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使徒類
しおりを挟む電池と聞いて一般的なのは化学式電池だろうか?古くは塩水の壷に金属片を二本挿し込んだら電極と生った。―――から始まり機械式、物理式、熱交換、超電導と種類も増えて行った。面白いのには機械式のフライホイールや物理式のナノ構造シート等が有るだろうか。
海上布設型研究都市で使用されているのは使い勝手の良い金属空気電池、ナトリウムやマグネシウムを蒸着固化してパックされた物である。生体機械は電池と云うか・・・デザインされた格子構成の枠が超伝導に似た効果を発生させ電子を桁外れの単位で綴じ込め、解放する。又は量子力学のエネルギー情報変換で位相圧縮に繋がる無限の凝縮―――無限の重ね合わせ状態が発生する・・・元になるエネルギーは必要だが。
使徒類魔型化身タイプ『魔法少女』はエネルギーの蓄積、解放に特化したタイプだ。三大新脳樹のサポートが在れば、新たな宇宙を創造したんじゃないかと思える程の力を発揮する。でも個の持つエネルギー範囲内での話になる。
猫叉の悪ふざけで選ぶ事無くソレにされ、巫女は当然怒りはしたがまだ身体が上手く動かせていない。人間以上の力が出せるし、運動能力もそれ以上だ。下手を射てば暴走して周囲を破壊するか海に落ちる。口惜しがる巫女を当然神様は見捨てはしなかった。
しらたま(テレポートなんて冗談じゃねぇぞ!量子転送はポートが必要だし、まだ同時再構成が出来無いから『魂』が壊れる、三女神のサポートに拠る位相圧縮空間内での『縮地』かよ!?)
どうやら三大新脳樹達、特にウルとヴェルが面白がっているらしい。
******************
樹精端末『連続体の総量が、人型形成可能な規定値にまで達しました』
しらたま(あーちみちみ、此方のご老人に使徒類魔型化身タイプ『魔法少女』、取り敢えず二体ね)
樹精端末『はい承りました、生体情報より女性体での擬似成育過程を・・・お待たせしました。では、此方の用具と衣裳でお好みの容姿等を選んで下さい』
えーとなになに?十~十二歳くらいにしては背丈がひく・・・げふん、長い艷やかな黒髪の凛々しい娘さんが表示されている。衣装はどれもひらひらフリル付きだ。
五十六「自分の好みで選んで良いのか・・・おい猫叉、何で二体なんだ?」
しらたま(意識の統合時に本体の傍に共有化身が一体居た方が・・・いや、何でも無い)
生体機械に生る覚悟を持って、今こうして・・・んな設定もう良いか?五十六は半分以上聞き流していた様で、サクサク選んでゆき・・・やがて連続体が収束し、最初の一体が装置の間に浮かんでいた。ふわふわ浮かんで下からの光に輝らされる其の姿は中々に神秘的だ。
樹精端末『おめでとう御座います!貴方の半身が誕生致しました!!其れでは拡張接続を行います。何時もとは違う自分を楽しんで下さいませ』
―――逃走ちう―――
一体目の化身はオリジナルの基本体と為り、その魂情報を元に生体機械側の認証等が行われる為・・・取り消す事は出来ないのだ!・・・別に五十六が憎いとか、そう言う訳ではさらさら無い。ただ・・・・・・面白そうだったから、デス!!
!?・・・おおぅ、猫叉の頭が半分翔んだ。
五十六の奴め、身体に慣れるのが早い。此方も人型に成らないと相手出来そうに無いな、こりゃ。直ぐ様、他の猫叉を呼び出す。此方も潜入工作の為に数を殖やして現総数192体。だが巫女の速さに合わせる為、何時もの24体で良いだろう。他は拡張意識野補助だ。
建物の陰に入る也、気配を消し周囲の色と同化する。巫女が目の前を走り去る。猫叉は同化したまま、ソロソロと集合地点を目指した。
しらたま(よし!皆んな合体だ!!)
猫叉24体((((((((((にゃ~!))))))))))
一斉に溢れ出た光り輝く虹色の糸が歪みに囚われ、歪みは徐々に人型を形成していき・・・弾けると何時もの白髪金目の猫耳尻尾少年が顕れた!・・・って、あれ?
しらたま「耳と尻尾が消えない・・・?」
五十六「・・・其処かぁ!」
少年が立っていた場所に雷を纏わり付かせた薙刀が振り降ろされると、帯電した空気が圧力を伴って僅かに身を反らし躱した少年を弾き跳ばした。自分から跳んだのかふわりと着地する。
しらたま「流石は使徒類、出力が段違いだなぁ?」
五十六「素直に喰らって、痺れて取っ捕まっておきゃあ良いモノを・・・貴様、面白半分で説明しなかったな?」
しらたま「其の貴様好みの姿を創るのに夢中で、半分以上聞き流して居たじゃねぇか」
五十六「・・・まぁ、終わっちまった事は仕方がねぇ。だがなぁ、一発殴らせろっ!」
互いにイイ!笑顔で向かい合う、何方もワクワクが治まらない様だ。其処へ―――
未緒「あーっ!ズルいぃっ、ふたりだけであそんでるぅ!!」
******************
未緒「未緒も五十六ちゃんみたいにかわいいカッコしたいっ!」
五十六「い・・・五十六ちゃん・・・かわ」
巫女がorzと為る。だが未緒はまだ子供、健全な発育の為に身体をアバター席に縛り付ける訳にはいかない。
みたらし「分かりました未緒様。このみたらしが変身セットに生って、魔法少女にさせてさし上げます」
未緒「こしあんつぶあんにもフリフリきせるのー・・・ホント?!おねぇちゃん」
みたらし「お任せ下さい(ぐふっ、衣裳に生って未緒様のお肌に密着♡一心同体)」
逃げよーとした犬子鬼兄を捕まえ・・・スクルドを呼ぶ。
しらたま「変身プログラムを組んだハムスター達の意識野施錠をして貰えるか?特に衣裳関連」
スクルド「そうですね、厳重に管理して置きます」
かくしてorzがもう二人増え、変身後の未緒の容姿を仮想構築してゆくと・・・。
髪はおかっぱからゆるふわウェーブ、リボン付きの髪飾り、チョーカー、白いふわふわしたノースリーブにサラリとした肩掛け、両腕のラップブレスレット、ピンクのポシェットにフリルスカート、ハイソックスに赤い靴、ハムちゃんずステッキで落ち着いた。
餡粉兄妹は変身時にやや小さく成るが・・・セーラー帽にフード付きセーラージャケット、其々にフリル短パンとフリルスカートである。手には玩具の様な短小銃と短機関銃を持っている。
しらたま「こんなもんかな?・・・こしあん、男は諦めが肝心だ。其れに元々可愛・・・げふん、格好いいゾナもし」
こしあん(アニキ、ぜってー面白がってる)
ワシャワシャと撫でて誤魔化す。未緒と犬子鬼妹は少女とマスコット的な立場で変身シーンの練習ちう、ホレ、混ざってコーイと送り出すと、犬子鬼兄は死んだおさかなの様な瞳に為った。
未緒「あ、あんなトコロでorzになってるヒトが!・・・こしあんちゃんセリフー」
魂の抜け掛けた首がぐらんぐらんと揺さぶられる犬子鬼兄、耐えろ!じゃ無くて吹っ切れ!その先にナニかが見える筈だ!!・・・タブンネ?
餡粉兄妹(ぐぇぇ、orz?・・・orzをタスケルってドウヤッテェー?!)(へんちんだー!)
未緒「え・・・そうだ、へんしんすれば『みんなかいけつ!』だヨネッ?それじゃ『へんしーん!』」
何だコリャ?混沌が混沌を呼び、どうしてンな答えに成ったのか?・・・ウルの分類集積物から、ヘンな魔法少女モノの漫画でもオフザケで視せられたのカシラん(怒)?
兎も角、変身が始まる。ハムスター達が虹色の糸から煌く幾つもの輪環に成り、服を解きつつ歪みを纏い付かせて征く。歪みが衣裳の形に成り、輪環から糸が解けて編み込まれ歪みに吸い込まれて逝くと―――弾ける様な音を伴い、魔法少女とマスコット二体が顕れた。
未緒&餡粉兄妹「((まほーしょーじょにおまかせだよっ!」………)まかせー!)
******************
orz巫女と共に少年が吹き飛ばされる、ヤッたのは魔法少女姿の未緒だ。何せ海上布設型研究都市のあらゆる補助を受けられる立場なのだから。先ずはテキトーな命令から―――
餡粉兄妹(・・・で、どーすんですか?)(まほう、まほうっ!)
未緒「んー、とりあえずぅ『orzじゃ亡くな~れ』のまほうっ!」
みたらし(((未緒様以外、どうでも良いから証拠隠滅?)))
―――莫大な力に焦んがり(焦げ付き一歩手前)と焼かれ、人工浜に頭から突き刺さる二体。・・・波に攫われて逝く。
しらたま「ホントに亡くなるわっ!・・・取り敢えずで人類滅ぼせるゾ」
五十六「なぁ、猫又よ・・・。嬢ちゃん居れば俺達必要ねぇんじゃ無いか?」
消波基礎に引っ掛かりつつ虚しいツッコミ処満載の状況を嘆く声は、ダイイングメッセージが遺されたブロックと高波の弾ける『―完―』の背景と共に消えて逝くので遭った・・・。
しらたま&五十六「「待てやコラッ!勝手に死なすなっ!!」」
みたらし(((チッ)))
こいつ・・・今っ!空間創造で確率操作までしやがった!!
今の未緒は化身で云うと『越神類級(仮)』だ。(仮)なのは重力統合が完全では無いからだが―――スクルドが言うには重力の先、宇宙創世と同時に別れた抽象的な概念の力が戻り、相転移を起こす可能性があるそうだ―――其れでも現時点での全統合神格の粒子密度と創造演算は使徒類級とは桁が違う、未緒が変身した今の巫女では補助受けて無いだろうから尚更だ。
しらたま「未緒に良く考えて・・・いや、この場合みたらしが悪い。承認プロテクトを組まねば・・・とっとこ?あのみたらしステッキ折るか」
五十六「しかし凄い威力だったな、俺の衣裳もボロ襤褸って―――波に攫われちまっ?!・・・ありゃ、貴様も俺も付いちゃいねぇんだな」
しらたま「あぁ、生体機械は自己増殖、改造出来るからな。性別は精神構造的なモノで、性徴予測で男なら筋肉、女なら胸の膨らみくらいが目立つか、まぁ、大体無性中性みたいなモンだ」
五十六「確かに貴様の猫叉姿は中性的だな、俺は・・・お、少しだが膨らんで?・・・なんだか悲しく生って来るのは何故だ・・・」
しらたま「取り敢えず、服飾情報で創ろうぜ・・・着る服をな」
―――戻るとステッキが調子に乗ってやがった。巫女と目を合わせ行動開始、速攻だ。
猫叉一匹に戻り、残りの全個体で巫女の演算補助、手首を切り離し巫女に預け突貫、なけなしの演算で周囲の色と順次同化、気配を消し嫌がらせの様な攻撃を繰り出す。苛立つステッキが周囲に擬似重力を発生させ、捕われた猫叉が姿を顕し圧し潰される。更に力を叩き突けられ・・・勝ち誇ったステッキが猫叉の笑みに訝しげな顔を―――凍り憑かせた。
ステッキが落ち、静かに近付いた巫女が踏み折ると全てが解ける様に崩れて逝った。
しらたま(感情に左右され過ぎだ、吾輩一人倒した位で他はゴミ扱いか?どんな奴らだろうが命のやり取りなら最後まで徹底的に潰せ。ひっくり返されるぞ、鼠)
******************
小さいと云えど、位相圧縮空間での縮地が可能で助かった。ステッキの意識外からプログラム制御肉球を触れさせ、凍結制御発動。何が起こっているのか判っていない未緒を解放することが出来た。餡粉兄妹も変身を解く。
未緒&つぶ「みんなボロボロだけどおもしろかったね!しらたまちゃん」(ドキドキしたー・・・)
しらたま(未緒よ、生体繊維が纏わり着いてるが裸のまま吾輩を抱いて帰ろうとするんじゃない。五十六、服飾情報から服を創って未緒に着せてやってくれ)
五十六&こし「おう、だが貴様・・・その身体」(大丈夫なんですよね?アニキ)
しらたま(共有化身達が居れば大丈夫だ。全滅しない限り魂の死は無い、人型に成れば元に戻るしな)
今回の事で承認プロテクトが何重も掛かるだろう、みたらしは珍走気味の神格に根本的な矯正が入るかも知れない。
幼子に力を使わせるのだから、てっきり枷は完璧に構築して在るものと信じた自分は馬鹿。使う者次第と云う事か・・・未緒には喰う為以外、遊び半分で同族殺しが出来る事の意味を教え込―――死んだ祖父の遺志を―――繋いで―――
二つの鍋を前に考え込んで居た様だ。元の出汁は海鮮鍋の残りだったりする甘口と中辛のシーフードカレー、海老烏賊貝柱にゴロゴロ野菜を一昼夜煮込んで在る。
未緒「おうちカレー!どんなのかなー?」
五十六「お、良い匂いさせてるじゃねぇか!」
餡粉兄妹(オイラは辛い方で!)(くんくん、にへ~)
じゅわぁっと音を立てて白身魚、鮃の厚衣カリカリフライが揚がる。鱈は居なかった。濃いおたふくソース風のデミグラス?ソースとサッパリ香味野菜を効かせたタルタルソースを編み状に掛け、盛ったカレー皿の上に載せる。
大根と昆布、胡麻の甘漬けと氷水を添えて、と。
しらたま(おまっとーさん!)
ほこほこと湯気を上げる『海の幸てんこ盛り?カレー』が列んだ。先ずは様子見だ。
五十六「本土の高級店も真っ青だな。む、衣から溢れた鮃がホロホロ過ぎるぞ!」
未緒&つぶ「ウーマーイーぞっ!?・・・はむはむ、んきゅっ」(うまうま~♡)
こしあん(!・・・・・・アニキー(泣)
しらたま(ふふっ、ほれ、甘い方だ。こっちを喰え、其れは吾輩が喰ってやる)
猫叉は甘口も辛口も何方も好きだ。やはり犬子鬼兄は無理だったか、念の為に甘口に手を着けないで置いて良かった。直ぐに交換してやる。
鮃は五枚卸しの皮にバーナーで焦げ目を付け炙り、チーズに魚油とほんの少しバターを加え程々に焼いたモノを鮃に載せ、崩れない様に厚めの衣とパン粉を纏わせ揚げてある。食感を愉しんで貰えた様だ。
皆んな汗をかいて良い喰いっぷりだ。早速、未緒と犬子鬼妹がおかわりを要求して来た。ふふふ、まんまるポンポコ腹にしてやろうかっ!動けなく成って後悔するが良い。みたらし達も・・・まだ此方に食べに来ない、三大神脳樹達は統合神格の調整がまだ終わらないのだろうか?
******************
その時ハムスターが一体、猫叉の頭の上に落ちて来た。
しらたま(来たか、今夜はカレー)
ヴェル(・・・出し抜かれました)
表情の無い、ナニかが滲み出る様な声。
ヴェル(ソ連、蒙古合同のノモンハンに集結しつつ在った師団単位はダミー)
女の、いや、掌握特化の傷付けられたプライドが氷を融かさず煮え滾る。
ヴェル(ソ連軍八個師団程度が、シベリア帝国のハバロフスクを陥し、ウラジオストクを目指して南下、目下進軍中です)
元の次空では歴史には無い国の、歴史には無い出来事が、雪解けの泥濘の中で血と鋼鉄の嵐を巻き起こし白を赤に染めて逝く。
******************
玖話了。
まほーしょーじょ・・・面白くなったのかねチミ?・・・ハゥッ!持病ガッ!!
此処まで読んで下さり本当に有り難う御座います。でわまた。
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