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51 サーシャと王都デート
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みなさんこんにちは。ヒナタです。
今日は朝から王宮に行くという予想外の展開はありましたが、午後からサーシャとデートです。
カレンとシャルもいるけど……。
「さて、どこに行こうか……」
「ヒナタお姉ちゃんとならどこでも嬉しいです!」
私が呟くと、サーシャが嬉しいことを言ってくれた。
顔がニヤけてくるから、ちょっとまずい。
「カレンとシャルはどこか行きたいところとかある?」
「とりあえず、ご飯かな!」
「私は、洋服を見に行きたいです……」
そうだった。
まだお昼を食べてないね。
それにシャルは服が欲しいみたいだ。やっぱり女の子だね。
私は下着を買いたいけど。
「なら、ご飯でも行こうか。サーシャちゃんもいい?」
「はい!」
私たちは、ご飯を食べるためにお店を探しに行った。
王都に来てから、ほとんど食事は宿でしていたから、外食は酒場くらいだ。
やはり王都だからか、食事処がたくさんある。
「サーシャちゃんは何か食べたいものとかある?」
サーシャは悩んでいた。
前世で彼女に聞いたら、すぐにどこでもいいと毎回言われていたから、男だった時は結構大変だったんだよね。
それに比べてサーシャは悩んでくれている。
首を少し傾げながら考える姿はとても可愛い。
「オムレツが食べたいです!」
「いいね。カレン達はどう?」
「いいぜ!」
「大丈夫です」
ということで、オムレツに決まりました。
シャルがおいしいオムレツが食べられるお店を知っているみたいなので付いていく。
「ここです」
お店に着くと、結構な行列ができていた。
これは、30分くらいは待ちそうだな。
「混んでいるけど、ここでいい?」
「はい!」
私はサーシャに聞くと、笑顔で返ってきた。
30分くらいして、中に入ると綺麗な内装のお店だ。
メニューを見て、私は無難にトマトソースがかかったオムレツを頼んだ。
「おいしい……」
オムレツを食べると、本当においしかった。
これは人気が出るな。この行列も納得がいく。
でもせっかくならオムライスが食べたい。
全員がおいしそうに黙々と食べていたが、カレンが口を開いた。
「そういえば、ヒナタってなんでこんなにサーシャ様と仲がいいんだ?」
そういえばなんでだろう。
私が初対面でプロポーズしたから? んなわけないか。
でも、気がついたら仲良くなっていたんだよね。
「最初のきっかけは、サーシャちゃんの乗っていた馬車が街道で盗賊に襲われていたのを助けたんだよ」
「え、そうなの?」
「うん、それでサーシャちゃんにお礼として、ウルレインの街のブルガルド家の屋敷に招待されたんだ。そこで一晩一緒にいて、気がついたらこんなに仲良くなったんだよ」
正直、正確な理由は分からない。
でも、友達って気がついたらなっているからね。
「はい、ヒナタお姉ちゃんにはとても感謝しています。私は領主の娘なので、歳の近い人はお姉ちゃんしかいませんでした。なので、お友達ができて嬉しいです。とは言っても、もう1人のお姉ちゃんとして慕っておりますが」
私もサーシャは妹みたいなものだ。
大人びているけど、実はやんちゃなかわいい妹だ。
全員がオムレツを食べ終わり、次の目的地は洋服屋に決まった。
洋服屋に入ると、店員が歓迎してくれた。
「「いらっしゃいませー!」」
中に入ると、高そうなドレスや、平民でも買えるような婦人服、女性用下着、それに装飾品も揃っていた。
私は1人で下着売り場へ。
店員に話して、私のサイズに合うブラを選んでいた。
前から持っているやつでも問題はないけど、まだ大きくなるかもしれないしね。
何着か試着してみて、気に入ったブラを3着購入した。
サーシャ達に合流すると、何やら盛り上がっていた。
「カレンさん素敵です!」
「カレン綺麗だよ!」
サーシャもシャルも興奮しているようだ。
カレンを見てみると、普段と違う真っ赤なドレス姿のカレンがいた。
「……綺麗」
カレンは、長身で長髪で綺麗な顔立ちをしているが、どうも女子力は足りない。
いつもの服装は、昔の私みたいにパンツスタイルで、スカートを履いたりしているところは見たことがない。
ちなみに私はよくミディスカートを愛用している。
そんな彼女が目の前でドレスを着ている。
まるで、高貴の貴族令嬢のように美しい。
「こ、こんな格好恥ずかしいよ!」
そして顔を真っ赤にして照れているカレンは可愛すぎる。
おっと鼻血が……。
「カレン! それ買おう!」
「いやいや! こんなドレス普段着ないよ!」
「お嫁に行くときに必要だよ!」
「いや、いらねーよ!」
私は興奮して、わけがわからないことを言っていた。
でも、確かにドレスは着る機会が少なすぎる。
しかし、カレンにはこういう格好もして欲しいものだ。
すると、シャルが。
「なら、ドレスじゃなくても可愛い格好するとかどう? ヒナタさんがよく着ているワンピースも似合うと思うよ!」
よく言った!
シャルもすごい興奮している。
「女の子らしい格好なんてあたしに似合うかな」
「「「似合うよ!」」」
全員で声が揃った。
その後は、カレンを着せ替え人形にして、全員で何着も着せた。
カレンも疲れたのか、ぐったりしている。
結局、私たちが選んだ服を3着買って店を出た。
「つ、疲れた……」
カレンはかなり疲れたようだ。
私たちは興奮していて、全員がなぜか笑顔だ。
今夜にでも宿でファッションショーでもやってもらおうかな。
絶対カレンは反対するだろうけど。
夜になってきて、酒場も盛り上がってきたので、私たちはサーシャを送り届けるためにブルガルド家へと向かった。
「あれ、この奥にも人が多いけど、あっちには何があるの?」
少し街中から外れた路地にたくさんの男性と女性がいて盛り上がっていた。
「あー、あっちは……ほら」
カレンが何か言いづらそうにしていた。
そして私に耳打ちするように教えてくれた。
「あっちは娼館街だよ……」
娼館か!
私が男だったら絶対に行っていたな。
前世でも何度か……。やっぱりなんでもない。
「あ、ごめん……」
サーシャが不思議そうにこちらを見ていたが、なんとか誤魔化した。
ブルガルド家に着いて、サーシャとお別れした後、私たちは宿へと戻った。
「明日は、冒険者ギルドでも行こうか」
夕食を食べながらカレンが言ってきた。
「そうだね。いろいろあったけど、仕事はしないとね」
私たちは、夕食を食べ終えてから部屋に戻り眠りについた。
ファッションショー? カレンに全力で拒否されたよ。
今日は朝から王宮に行くという予想外の展開はありましたが、午後からサーシャとデートです。
カレンとシャルもいるけど……。
「さて、どこに行こうか……」
「ヒナタお姉ちゃんとならどこでも嬉しいです!」
私が呟くと、サーシャが嬉しいことを言ってくれた。
顔がニヤけてくるから、ちょっとまずい。
「カレンとシャルはどこか行きたいところとかある?」
「とりあえず、ご飯かな!」
「私は、洋服を見に行きたいです……」
そうだった。
まだお昼を食べてないね。
それにシャルは服が欲しいみたいだ。やっぱり女の子だね。
私は下着を買いたいけど。
「なら、ご飯でも行こうか。サーシャちゃんもいい?」
「はい!」
私たちは、ご飯を食べるためにお店を探しに行った。
王都に来てから、ほとんど食事は宿でしていたから、外食は酒場くらいだ。
やはり王都だからか、食事処がたくさんある。
「サーシャちゃんは何か食べたいものとかある?」
サーシャは悩んでいた。
前世で彼女に聞いたら、すぐにどこでもいいと毎回言われていたから、男だった時は結構大変だったんだよね。
それに比べてサーシャは悩んでくれている。
首を少し傾げながら考える姿はとても可愛い。
「オムレツが食べたいです!」
「いいね。カレン達はどう?」
「いいぜ!」
「大丈夫です」
ということで、オムレツに決まりました。
シャルがおいしいオムレツが食べられるお店を知っているみたいなので付いていく。
「ここです」
お店に着くと、結構な行列ができていた。
これは、30分くらいは待ちそうだな。
「混んでいるけど、ここでいい?」
「はい!」
私はサーシャに聞くと、笑顔で返ってきた。
30分くらいして、中に入ると綺麗な内装のお店だ。
メニューを見て、私は無難にトマトソースがかかったオムレツを頼んだ。
「おいしい……」
オムレツを食べると、本当においしかった。
これは人気が出るな。この行列も納得がいく。
でもせっかくならオムライスが食べたい。
全員がおいしそうに黙々と食べていたが、カレンが口を開いた。
「そういえば、ヒナタってなんでこんなにサーシャ様と仲がいいんだ?」
そういえばなんでだろう。
私が初対面でプロポーズしたから? んなわけないか。
でも、気がついたら仲良くなっていたんだよね。
「最初のきっかけは、サーシャちゃんの乗っていた馬車が街道で盗賊に襲われていたのを助けたんだよ」
「え、そうなの?」
「うん、それでサーシャちゃんにお礼として、ウルレインの街のブルガルド家の屋敷に招待されたんだ。そこで一晩一緒にいて、気がついたらこんなに仲良くなったんだよ」
正直、正確な理由は分からない。
でも、友達って気がついたらなっているからね。
「はい、ヒナタお姉ちゃんにはとても感謝しています。私は領主の娘なので、歳の近い人はお姉ちゃんしかいませんでした。なので、お友達ができて嬉しいです。とは言っても、もう1人のお姉ちゃんとして慕っておりますが」
私もサーシャは妹みたいなものだ。
大人びているけど、実はやんちゃなかわいい妹だ。
全員がオムレツを食べ終わり、次の目的地は洋服屋に決まった。
洋服屋に入ると、店員が歓迎してくれた。
「「いらっしゃいませー!」」
中に入ると、高そうなドレスや、平民でも買えるような婦人服、女性用下着、それに装飾品も揃っていた。
私は1人で下着売り場へ。
店員に話して、私のサイズに合うブラを選んでいた。
前から持っているやつでも問題はないけど、まだ大きくなるかもしれないしね。
何着か試着してみて、気に入ったブラを3着購入した。
サーシャ達に合流すると、何やら盛り上がっていた。
「カレンさん素敵です!」
「カレン綺麗だよ!」
サーシャもシャルも興奮しているようだ。
カレンを見てみると、普段と違う真っ赤なドレス姿のカレンがいた。
「……綺麗」
カレンは、長身で長髪で綺麗な顔立ちをしているが、どうも女子力は足りない。
いつもの服装は、昔の私みたいにパンツスタイルで、スカートを履いたりしているところは見たことがない。
ちなみに私はよくミディスカートを愛用している。
そんな彼女が目の前でドレスを着ている。
まるで、高貴の貴族令嬢のように美しい。
「こ、こんな格好恥ずかしいよ!」
そして顔を真っ赤にして照れているカレンは可愛すぎる。
おっと鼻血が……。
「カレン! それ買おう!」
「いやいや! こんなドレス普段着ないよ!」
「お嫁に行くときに必要だよ!」
「いや、いらねーよ!」
私は興奮して、わけがわからないことを言っていた。
でも、確かにドレスは着る機会が少なすぎる。
しかし、カレンにはこういう格好もして欲しいものだ。
すると、シャルが。
「なら、ドレスじゃなくても可愛い格好するとかどう? ヒナタさんがよく着ているワンピースも似合うと思うよ!」
よく言った!
シャルもすごい興奮している。
「女の子らしい格好なんてあたしに似合うかな」
「「「似合うよ!」」」
全員で声が揃った。
その後は、カレンを着せ替え人形にして、全員で何着も着せた。
カレンも疲れたのか、ぐったりしている。
結局、私たちが選んだ服を3着買って店を出た。
「つ、疲れた……」
カレンはかなり疲れたようだ。
私たちは興奮していて、全員がなぜか笑顔だ。
今夜にでも宿でファッションショーでもやってもらおうかな。
絶対カレンは反対するだろうけど。
夜になってきて、酒場も盛り上がってきたので、私たちはサーシャを送り届けるためにブルガルド家へと向かった。
「あれ、この奥にも人が多いけど、あっちには何があるの?」
少し街中から外れた路地にたくさんの男性と女性がいて盛り上がっていた。
「あー、あっちは……ほら」
カレンが何か言いづらそうにしていた。
そして私に耳打ちするように教えてくれた。
「あっちは娼館街だよ……」
娼館か!
私が男だったら絶対に行っていたな。
前世でも何度か……。やっぱりなんでもない。
「あ、ごめん……」
サーシャが不思議そうにこちらを見ていたが、なんとか誤魔化した。
ブルガルド家に着いて、サーシャとお別れした後、私たちは宿へと戻った。
「明日は、冒険者ギルドでも行こうか」
夕食を食べながらカレンが言ってきた。
「そうだね。いろいろあったけど、仕事はしないとね」
私たちは、夕食を食べ終えてから部屋に戻り眠りについた。
ファッションショー? カレンに全力で拒否されたよ。
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