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24話 恩返しは復讐で
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「ノエル、先ほどは本当にすまなかった」
「ディゼ様!? 頭をあげてください!!」
再び平穏が訪れた研究所。
嫌な事があったなーと若干不機嫌な思いを抱えつつ仕事をしていると、帰ってきたディゼ様が私に頭を下げてしまった。
申し訳ない気持ちもわかるが、そこまでしなくても。
「暴言の一つや二つ、言われ慣れております。今の私の地位も他の貴族からすれば笑い話にしやすいですから」
「だからといって従者に好き放題言うのは間違っている。本来なら王家に一言物申したいが……はぁ」
その優しさは凄く嬉しい。
ディゼ様は本当に身分関係なく人を見て下さる方なのですね。
「そういえばずっと悩んでるよね。同じ侯爵家だから、にしては随分手を焼いてるみたいだけど?」
「ウェルキス家は昔から妙な力を持ってるからね。雑に扱えばファニング家が危ない」
そこまで?
いくら力があるとしても、隙だらけのラブメア様なんてあっという間に潰されそうだけど。
「ラブメア様の愚行は何故許されているのですか? 伯爵家のマゼンならまだしも、王妃に近いと言われている立場にしては自由すぎます」
「逆だよ。ラブメアを王妃にしたい派閥が多いのさ」
「彼女を?」
王妃に相応しいの?
顔だけはいいけど、品性も態度も最悪な侯爵令嬢を王妃にしたいなんて一体……
「自由でワガママ。だけど他の貴族からすれば、子供のような願いを叶えるだけで気に入って貰える宝のような存在だ」
「……まさか、自分の意のままに操れる王妃を?」
「その通り」
そういう事か。
お飾りの王妃としてラブメア様は最適なんだ。
隙が多く操りやすいから、都合のいい事を押し通しやすい。
彼女の欠点がこんな形で役立ってしまうなんて。
「王家もよくない噂は多いけど、何も悪化させる必要はないよねぇ」
「わかっている。民の未来を私利私欲で潰していいわけがない」
「ディゼ様……」
そんな愚行をディゼ様は許さない。
ラブメア様に対して厳しい態度を取り続けるのはそういう事だ。
「ラブメアと表面上は仲良くしているが……隙はまだ見えない」
「過去の浮気相手を全部バラしたら?」
「王家や公爵家に伝えても絶対に揉みつぶされる。ウェルキス家のコネを甘く見ない方がいい」
「じゃあ八方塞がりですか……」
だけど時間は残されていない。
ラブメア様の悪評が広まれば、その隙を利用したい貴族層が増え、やがて手の付けられない程巨大な派閥に成長してしまう。
そうなってしまえば誰も止められない。
(何かいい案はないかしら)
黒い噂でいっぱいの貴族社会。
私利私欲に支配されるこのピンチをなんとかしたいディゼ様。
今まで助けてもらってばかりだから、少しでも力になりたい。
でも貴族ですらない私にできることなんて……
「あっ」
「どうしたのノエル?」
そうだ、その手があった。
「ラブメア様が民衆に顔を出す機会はありますか?」
「一週間後のパレードに出席する予定だ。顔だけはいいし民衆からチヤホヤされる瞬間がラブメアは好きみたいだからね」
いい機会だ。
民衆の目に触れるというのはむしろ好都合。
貴族に訴えるのがダメなら、民衆を利用すればいい。
後は起爆する材料をそろえるだけ。
「ノエル? 一体何を考えてるの?」
「私達の元にはちょうどいいエサがいます」
「エサ?」
かつて私を利用して再び地位を取り戻そうとした愚かな伯爵。
私利私欲にまみれて、愛する人に再開する為に元婚約者に迫った醜い人。
「マゼン・オルクス。彼に最後の仕事をしてもらいましょう」
彼に少しだけ希望を与えましょう。
きっとやる気満々で引き受けてくれるはず。
ふふふ……
「ディゼ様!? 頭をあげてください!!」
再び平穏が訪れた研究所。
嫌な事があったなーと若干不機嫌な思いを抱えつつ仕事をしていると、帰ってきたディゼ様が私に頭を下げてしまった。
申し訳ない気持ちもわかるが、そこまでしなくても。
「暴言の一つや二つ、言われ慣れております。今の私の地位も他の貴族からすれば笑い話にしやすいですから」
「だからといって従者に好き放題言うのは間違っている。本来なら王家に一言物申したいが……はぁ」
その優しさは凄く嬉しい。
ディゼ様は本当に身分関係なく人を見て下さる方なのですね。
「そういえばずっと悩んでるよね。同じ侯爵家だから、にしては随分手を焼いてるみたいだけど?」
「ウェルキス家は昔から妙な力を持ってるからね。雑に扱えばファニング家が危ない」
そこまで?
いくら力があるとしても、隙だらけのラブメア様なんてあっという間に潰されそうだけど。
「ラブメア様の愚行は何故許されているのですか? 伯爵家のマゼンならまだしも、王妃に近いと言われている立場にしては自由すぎます」
「逆だよ。ラブメアを王妃にしたい派閥が多いのさ」
「彼女を?」
王妃に相応しいの?
顔だけはいいけど、品性も態度も最悪な侯爵令嬢を王妃にしたいなんて一体……
「自由でワガママ。だけど他の貴族からすれば、子供のような願いを叶えるだけで気に入って貰える宝のような存在だ」
「……まさか、自分の意のままに操れる王妃を?」
「その通り」
そういう事か。
お飾りの王妃としてラブメア様は最適なんだ。
隙が多く操りやすいから、都合のいい事を押し通しやすい。
彼女の欠点がこんな形で役立ってしまうなんて。
「王家もよくない噂は多いけど、何も悪化させる必要はないよねぇ」
「わかっている。民の未来を私利私欲で潰していいわけがない」
「ディゼ様……」
そんな愚行をディゼ様は許さない。
ラブメア様に対して厳しい態度を取り続けるのはそういう事だ。
「ラブメアと表面上は仲良くしているが……隙はまだ見えない」
「過去の浮気相手を全部バラしたら?」
「王家や公爵家に伝えても絶対に揉みつぶされる。ウェルキス家のコネを甘く見ない方がいい」
「じゃあ八方塞がりですか……」
だけど時間は残されていない。
ラブメア様の悪評が広まれば、その隙を利用したい貴族層が増え、やがて手の付けられない程巨大な派閥に成長してしまう。
そうなってしまえば誰も止められない。
(何かいい案はないかしら)
黒い噂でいっぱいの貴族社会。
私利私欲に支配されるこのピンチをなんとかしたいディゼ様。
今まで助けてもらってばかりだから、少しでも力になりたい。
でも貴族ですらない私にできることなんて……
「あっ」
「どうしたのノエル?」
そうだ、その手があった。
「ラブメア様が民衆に顔を出す機会はありますか?」
「一週間後のパレードに出席する予定だ。顔だけはいいし民衆からチヤホヤされる瞬間がラブメアは好きみたいだからね」
いい機会だ。
民衆の目に触れるというのはむしろ好都合。
貴族に訴えるのがダメなら、民衆を利用すればいい。
後は起爆する材料をそろえるだけ。
「ノエル? 一体何を考えてるの?」
「私達の元にはちょうどいいエサがいます」
「エサ?」
かつて私を利用して再び地位を取り戻そうとした愚かな伯爵。
私利私欲にまみれて、愛する人に再開する為に元婚約者に迫った醜い人。
「マゼン・オルクス。彼に最後の仕事をしてもらいましょう」
彼に少しだけ希望を与えましょう。
きっとやる気満々で引き受けてくれるはず。
ふふふ……
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