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しおりを挟む「おっちゃん……俺考えたんだけど……」
「何を」
「結婚しない?」
「…………」
「日本だと養子縁組だけど」
「…………」
「おっちゃんと俺、家族になろうよ」
なんだそのフクヤママサハルみたいなフレーズは。
いやいやいや。待て待て待て。おかしいだろ。酔っ払ってんのかコイツは。
はっ……!
まさかコイツ、まさかまさかの遺産目当て……!
「この辺の地価べらぼうに安いぞ?」
「は?」
「うちの賃貸、下手したら維持費のが嵩む時あるぞ? 手に入れてもいい事あんまないぞ?」
「はああ?」
「え、あ、ちょ」
再び組み敷かれて見上げた顔は歪んで、俺を睨みつけている。
こんな─────……
怒った湊を見たのは初めてかも知れない。
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