Jack of all traders

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本編!

FILE.2 記録係と用心棒

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あらすじ

もっちーが誘拐されました。((

*****

「…ん、と、あれ…?」
目を覚ますと、見慣れない天井。
いつも敷布団で寝ているのに、
新品のようなベッドで寝ていた。
「目が冷めましたか、主人」
それに、聞き慣れない女の人の声…


えぇぇぇえぇええええ?!
ここどこぉ?!

……はっ、そうだ僕、
「誘拐されたんだった!!!!」
「…ゆう、かい……?」

あれ、この人、誘拐した人じゃない。
「あれ…?あれあれ…?」
「誘拐というのは、詐欺師とハッカー、
または泥棒やピッカーの事でしょうか」

「えと、それはどういう…」
「初めまして、私は用心棒でございます。
記録係に仕えるよう派遣された者です。」
?????
「え?ええ?」
「…何も、聞いていないのですか」

それから、僕は色んな事を教えてもらった。
このなんでも屋、すなわちJack of all tradersジャックオブオールトレイズ
は、人から依頼を受け、その任務を遂行する
組織だという事、それから、
その記録係という役職を僕に任せたかったとの事。
僕は記憶力以外はほぼほぼ無力なため、
僕を守るために用心棒さんが雇われたという事。
僕をここに連れてきたのは、
詐欺師さん、ハッカーさん、泥棒さん、
ピッカーさん、そして車の運転手さんだそうだ。

「あの、僕の為にそんな、用心棒なんて、」
「気にしないでください。もちろん、
私が気に入らなければ、他の者に代わりますし、
私はそういう身分で生まれてきた人間ですので、
貴方に仕えることになんの抵抗も嫌悪もありません」
「で、でも…」
「出来る限り、尽くさせて頂きますので、
どうか、そんな顔なさらないで下さい」

この人、こんな仕事以外に道はないのかな。
ひたすら言う事だけを聞くなんて、
そんな仕事、僕はやりたくないな。


…っていうか。

なんか僕が記録係になること決まってない?!
ちょちょちょ、待って!!!
「あの、僕は何をすれば、」
「記録係の仕事は、客、または仕事先の相手の
顔や車のナンバーの記録が主な仕事です」

あー、それぐらいならできそう…


じゃなくて!!!

「あの、申し訳ないんですけど、
お断りさせてもらってもいいですか」
「心配しないで下さい、最初は
皆そんな感じですから」
いやいやいやいや…。

「家族もいるし、高校もあるし、
悪いけど、ここの人達もまだ信用出来ないんです」
だから返してくれぇ…

「安心してください。
家族の皆様は説得、高校はここから
車でお送り致します。また、ここの人間の
安全性に関しては、私が保証致しますので…」
うわああああ!!
もう話がつけられてる!!

「あの、みんなこんな感じで
働きに入るんですか?」
「いや、こちらから勧誘、というのは
運転手と主人ぐらいですかね」

え…

「てことは、皆自分からこの仕事を
したいと名乗り出たんですか…?」
「まぁ、ここは頭のおかしい人間が
揃っていますからね」

ええええ…
安全性証明するっていったのに…
今の所不安しかないよ?!

「もちろん、給料は他と比べ物にならない
額をお支払致しますし、生活も
こちらが全面サポートさせて頂きます」
……
…………
………………
どうしよう。
なんか、結構いいかもしれない…

それに、断ったら断ったでしつこく
付きまとわれて、しまいには脅迫なんてことも…
いやいや、この時点でもう脅迫同然だけど…

「…僕が断ったら、用心棒さんは
どうなるんですか?」
「私…ですか?私は、そうですね、
また、地下で労働する生活に戻ります」

そっか、そうなんだ。
用心棒さんは、今までずっと、
地下で新しい主人の為にずーっと、
最高のサポートが出来るように訓練されているんだ。
それも、女の人なんかに。
働いても働いても幸せになれないのに、
彼女達はそこから逃げることを許されない。
きっと、こんな感情の起伏がない彼女でも、
知らせを聞いた時には、きっと嬉しかったのだろう。
やっと、少しはマシな生活が出来ると。
自分の事を使ってくれる主人が来たと。

僕なんかが断ったりしたら、
また、彼女は拘束される。
僕に、彼女をすこしでも幸せに出来るだろうか。
今までの事、全部忘れて、笑顔に出来るだろうか。
いや、僕が、笑顔にしなきゃいけない。

答えを告げた彼女の瞳が、
これまでの辛さ、苦しさを物語っていた。

「…ます」
「え?」
「その仕事、受けさせてもらいます!」
これでいいんだ。
これで彼女を幸せに出来るなら。

「そう…ですか」
「…ありがとうございます、主人」
そう言って、用心棒さんは、
僕に向けて、少しだけ、本当に少しだけど、
幸せそうに笑ってくれた。







to de Continues…
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