老エルフ達に会うと凄い拝み倒された。彼らにとってギフト持ちはまさしく神の申し子なのだ。
「なるほど.........ではきちんと契約内容を確認してから契約しましょう」
「是非ともお願いします」
「わたくしからもお願いします」
さて、どう家臣たちに説得させたもんか。
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「やはり、仕事振りを認めさせることですかね」
ジャックが私に大量の書類を渡しながら意見を出してきた。
「ギルドマスターたちも2人の実力は認めているから保障にはなるが、もう一手欲しいな..............よし、仕事を振らせて貰おう。それで認めさせる」
「なるほど、しかしどうやって」
「考えてたことがあるんだ、それを2人には担当して貰う」
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作者の優義です。
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