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46 不穏な雰囲気②
しおりを挟むまずはシャルが弓でオーガの目を狙った。1体のオーガの目に矢が刺さる。
うずくまったオーガに向かって、すぐにカレンが剣で両断する。
それを見た2体目のオーガがカレンに向かって持っていた槌で攻撃しようとする。
しかし、すぐにシャルの矢がそのオーガの目に刺さる。すぐにカレンが2体目のオーガを剣で両断する。
すごい連携だと思った。見ていて無駄がなく鮮やかだった。
やっぱりお互いを信用していて、さらに2人の実力があるからこその戦闘だった。
「すごい! 2人ともすごいよ!」
私は興奮しながら2人に近づいていく。
「そうか? ありがとうな!」
「あ、ありがとうございます」
2人は照れながら答えてくれた。
しかし、オーガを両断とはカレンはすごい。
「それよりも、このミスリル剣すごすぎるぞ! 今までもオーガを討伐してきたけど、両断できたのは初めてだ!」
「うん! すごかったよね! 私も2体目のオーガを攻撃しようとした時に驚いちゃった!」
どうやらミスリル剣によってあの両断が成立したみたいだ。
しかも、シャルもすごい興奮している。
こんなシャルを見たのは私が初めて飛行魔法を使ってワイバーンを討伐した時以来だ。
「ミスリル剣もそうかもしれないけど、カレンの剣の実力もあったからだよ!」
「そ、そうかな?」
私がカレンを褒める。
カレンは照れている。
可愛いです、ありがとうございます。
私は2人の目を盗んで、オーガに強奪スキルを使った。
名前:ヒナタ
種族:人族
年齢:15歳
職業:魔法使い
HP :178/178(+2)
MP :253/323(+1)
スキル:水魔法LV7
風魔法LV7
火魔法LV5
土魔法LV7
無限収納
威圧LV4
毒霧LV1
毒耐性LV3
麻痺耐性LV2
気配察知LV5
気配遮断LV4
隠密LV5
発情LV2
遠視LV4
気配探知LV4
自然回復LV4
身体強化LV2
ユニークスキル:強奪
ステータスを確認すると、新しく身体強化が得られた。
オーガが真っ二つにされているから、強奪できるか不安だったけど、このような欠損では問題なく強奪できるみたいだ。
それにしても身体強化か。
どういう能力なのか分からないから調べる必要もありそうだな。
試しに使ってみよう。
……うん。あまり変わった感じがしない。
筋肉ムキムキになったらどうしようかと思ったけどよかった。
このまま身体強化のままでいよう。身体の変化に気がつけるかもしれない。
「さて、依頼も完了したから帰ろうか」
カレンの言葉に私たちは頷いて、王都へと向かった。
帰る途中に気がついたが、身体強化中だと全く疲れない。
森まで移動したときは多少なりとも疲労があったけど、今は全くない。
今度余裕があったら、戦闘の時にも使ってみよう。
相手の攻撃を回避するスピードが上がるかもしれない。
王都について冒険者ギルドに行った。
すると、いつもより騒がしかった。
「何かあったのかな?」
私がそう呟くと、カレンたちも首を傾げていた。
どうやら奥の方で人だかりができている。
近くにいた冒険者に聞いてみると、どうやらSランク冒険者のケータがきているとのことだった。
あのクソ貴族を返り討ちにした好青年の冒険者だ。
この人だかりをみるとかなり人気みたいだな。
「すごい人気だな……」
カレンが呟いた。
本当にそうだよね。
確かにSランク冒険者は希少だけど騒ぎすぎだよ。まるで英雄のようだ。
私たちはこの騒ぎを無視して、受付に行って報酬を受け取った。
宿に戻ろうと3人で話していると、ケータが私の方に向かってきている。
「あなたは確か……。ヒナタさんだよね?」
覚えているんだ。
少ししか話していないのにすごい記憶力だ。
「あ、はい。ケータさんも冒険者ギルドに来ていたんですね」
「うん。しばらくはパレルソン帝国に行く予定だから、最後に挨拶に来ていたんだよ」
「あ、そうなんですね。その国では何を?」
「……ちょっとやることがあってね」
ちょっと濁したような言い方だった。
何をしに行くのか分からないけど、私には関係なさそうだね。
「そうなんですか。気をつけて行ってきてください」
「うん。ありがとう」
ケータはそのまま、冒険者ギルドを出て行った。
「ヒナタ、知り合いだったんだな」
「うーん、少し話したことがある程度だよ」
予想外の再会ではあったが、私たちは冒険者ギルドを出た。
そして3人で宿に入り、夕食を食べながら明日はまた別の依頼を受けようと話した。
私とカレンたちは別の部屋のため、別れてベットに入り眠りについた。
まだ日が登っていなく、外が暗い中で私の部屋に勢いよくカレンが入ってきた。
カレンはかなり慌てた様子で話した。
「ヒナタ! シャルが攫われた!」
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