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71 図書館で勉強する①
しおりを挟むみなさんこんにちは。ヒナタです。
先日は王宮に行って、泊めていただくというなんとも居心地の悪い環境で過ごしました。
だって、お風呂に入るにもメイドさんが常に付き添ってくるし、私の身体を隅々まで拭いてくるし、寝る時なんか寝室の扉の前で護衛の騎士がずっといるしで、もう全くゆっくりできなかった。
朝食だけご馳走になってお暇したよ。
その後は前回と同じ宿に泊まっていたカレンたちと合流した。
「まさか、王宮に泊まっているとはね」
私だって嫌だったよ。
でも断れないじゃん?
「ごめんね。私の宿代が一泊分無駄になって……」
「それくらいは別に……」
とりあえず今日は自由行動をしよう。
ちょっとやりたいことがある。
まずは、新しくケートスから強奪した無属性魔法について知りたい。
それとケートスを倒した時の岩石弾の威力についても。
あの威力の岩石弾を解明できればかなり使い勝手が良くなる。
岩石弾については王都の外に行って試すから、最初は無属性魔法のことからだね。
「ねぇ、2人に聞きたいんだけど、王都には魔法書が自由に読める場所とかってあるの?」
いわゆる前世で言うところの図書館だ。
図書館ならたくさんの本があるだろうし、王都なんだから古い書物もあるだろう。
無属性魔法について記載されている書物があるかもしれない。
「確かありましたよ。なにか調べごとですか?」
「うん、ちょっとね」
「なら今日は3人自由に行動しようか」
ということで、私はシャルから教えてもらって図書館に向かった。
かなり大きな図書館で、思っていたよりも人が多い。
特に学生が多いようだ。真面目な学生がいるもんだね。
私が学生の頃なんか図書館なんて行ったこと無かったよ。
「あの、魔法書はどこにありますか?」
私は受付の男性に声を掛ける。
受付には3人の男性がいた。
「それでしたらBの8番から14番の書棚ですね。ちなみにですが、図書館の利用は初めてですか?」
「はいそうです」
どうやら本の種類によって分類分けされているみたいだ。
きっちり管理されているようだ。
「でしたら注意事項があります。当図書館では書物の貸出はしておりません。昔に利用者が返却せず紛失することが相次ぎましたので」
あー、そういうこともあるか。
前世でもありそうなことだもんな。
それにここは異世界。パソコンで管理しているわけでもないから全ての本が管理できるわけもない。
だから盗難防止のために図書館の出入り口にも人がいるのか。
でも私みたいに収納スキル持ちの場合はどうするんだろう。
いや、私は盗まないよ?
「そうですか。わかりました」
私はすぐに魔法書が置いてある書棚に向かった。
「すごい数だ……」
ブルガルド家からも貸してもらったが、言っても10冊ほどだ。
でもこの書棚には1000冊はありそうだ。
「これなら無属性魔法について記載している魔法書もあるだろう」
私は一冊ずつ注意して本のタイトルを確認していく。
初級魔法、中級魔法、上級魔法、神級魔法、魔法理論、魔法陣構成、詠唱省略魔法、無詠唱魔法、多重詠唱魔法、固有魔法、混合魔法、火魔法、水魔法、風魔法、土魔法、光魔法、闇魔法……色々あるな。
本がありすぎて大変だ。
気になるものもあるが、今は無属性魔法についてだ。
その後も本のタイトルを見て、気になったものは中身も読んでいたが、気になるタイトルがあった。
「失われた魔法……」
なんとも興味を惹かれるタイトルだ。
本を開いて内容を確認すると、どうやら遥か昔にあまりにも強大な魔法のため禁忌魔法として使用を禁止したようだ。
禁忌魔法として扱われた魔法は、行使すると処罰の対象となっていたため、当時は誰も使わなくなったことから、今では失われた魔法として書物だけは残ったみたいだ。
調べてみると、今よりも昔の方が魔法は優れていたように感じる。
今でも十分便利ではあるが、昔は領地を巡っての戦争が頻繁に行われており攻撃性が高い魔法が行使されていたようだ。
そのためか、戦争も終結に向かい強大すぎる魔法は更なる争いの種になる可能性があるから、当時に各国で禁忌魔法を取り決めたみたいだ。
そうすることによって無駄な争いで余計な血を流さないようにした。
なんとも平和的な解決方法だ。
しかし、これによって魔法技術が衰退したのが惜しい。
でもよく確認すると、禁忌魔法として扱われたのは主に攻撃魔法のみ。
大規模魔法がほとんどだ。
中には魔法一つで街を消滅させることもできたみたいだ。
それは恐ろしすぎる。禁忌魔法にして正解だ。
禁忌魔法には転移等ができる空間魔法、時間を操る時空魔法があった。
文字だけでもなぜ禁忌魔法となったのか分かるくらい危険な魔法だ。
さらに読み進めていると、無属性魔法についての記載があった。
「見つけた……」
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